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天の美月
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「みんな!」
武器を作るために社にいるはずの三人が、私の叫びを聞きつけて、助けに来てくれた。
急に現れたから驚いたけど、きっとアマテラスかツクヨミが何かの術を使ったのだろう。
安心した私は嬉しくて涙が滲み、三人の姿がぼやけて見える。
「深月、大丈夫だった?」
アマテラスが駆け寄ってきて、背伸びをして私の頭を撫でた。
私は袖口で涙を拭いなら微笑んだ。
「ありがとう、私は大丈夫だよ。それより麒麟とユキちゃんは?」
「こっちは大丈夫だ」
ツクヨミが二人の状態を確認して答えた。
麒麟は立ち上がり、ブルッと体を震わせる。
鬣や長い尾が風になびき、瞳には力強い光が灯っている。
その表情を見れば何も言わずとも、その思いは伝わってくる。
ユキちゃんは、麒麟の下から素早く駆け出した。
『うにゃ』と、鳴きながら私の身体に耳を擦り付けて来る。
私は屈んでユキちゃんの頭を撫でると、嬉しそうに喉を鳴らした。
ふふっ、可愛い。
ついついにんまりと微笑んでしまう。
二人とも無事で本当に良かった。
二人の無事を確認し、ホッとして私は立ち上がった。
悠也さんが荷物の中から、ある物を大事そうに取り出し、私の目の前に掲げて言った。
「深月、お待ちかねの武器が完成したんだ。見てくれ」
「うわぁっ···!」
そう言って私は言葉を失った。
悠也さんが手渡してくれたのは、太陽のように輝く扇だ。
それはあまりにも美しくて、眩くて気高い。
武器というより、美術品のようなそれを、目の前にかざす。
房飾りはたくさんの宝玉が連なり、扇には三十一個の勾玉が嵌め込まれている。
「凄い武器だね。こんなにも美しいの、見たことがない」
感動で声が震えてしまう。
「深月、ありがとな。さあ、お前の持っている勾玉をはめ込み、仕上げをするぞ」
「お願いします」
私はコマケンから預かった二つの勾玉を悠也さんに手渡した。
悠也さんは二つの勾玉を武器にはめ込み、不具合がないか確認をすると、大きく頷いた。
「それじゃあ、武器とお前の光扇を融合させるぞ」
融合と言えば以前、拓斗さんの法具が完成した時、そのやり方を見せてもらったっけ。
確か拓斗さんは光弓を顕現させ、それと法具を融合させていた。
私も自分の武器を顕現させ、悠也さんの作ってくれたこの武器と融合させればいいんだよね。
よし、やるよ!
私は悠也さんから武器を受け取り、足を肩幅に開き大きく呼吸をする。
「深月、光扇を出してみろ」
目を瞑り意識を集中すると、右手が輝き出してすぐに光扇が現れた。
「二つをゆっくり近づけるんだ」
私は深呼吸しながら、慎重に左手の武器と光扇を近づけてゆく。
右手の光扇から光が溢れ出し、左手の武器へと流れ、武器も新たな命を得たかのように輝き出した。
お互いが引き合い、ゆっくりと融合する。
私の目の前で大きな光を放ち、その眩しさに目を開けていられないほどだ。
それからどのくらいの時間がたったんだろう?
やっと目を見開き、眼前に掲げた武器を見る。
それは淡い光を放っており、神々しいさまに見とれてしまった。
「深月、完成だ」
うわぁっ!
これが私の新しい武器!
私の光扇と融合したこの武器は、白銀の光を放つ。
それは月の光のように凛として美しい。
今まで使っていた月雅とは全く違う存在感だ。
手に馴染む、というのではなく、初めから私の身体の一部になっている美しい扇。
息をするのを忘れるくらい、私は暫く見とれていた。
「深月。分かっていると思うが、これは法具ではない」
悠也さんが改まって話し始めた。
「法具じゃないの?それなら、これは···?」
「これは神器だよ」
「神器!!」
うわっ!神器だって!
勾玉がこんなにもたくさん付いてるし、輝きも尋常じゃないもんね。
法具を超越した武器、神器。
なんだか凄いことになってない?!
見るからに強そうで、早く使って見たくてウズウズしてしまう。
「深月、神器の完成おめでとう!」
アマテラスがツクヨミを引き連れて来た。
「アマテラス、ツクヨミ、ありがとう」
「これから祝福を与えます。そのまま立っていてね」
「うん」
アマテラスとツクヨミは私の前に立ち、神器に手をかざした。
アマテラスからは太陽のように輝く光が流れ込み、ツクヨミからは月の光のように清らかな光が同時に流れ込んできた。
二人の力を受け取った神器は更に輝きを増した。
「馴染んだみたいだぞ」
ツクヨミが目を細めて言った。
「うわぁっ!綺麗···」
白銀色だった神器は、そこに青い色がプラスされなんとも神秘的で美しい。
ブルームーンを見ているようだ。
「この神器は、我らの祝福によって変形に対応できるようになった。戦闘で使う武器は扇だけじゃないだろ?」
「ええっ!まさか扇だけじゃなく、鞭にもなるってことなの?」
「そうだ」
ひえぇ!
それが本当ならこれはとんでもない武器だ。
「深月、この神器に名をつけてあげるね」
アマテラスが人差し指で、神器にトンと触れた。
「ありがとう。お願いね」
「この神器の名前は天の美月」
「天の美月?!」
綺麗な名前だ。
私の名が入ってる。
感激して胸が熱くなった。
「そうよ。これで思う存分戦いなさい。まず手始めにあれをなんとかしようか」
そう言うとアマテラスは指さした。
指さした先を見ると、ゼイゼイ言いながら岩をよじ登ってくる土偶の姿が見えた。
「お前達、もう許さないからな」
ギリギリと歯を食いしばりながら、どしどしとやってきた土偶は、顔を真っ赤にして両手を前に突き出した。
ヤバい、技を使う気だ。
この土偶、どんな卑怯な手を使うかわからない。
さっさと倒してしまわなければ、また窮地に陥りかねない。
私は新たな武器、天の美月を握りしめ走り出した。
ぱらりぱらりと扇が開けば、まばゆい閃光が土偶を襲う。
「ぐぬぬぅっ、眩しい!目眩ましとは卑怯な」
これを卑怯と言われる覚えはないが、チャンスではある。
「えいっ!」
掛け声と共に、扇を振り払った。
「ぐわっ!!」
それは土偶の腹部にヒットし、ピシピシっと胴体にヒビが入る。
「なっ!?」
土偶は驚愕し、腹を抑え後ずさる。
私は間髪入れずに踏み込んで、土偶との距離を縮め扇を叩き込んだ。
ガキンと音がして、扇は土偶の右肩を破壊した。
土偶は「信じられない」と言いながら目を見開き、空へと退避した。
「土偶、勝負をつける。降りてきなさい」
土偶はうろたえ、首を横に振った。
「お、俺が悪かったー。これ以上戦ったら本当に死んでしまう。一生のお願いだ。お前の言う事を何でも聞くから、今回だけは見逃してくれ」
ボロボロと涙を流しながら懇願する土偶を見たら、すっかりやる気が失せてしまった。
一旦、神器を降ろし土偶へ近づいた。
「ねえ、言う事を何でも聞くって本当?」
土偶はブンブンと頷きなら大地へと降り立ち、両手を地に付けた。
「引っかかったな」
「えっ?!」
土偶の声が大地に吸収されると、土がダダダっと盛り上がった。
それは大きな波となって私に襲いかかった。
武器を作るために社にいるはずの三人が、私の叫びを聞きつけて、助けに来てくれた。
急に現れたから驚いたけど、きっとアマテラスかツクヨミが何かの術を使ったのだろう。
安心した私は嬉しくて涙が滲み、三人の姿がぼやけて見える。
「深月、大丈夫だった?」
アマテラスが駆け寄ってきて、背伸びをして私の頭を撫でた。
私は袖口で涙を拭いなら微笑んだ。
「ありがとう、私は大丈夫だよ。それより麒麟とユキちゃんは?」
「こっちは大丈夫だ」
ツクヨミが二人の状態を確認して答えた。
麒麟は立ち上がり、ブルッと体を震わせる。
鬣や長い尾が風になびき、瞳には力強い光が灯っている。
その表情を見れば何も言わずとも、その思いは伝わってくる。
ユキちゃんは、麒麟の下から素早く駆け出した。
『うにゃ』と、鳴きながら私の身体に耳を擦り付けて来る。
私は屈んでユキちゃんの頭を撫でると、嬉しそうに喉を鳴らした。
ふふっ、可愛い。
ついついにんまりと微笑んでしまう。
二人とも無事で本当に良かった。
二人の無事を確認し、ホッとして私は立ち上がった。
悠也さんが荷物の中から、ある物を大事そうに取り出し、私の目の前に掲げて言った。
「深月、お待ちかねの武器が完成したんだ。見てくれ」
「うわぁっ···!」
そう言って私は言葉を失った。
悠也さんが手渡してくれたのは、太陽のように輝く扇だ。
それはあまりにも美しくて、眩くて気高い。
武器というより、美術品のようなそれを、目の前にかざす。
房飾りはたくさんの宝玉が連なり、扇には三十一個の勾玉が嵌め込まれている。
「凄い武器だね。こんなにも美しいの、見たことがない」
感動で声が震えてしまう。
「深月、ありがとな。さあ、お前の持っている勾玉をはめ込み、仕上げをするぞ」
「お願いします」
私はコマケンから預かった二つの勾玉を悠也さんに手渡した。
悠也さんは二つの勾玉を武器にはめ込み、不具合がないか確認をすると、大きく頷いた。
「それじゃあ、武器とお前の光扇を融合させるぞ」
融合と言えば以前、拓斗さんの法具が完成した時、そのやり方を見せてもらったっけ。
確か拓斗さんは光弓を顕現させ、それと法具を融合させていた。
私も自分の武器を顕現させ、悠也さんの作ってくれたこの武器と融合させればいいんだよね。
よし、やるよ!
私は悠也さんから武器を受け取り、足を肩幅に開き大きく呼吸をする。
「深月、光扇を出してみろ」
目を瞑り意識を集中すると、右手が輝き出してすぐに光扇が現れた。
「二つをゆっくり近づけるんだ」
私は深呼吸しながら、慎重に左手の武器と光扇を近づけてゆく。
右手の光扇から光が溢れ出し、左手の武器へと流れ、武器も新たな命を得たかのように輝き出した。
お互いが引き合い、ゆっくりと融合する。
私の目の前で大きな光を放ち、その眩しさに目を開けていられないほどだ。
それからどのくらいの時間がたったんだろう?
やっと目を見開き、眼前に掲げた武器を見る。
それは淡い光を放っており、神々しいさまに見とれてしまった。
「深月、完成だ」
うわぁっ!
これが私の新しい武器!
私の光扇と融合したこの武器は、白銀の光を放つ。
それは月の光のように凛として美しい。
今まで使っていた月雅とは全く違う存在感だ。
手に馴染む、というのではなく、初めから私の身体の一部になっている美しい扇。
息をするのを忘れるくらい、私は暫く見とれていた。
「深月。分かっていると思うが、これは法具ではない」
悠也さんが改まって話し始めた。
「法具じゃないの?それなら、これは···?」
「これは神器だよ」
「神器!!」
うわっ!神器だって!
勾玉がこんなにもたくさん付いてるし、輝きも尋常じゃないもんね。
法具を超越した武器、神器。
なんだか凄いことになってない?!
見るからに強そうで、早く使って見たくてウズウズしてしまう。
「深月、神器の完成おめでとう!」
アマテラスがツクヨミを引き連れて来た。
「アマテラス、ツクヨミ、ありがとう」
「これから祝福を与えます。そのまま立っていてね」
「うん」
アマテラスとツクヨミは私の前に立ち、神器に手をかざした。
アマテラスからは太陽のように輝く光が流れ込み、ツクヨミからは月の光のように清らかな光が同時に流れ込んできた。
二人の力を受け取った神器は更に輝きを増した。
「馴染んだみたいだぞ」
ツクヨミが目を細めて言った。
「うわぁっ!綺麗···」
白銀色だった神器は、そこに青い色がプラスされなんとも神秘的で美しい。
ブルームーンを見ているようだ。
「この神器は、我らの祝福によって変形に対応できるようになった。戦闘で使う武器は扇だけじゃないだろ?」
「ええっ!まさか扇だけじゃなく、鞭にもなるってことなの?」
「そうだ」
ひえぇ!
それが本当ならこれはとんでもない武器だ。
「深月、この神器に名をつけてあげるね」
アマテラスが人差し指で、神器にトンと触れた。
「ありがとう。お願いね」
「この神器の名前は天の美月」
「天の美月?!」
綺麗な名前だ。
私の名が入ってる。
感激して胸が熱くなった。
「そうよ。これで思う存分戦いなさい。まず手始めにあれをなんとかしようか」
そう言うとアマテラスは指さした。
指さした先を見ると、ゼイゼイ言いながら岩をよじ登ってくる土偶の姿が見えた。
「お前達、もう許さないからな」
ギリギリと歯を食いしばりながら、どしどしとやってきた土偶は、顔を真っ赤にして両手を前に突き出した。
ヤバい、技を使う気だ。
この土偶、どんな卑怯な手を使うかわからない。
さっさと倒してしまわなければ、また窮地に陥りかねない。
私は新たな武器、天の美月を握りしめ走り出した。
ぱらりぱらりと扇が開けば、まばゆい閃光が土偶を襲う。
「ぐぬぬぅっ、眩しい!目眩ましとは卑怯な」
これを卑怯と言われる覚えはないが、チャンスではある。
「えいっ!」
掛け声と共に、扇を振り払った。
「ぐわっ!!」
それは土偶の腹部にヒットし、ピシピシっと胴体にヒビが入る。
「なっ!?」
土偶は驚愕し、腹を抑え後ずさる。
私は間髪入れずに踏み込んで、土偶との距離を縮め扇を叩き込んだ。
ガキンと音がして、扇は土偶の右肩を破壊した。
土偶は「信じられない」と言いながら目を見開き、空へと退避した。
「土偶、勝負をつける。降りてきなさい」
土偶はうろたえ、首を横に振った。
「お、俺が悪かったー。これ以上戦ったら本当に死んでしまう。一生のお願いだ。お前の言う事を何でも聞くから、今回だけは見逃してくれ」
ボロボロと涙を流しながら懇願する土偶を見たら、すっかりやる気が失せてしまった。
一旦、神器を降ろし土偶へ近づいた。
「ねえ、言う事を何でも聞くって本当?」
土偶はブンブンと頷きなら大地へと降り立ち、両手を地に付けた。
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