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クラミツハVS.ハクタク2
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ハクタクの持つ月雅に狙いを定め、渾身の力を込めて扇を振り上げる。
扇は見事にハクタクの右腕にヒットした。
ハクタクは月雅を取り落とすが、それを蹴り上げ左手で掴み取った。
月雅を取り戻したいけど、そう簡単にはいかないみたいだ。
「お主は雪村深月!!なぜここに居る?」
ハクタクは表情をこわばらせて後退し、私との距離を取った。
「私は大切な仲間を取り戻すために帰ってきた。ハクタク、覚悟しなさい!」
私はクラミツハの前に立ち、扇をハクタクへ向けた。
「解せぬ。お主は闇の大王の依代になったのではなかったか?我が君からは確かにお主の力を感じるのに、お主と我が君はなぜ一つになっておらぬのか?」
「それは私とクラミツハが友達だからよ」
ハクタクは白い眉を僅かに動かした。
「友達?いっそう分からぬ。闇の世界よりこちらの世界へ戻るには、多大な霊力を必要とする。いくら我が君の力が強大と言っても、雪村深月が依代とならぬ限り、こちらの世界に戻ることはできぬはず。それに、例えこちらに来て依代から離れたとしても、その姿を維持できまい。そのことと友達と、何の関わりがあるというのか?お主と我が君が友となる利点など、一つもなかろう」
勝手な事ばかり言ってくれる。
利害が一致しての友達なんて、ホントの友達じゃないんだから。
そんな考えじゃ、私達の繋がりはきっと理解できないんだろうな。
「ハクタク、私があなたの疑問に答える義務はないわ。ただこれだけは言っておく。全てがあなたの思い通りには行かないということよ」
私はクラミツハを縛る黒い網を払い取った。
「クラミツハ、大丈夫?」
手を差し伸べると、クラミツハは少し気だるそうに掴まり起き上がった。
「深月、我は大丈夫だから···」
いやいや、全然大丈夫じゃないでしょう。
起き上がる時に、ふらついてるし。
月雅に力を吸い取られたのが影響しているようで、力が入ってないよ。
こんな状態で戦うなんて無理がある。
こうなったらクラミツハを護るため、私が戦うしかない!
「クラミツハ、あなたは休んでいていいから。後は私に任せて」
クラミツハは私の言葉にショックを受けたらしく、呆然と立ち尽くした。
そして、両手を強く握りしめ、ぶるっと震えるとキッとハクタクを睨んだ。
「こんなにコケにされながら、黙って休んでるなんて我慢ならない。我が行く」
「ちょっ、クラミツハ!」
あちゃー、闘志が漲っちゃったよ。
クラミツハは、凄くプライドが高いみたいだ。
休んでいてと言ったのは、完璧に逆効果だった。
クラミツハは私の前に出て、ハクタクに人差し指を突きつけた。
「お前、ハクタクとか言ったか。我を欺いたこと、たっぷりと後悔させてやるから覚悟するがいい」
クラミツハの目が光り、その表情が邪悪に染まる。
「クラミツハ、落ち着いて···」
「落ち着いてなどいられない。深月、我は逆に楽しくなってきた。あの獣を血祭りにあげて、あなたに捧げるから楽しみに待っててくれる?」
ぎゃあぁ!
そんなのいらない。
私は思わず頭を抱えた。
クラミツハがヤバい感じになっちゃったよ。
やる気になってるのはいいんだけどね。
なんだか、ヤトの女性版を見てるような気分になる。
うう···。
これ、止める自信ないよ。
「我の炎は強力だけど、本気の力ではないんだからね。こっちが我の本領である」
そう言うと、胸の位置に両手を開いた。
手のひらの上には黒い水の塊が渦を巻いて現れ、横に伸びて細長い棒状のものを形作る。
あっという間にその水は、黒光りする武器へと変化した。
それは柄が長く大きな黒い鎌。てらりと光って今にも水が滴り落ちそう。
黒い水でできた死神の鎌だ。
闇の大王の持つ死神の鎌って、ハマりすぎて怖い。
クラミツハは両手で死神の鎌を握ると、目にも止まらぬ速さでハクタクに向けて斬り上げた。
「くっ!」
ハクタクは月雅で死神の鎌を受け止めるけれど、圧倒的な強さのクラミツハにぐいぐいと押される。
堪らずハクタクは後ずさると、月雅を右に振るった。
月雅からは黒いかまいたちが、クラミツハに向けて放たれた。
死神の鎌を振り上げ、ほくそ笑むクラミツハ。
かまいたちはその瞬間に全て消え失せた。
「こんなちゃちな攻撃じゃ、我に傷一つ付けることもできないよ。次は我の番」
間合いを詰めて、死神の鎌を振り下ろし、すかさず切り替えした。
ハクタクは得意の中国拳法で反撃の機会を伺うけれど、鎌を避けるのに必死で、攻撃に転ずる事ができずにいる。
クラミツハの動きは素早く空をも駆け、その攻撃は変幻自在だ。どこから鎌が飛んでくるのか、全く予測がつかない。
ハクタクはそこかしこから血を流し、満身創痍の状態だ。
そして何度目かの打ち合いの末、ハクタクは肩に大きな傷を負い後退した。
「むう、このままでは儂に勝ち目はないのう。力を開放するしかないようじゃ」
そう言うとハクタクは月雅を頭上に掲げた。
月雅からは黒い霧が辺りに撒き散らされる。
ハクタクを中心に黒い霧が、厚い雲のようにこちらに迫ってくる。
今まで見た黒い霧とは比べようもない程、濃い密度とスピードで広がってゆく。
あの黒い霧はホントにヤバい。
いくらクラミツハが闇の大王だからといって、あの霧に捕まったが最後、動けなくなってしまう。
「クラミツハ、逃げて!あの黒い霧に触れたらダメよ」
「深月、私を誰だと思ってるの?闇を司る神だよ。あんな霧、我が吹き飛ばしてあげる」
うわっ!
駄目だ。闇の神のプライドが邪魔をして、私のアドバイスを聞こうとしない。
たった今優勢だからってハクタクを甘く見てはいけない。
黒い網にかかって動けなくなったのを、忘れた訳ではないだろうに。
クラミツハはパチンと指を鳴らし、風を巻き起こした。
その風は突風となって黒い霧に向かって行くが、全て霧の渦の中に吸収されてしまった。
「嘘っ?!」
ほら、やっぱりね!
クラミツハは自分の攻撃が効かなかったことを受け入れられず、何度も黒い霧を払おうと試みる。
しかし、どの攻撃も黒い霧を払うことができずに、その力は霧に吸収される。
クラミツハの間近まで黒い霧が迫るのに、逃げることはまるで頭に無いようだ。
このままじゃまずいよ。
なんとかクラミツハを逃さないと。
こうなったら陰陽師としての力を行使するしかない!
お願い!私の指示に従って。
私は勾玉を握りしめ、それに力を注ぎ込み叫んだ。
「クラミツハ、退避」
クラミツハは私の声に反応し、黒い霧に捕まる瞬間に、宙を舞って退避し私の後ろに控えた。
危なかったー!
はらはらしたけれど、なんとか上手く行ったので、私は胸を撫で下ろした。
それを見たハクタクは、驚き目を見開いた。
そのためか否か、黒い霧の動きが停滞し、ハクタクと私達の間にあった霧が僅かに晴れた。
「なんと?!我が君が雪村深月の指示に従うとは!もしやお主、我が君を式神にしたのか?」
私はクラミツハを護るため、両手を広げ言った。
「その通り。彼女は私の式神で私の大切な友達よ」
ハクタクは愕然として呟いた。
「むぅ、なんということか。長い年月をかけて仕込んだ計画が狂うてしもうた。まさか、闇の大王を従える人間が出現するとはのう···」
扇は見事にハクタクの右腕にヒットした。
ハクタクは月雅を取り落とすが、それを蹴り上げ左手で掴み取った。
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「それは私とクラミツハが友達だからよ」
ハクタクは白い眉を僅かに動かした。
「友達?いっそう分からぬ。闇の世界よりこちらの世界へ戻るには、多大な霊力を必要とする。いくら我が君の力が強大と言っても、雪村深月が依代とならぬ限り、こちらの世界に戻ることはできぬはず。それに、例えこちらに来て依代から離れたとしても、その姿を維持できまい。そのことと友達と、何の関わりがあるというのか?お主と我が君が友となる利点など、一つもなかろう」
勝手な事ばかり言ってくれる。
利害が一致しての友達なんて、ホントの友達じゃないんだから。
そんな考えじゃ、私達の繋がりはきっと理解できないんだろうな。
「ハクタク、私があなたの疑問に答える義務はないわ。ただこれだけは言っておく。全てがあなたの思い通りには行かないということよ」
私はクラミツハを縛る黒い網を払い取った。
「クラミツハ、大丈夫?」
手を差し伸べると、クラミツハは少し気だるそうに掴まり起き上がった。
「深月、我は大丈夫だから···」
いやいや、全然大丈夫じゃないでしょう。
起き上がる時に、ふらついてるし。
月雅に力を吸い取られたのが影響しているようで、力が入ってないよ。
こんな状態で戦うなんて無理がある。
こうなったらクラミツハを護るため、私が戦うしかない!
「クラミツハ、あなたは休んでいていいから。後は私に任せて」
クラミツハは私の言葉にショックを受けたらしく、呆然と立ち尽くした。
そして、両手を強く握りしめ、ぶるっと震えるとキッとハクタクを睨んだ。
「こんなにコケにされながら、黙って休んでるなんて我慢ならない。我が行く」
「ちょっ、クラミツハ!」
あちゃー、闘志が漲っちゃったよ。
クラミツハは、凄くプライドが高いみたいだ。
休んでいてと言ったのは、完璧に逆効果だった。
クラミツハは私の前に出て、ハクタクに人差し指を突きつけた。
「お前、ハクタクとか言ったか。我を欺いたこと、たっぷりと後悔させてやるから覚悟するがいい」
クラミツハの目が光り、その表情が邪悪に染まる。
「クラミツハ、落ち着いて···」
「落ち着いてなどいられない。深月、我は逆に楽しくなってきた。あの獣を血祭りにあげて、あなたに捧げるから楽しみに待っててくれる?」
ぎゃあぁ!
そんなのいらない。
私は思わず頭を抱えた。
クラミツハがヤバい感じになっちゃったよ。
やる気になってるのはいいんだけどね。
なんだか、ヤトの女性版を見てるような気分になる。
うう···。
これ、止める自信ないよ。
「我の炎は強力だけど、本気の力ではないんだからね。こっちが我の本領である」
そう言うと、胸の位置に両手を開いた。
手のひらの上には黒い水の塊が渦を巻いて現れ、横に伸びて細長い棒状のものを形作る。
あっという間にその水は、黒光りする武器へと変化した。
それは柄が長く大きな黒い鎌。てらりと光って今にも水が滴り落ちそう。
黒い水でできた死神の鎌だ。
闇の大王の持つ死神の鎌って、ハマりすぎて怖い。
クラミツハは両手で死神の鎌を握ると、目にも止まらぬ速さでハクタクに向けて斬り上げた。
「くっ!」
ハクタクは月雅で死神の鎌を受け止めるけれど、圧倒的な強さのクラミツハにぐいぐいと押される。
堪らずハクタクは後ずさると、月雅を右に振るった。
月雅からは黒いかまいたちが、クラミツハに向けて放たれた。
死神の鎌を振り上げ、ほくそ笑むクラミツハ。
かまいたちはその瞬間に全て消え失せた。
「こんなちゃちな攻撃じゃ、我に傷一つ付けることもできないよ。次は我の番」
間合いを詰めて、死神の鎌を振り下ろし、すかさず切り替えした。
ハクタクは得意の中国拳法で反撃の機会を伺うけれど、鎌を避けるのに必死で、攻撃に転ずる事ができずにいる。
クラミツハの動きは素早く空をも駆け、その攻撃は変幻自在だ。どこから鎌が飛んでくるのか、全く予測がつかない。
ハクタクはそこかしこから血を流し、満身創痍の状態だ。
そして何度目かの打ち合いの末、ハクタクは肩に大きな傷を負い後退した。
「むう、このままでは儂に勝ち目はないのう。力を開放するしかないようじゃ」
そう言うとハクタクは月雅を頭上に掲げた。
月雅からは黒い霧が辺りに撒き散らされる。
ハクタクを中心に黒い霧が、厚い雲のようにこちらに迫ってくる。
今まで見た黒い霧とは比べようもない程、濃い密度とスピードで広がってゆく。
あの黒い霧はホントにヤバい。
いくらクラミツハが闇の大王だからといって、あの霧に捕まったが最後、動けなくなってしまう。
「クラミツハ、逃げて!あの黒い霧に触れたらダメよ」
「深月、私を誰だと思ってるの?闇を司る神だよ。あんな霧、我が吹き飛ばしてあげる」
うわっ!
駄目だ。闇の神のプライドが邪魔をして、私のアドバイスを聞こうとしない。
たった今優勢だからってハクタクを甘く見てはいけない。
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その風は突風となって黒い霧に向かって行くが、全て霧の渦の中に吸収されてしまった。
「嘘っ?!」
ほら、やっぱりね!
クラミツハは自分の攻撃が効かなかったことを受け入れられず、何度も黒い霧を払おうと試みる。
しかし、どの攻撃も黒い霧を払うことができずに、その力は霧に吸収される。
クラミツハの間近まで黒い霧が迫るのに、逃げることはまるで頭に無いようだ。
このままじゃまずいよ。
なんとかクラミツハを逃さないと。
こうなったら陰陽師としての力を行使するしかない!
お願い!私の指示に従って。
私は勾玉を握りしめ、それに力を注ぎ込み叫んだ。
「クラミツハ、退避」
クラミツハは私の声に反応し、黒い霧に捕まる瞬間に、宙を舞って退避し私の後ろに控えた。
危なかったー!
はらはらしたけれど、なんとか上手く行ったので、私は胸を撫で下ろした。
それを見たハクタクは、驚き目を見開いた。
そのためか否か、黒い霧の動きが停滞し、ハクタクと私達の間にあった霧が僅かに晴れた。
「なんと?!我が君が雪村深月の指示に従うとは!もしやお主、我が君を式神にしたのか?」
私はクラミツハを護るため、両手を広げ言った。
「その通り。彼女は私の式神で私の大切な友達よ」
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