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光(2)
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「ティア···」
そう呟いたアレクは、時が止まったかのように動かなくなってしまった。
しばらくして、顔をクシュっと歪ませた彼は、今にも泣き出しそうな表情をしている。
アレクは目頭を押えてふうっと息を吐き、落ち着きを取り戻すと、私の目をしっかりと見て話し始めた。
「ティア·フローレンス···いや、僕も改めて頼む。君のことティアと呼んでもいい?」
「もちろん、いいよ」
「ティア、さっきの大好きという言葉は本気なの?」
「本気よ」
「ああ」
アレクはそう言うとその瞳にうっすらと涙を浮かべながら、優しく私を抱き寄せた。
あ、あれ?!
急に抱きしめられたけど、ええと···。
今は【媚薬】の効果は切れているはずよね?
目を白黒させている私に気付いたアレクは、耳元で囁いた。
「僕はずっと君のことが好きだったんだ。だからさっきの君の言葉がどんなに嬉しかったか」
ええっ?!ずっと好きって?
あわわわ、まさか?!
全然知らなかった。
いつもの生徒会長との受け答えや、目つきからはそんな要素は微塵も感じられなかったから。
あっ!そういえば、思い当たる節がある。
アレクは私の好みをことごとく知っていた。
本好きな所とか、食べ物の好みの事とか。
あとは······あれ?
ちょっと待って······。
ということは、先程の女神だの美しいだのというセリフは、演技ではなく本気だったということ?
うわあぁぁ。
動揺しまくった私は耳まで赤くなり、頭を抱えたくなった。
「おい、こら!!この状況でいちゃいちゃすんな」
突然外野から響いた大声に驚き、私もアレクも目を見合わせる。
ああ、そういえばフィンさんがいる事をすっかり忘れていた。
これはうっかりしすぎだろう。
「···うるさいぞフィン!いま大事な話をしてる所だ。ちょっとは静かにしてろ」
「なんだとっ!そもそもお前、後継者のリングはどこへやったんだ?」
そうだった!
青銀色のリングは、後継者のリングが正式名称で、それは今私が首にかけている。
いつまでも私が持っていて大丈夫なんだろうか?
「お前に教える必要が何処にある?」
凍えるような眼差しでフィンさんを睨みつけながら、アレクは銀色の壁まで歩み、床に落ちいたティアドロップを拾い上げた。
ああ!
ティアドロップは壁の向こう側に落ちていたのに、手が壁をすり抜けた?!
そんなことが出来るの。
銀色の壁はアレクの手が通った後も、何事も無かったように元の姿を保っている。
「ねえアレク、この銀色の壁は凄い魔法だね。物質を通さないように見えるけど、アレクの手は自由自在に通過するのね」
アレクはため息を吐きながらこちらに戻ってきた。
「少しの間だけ交換するよ」
そう言って私の首にティアドロップをかけ、更に私の首から後継者のリングを外して自分の首にかけた。
「その、魔法が問題なんだ」
アレクは肩を落としてそう呟いた。
そう呟いたアレクは、時が止まったかのように動かなくなってしまった。
しばらくして、顔をクシュっと歪ませた彼は、今にも泣き出しそうな表情をしている。
アレクは目頭を押えてふうっと息を吐き、落ち着きを取り戻すと、私の目をしっかりと見て話し始めた。
「ティア·フローレンス···いや、僕も改めて頼む。君のことティアと呼んでもいい?」
「もちろん、いいよ」
「ティア、さっきの大好きという言葉は本気なの?」
「本気よ」
「ああ」
アレクはそう言うとその瞳にうっすらと涙を浮かべながら、優しく私を抱き寄せた。
あ、あれ?!
急に抱きしめられたけど、ええと···。
今は【媚薬】の効果は切れているはずよね?
目を白黒させている私に気付いたアレクは、耳元で囁いた。
「僕はずっと君のことが好きだったんだ。だからさっきの君の言葉がどんなに嬉しかったか」
ええっ?!ずっと好きって?
あわわわ、まさか?!
全然知らなかった。
いつもの生徒会長との受け答えや、目つきからはそんな要素は微塵も感じられなかったから。
あっ!そういえば、思い当たる節がある。
アレクは私の好みをことごとく知っていた。
本好きな所とか、食べ物の好みの事とか。
あとは······あれ?
ちょっと待って······。
ということは、先程の女神だの美しいだのというセリフは、演技ではなく本気だったということ?
うわあぁぁ。
動揺しまくった私は耳まで赤くなり、頭を抱えたくなった。
「おい、こら!!この状況でいちゃいちゃすんな」
突然外野から響いた大声に驚き、私もアレクも目を見合わせる。
ああ、そういえばフィンさんがいる事をすっかり忘れていた。
これはうっかりしすぎだろう。
「···うるさいぞフィン!いま大事な話をしてる所だ。ちょっとは静かにしてろ」
「なんだとっ!そもそもお前、後継者のリングはどこへやったんだ?」
そうだった!
青銀色のリングは、後継者のリングが正式名称で、それは今私が首にかけている。
いつまでも私が持っていて大丈夫なんだろうか?
「お前に教える必要が何処にある?」
凍えるような眼差しでフィンさんを睨みつけながら、アレクは銀色の壁まで歩み、床に落ちいたティアドロップを拾い上げた。
ああ!
ティアドロップは壁の向こう側に落ちていたのに、手が壁をすり抜けた?!
そんなことが出来るの。
銀色の壁はアレクの手が通った後も、何事も無かったように元の姿を保っている。
「ねえアレク、この銀色の壁は凄い魔法だね。物質を通さないように見えるけど、アレクの手は自由自在に通過するのね」
アレクはため息を吐きながらこちらに戻ってきた。
「少しの間だけ交換するよ」
そう言って私の首にティアドロップをかけ、更に私の首から後継者のリングを外して自分の首にかけた。
「その、魔法が問題なんだ」
アレクは肩を落としてそう呟いた。
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