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第21話 狂ったお知らせ機能

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 私はこれからについて考えていた。
 これからどうするべきか、どうするのが一番最善なのか。

 赤信号で止まっている間、考えていた。
 私は、誰を助けたいのかと。

 今、私は悩んでいる。

 選択肢は主に二つある。

 このまま、家族の方に向かうのがいいのか。
 それとも、代表たちと合流する方がいいのか。

 代表たちとは連絡が取れないし、このまま実家の方に向かえば恐らく会えない。
 二度と会えないかもしれない。

 少なくとも、前回の人生では会えなかった。

 もう、会う事は無い。
 忘れようとしていた。

 しかし、スマホで連絡を取って助けられる可能性があることに気が付いた。
 そうしたら、もう切り捨てることはできなかった。

 ≪どうでも良いと思うけどな。≫
 ≪結局、なんかできる訳でも無いし。≫

 ≪お前、全員助けられるとか寝ぼけたこと思ってるわけじゃねぇよな。≫
 ≪もうこの時点で厄災の光線が降ってくることは確定しているんだ。≫

 ≪こんな、地上にいる時点で止められねぇ。≫
 ≪犠牲はしょうがねぇんだ。≫

 ≪もう、最低限の義理は果たしただろ。≫
 ≪お前には、目標を果たしてもらう必要があるんだ。≫

 ≪あの、無職野郎。≫

 ≪そいつから、異形を奪い取れ。≫
 ≪全て回収しろ。≫

 ≪そうすれば、奴らも撤退する。≫

 ≪狂ったアイツは邪魔なんだ。≫
 ≪無駄に能力高いせいで、殺し切る事も、捕まえることも難しい。≫

 あの、無職の人。
 そんなに重要な存在なのか。

 でも、何で君は私に頼むんだ?
 そもそも君は誰なんだ?

 ≪ああ!!≫
 ≪誰でもいいだろ。≫

 ≪俺は狂ったお知らせ機能。≫
 ≪そういうことにしておいてくれ。≫

 君は、味方なのか?
 それとも、敵なのか?

 ≪敵でも、味方でもねぇよ。≫
 ≪中立だ、中立。≫

 ≪少なくとも、ステータス能力を獲得しないことには話すこともできねぇ。≫
 ≪お前は都合が良いから、話し相手になってやってるだけだ。≫

 それっきり、彼は黙ってしまった。
 私は、一人で考えた。

 代表達は、少なくとも前回の厄災を回避できていた。
 助けに行くべきなら、私の家族の方だ。

 ≪覚悟は決まったか?≫
 ≪この今の選択のルートが、正解とは限らねぇんだ。≫
 
 ≪お前の、前回の仲間が死亡するかもしれねぇ。≫

 ≪その辺は、覚悟しておけよ。≫

 私は、車を高速に乗せ、急いで実家へと戻り始めた。
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