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戦闘29 到着

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 ゴブリン視点

 階層主は、階層の奥深くで閉じこもる戦術をやめ、移動を始めた。
 武器などの準備を完ぺきに行い、ガッチガッチに固めて出陣した。
 そして、しばらく時間がたち。

 ゴブ(ワープ)

 階層主は、第5階層へと到着した。
 階層同士は、直接つながれているわけではなくワープで向かう。

 ゴブ(まずは前線へと向かう!)
 ゴブ(移動中も戦えるように完璧に準備しておけ。)

 私は、配下のゴブリンたちを率いて前線へと向かった。
 急がなくてはならなかった。
 戦いに負けた所で、全員の経験値をごっそり持っていかれるだけで特にそれ以外のデメリットはない。
 
 ゴブ(急げ!)

 とはいっても私自身が望んで、みなを説得して始めた戦いだ。
 始めたものとして、あっさり負けましたじゃすまないだろう。
 
 ゴブ(めんどい。)
 ゴブ(飯マダー)
 ゴブ(動きたくなーい。)

 ・・・みんなこんなにやる気なかったけ?
 まあ、そんなことは関係ない。
 どうせ、前線についたらいやおうなしでも戦わざるを得ない。

 そうこうしているうちに、前線の景色が見えてきた。
 そこにいたゴブリンたちの姿が見えた。
 どうやら指示を下しているようだ。

 ゴブ(突撃じゃー)

 ゴブリンたちは、積極的に効きそうなところを殴りつけているが、効果は薄い。
 頭などには攻撃は届かないので、足の関節や、ひざの裏などを全力でぶんなぐっている。
 能力の差のためか、何度も殴りつけないと倒すことができない。

 ゴブ(急がないと)
 
 気持ちだけが先行するが、まだ距離はある。
 急ぐことしかできなかった。

 それに、いつもの戦闘とは違って真正面からの戦いでは分が悪いようだ。
 向こうの数も多く、1体が倒れてもまた次の個体がやってくる。
 全体としてはこちらが押されている。

 ようやく到着した。

 ゴブ(到着だ。)
 ゴブ(全員覚悟を決めろ。)

 いよいよ前線へと到着した。
 しかし、そこは予想道理、悲惨な光景が広がっていた。

 相手はどうやらそこまで動きは早くないようだが、力が強い。
 軽く当たるだけで、かなりのダメージとなってしまう。

 ゴブ(ぐはー)


 ゴブリンたちがあっさりと吹き飛ばされていった。
 やはり能力差はかなり響いているようだ。

 さてと、まずはあいつらのことを調べないと。
 あいつらが持っている武器は恐らく我々と同じこん棒だろう。
 まずはあいつら自身のことを知らなくては。
 
 ≪鑑定≫

 何気にこれは久しぶりに使う気がする。
 いつも同じ階層にいるとあまり調べることもないしな。

 ゴブ(さてどうかな。)

種族 オーク 状態 普通
LV48
種族スキル 脂肪の鎧 

所有スキル 初級こん棒術 嗅覚強化 腕力強化 食い溜め

称号 なし

 私は愕然とした。
 一つ階層が違うだけでここまでの差が出るのかと。

 こちらはスピードでは上回っているようだが。
 奴らの脂肪が厚すぎてこん棒での打撃があまり効いていない。

 味方のゴブリンが腕力強化によって、強化された腕力で吹き飛ばされていく。

 私は愕然としていたが、いつまでもそうしているわけにもいかない。
 何か対策案を考えなければ。
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