奇跡

朧靄聖神

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奇跡を叫ぶ

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「ねぇ、好きな花とかある?」
横を歩く幼馴染が突拍子の無いことを聞いてくる
好きな花…好きな花ね…うん…
「僕は桜が好きかな」
「へぇ~…あのね!私は紅葉が好き!」
へぇ~って…興味ない返事だろそれ…ていうか…
「それ…花じゃないぞ…」
「え!?ほんとだ!!」
えへへと頭をかいている…全く…
「…馬鹿だろ……」
まぁ、そこが可愛いんだけどさ…
「誰が馬鹿だ!!もぅ……帰ろ?」
お前だよ…全く…可愛いんだけどさ!
「ねぇ…あれ何かな」
幼馴染の指を指す方向には扉があった
「扉…?」
なんで空き地のど真ん中に…?
昨日まで無かったよな…どこでもドア的な?
「行ってみよ!!ほら!!」
そう言って僕は腕を引かれる
「ちょ!引っ張んな!!」
あ…いいにおい…
(ガチャ…)
ドアを開けるとそこには冬なのに
桜が咲き乱れていた…それだけでもおかしいのにあろうことか紅葉を迎えている木が無数にある…
「わぁ…見てみて!!山だ!!」
「おぉ…おぉ…!!」
振り返ると桜色と紅葉色に染まる山が目の前に広がっていた
これは……
「今は冬なのにね!」
「…そもそも同じ時期の植物じゃない…」
「でも…綺麗だねぇ」
「あぁ…綺麗だ………」
綺麗だが…
すると横で幼馴染が叫びだした
「大好きー!!!」
馬鹿だなこいつ…って誰がだ!?誰が!?落ち着け落ち着け…落ち着いて聞こう…
「…誰がだ?」
「…ふふっ…私が紅葉好きなのはね!君の名前が楓だからだよ!!」
っ!!…なんだよそれ…それじゃ…僕と…
「…桜が好きな理由…お前の名前が桜だから…なんだ…」
「えへへー…一緒だねー」
気づけば手を握っていた
「……やっぱり…お前…馬鹿だろ」
「君もじゃん!……ねぇ…好きだよ…楓」
「………好きだ…大好きだ!!!桜!!」
僕も叫んだ、叫ばずにはいられなかった
「…!!…ふふっ…奇跡だね」
「ふっ…あぁ…奇跡だ」
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