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過去編:鬼々黒と鴉鳥大和

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これは桜牙が生まれるずっと昔、
江戸時代中期の頃、妖鬼と呼ばれる異形なモノが現れる様になった、そこで当時の幕府は妖鬼から民を守る武士を募り〈狩人〉とし、日本全国に放った
「見つけたぞ!!」
〈狩人〉の一人である大和が追っていた妖鬼を見つけ叫ぶ
「くそったれぇぇ!!!」
妖鬼は激昂し襲いかかってくる
「俺が行こう…」
大和の前に立ち刀を構えたのは黒だ
「黒…来てくれたのか…」
「脚と腕が折れている…そんな状況では戦えまい…」
「ゴチャゴチャうるせぇ!!!クラァ!!」
妖鬼が異形となった爪で黒に飛びかかる
「遅い…裂…フッ!!」
黒は爪を受け流し妖鬼を切り刻んだ
「…歩けそうか?」
刀を収め大和に肩を貸す
「あぁ…ありがとうな…」
戦闘を終えた二人は〈狩人〉達が集まる宿屋に戻る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ただいま~…」
宿屋に戻った二人を他の〈狩人〉達が迎える
「おうよ、何だお前、また黒に助けてもらったのか?情けねぇなぁ…」
最初に出迎えてくれたのは黒と大和達の上司の2mはある大男。通称熊さん。因みに名前に熊という漢字は
一文字もない
「黒が異常なんですよ~!!」
「俺は異常なのか…?」
「そういう所だよ…」
そこへ走ってやってきたのは大和の妹である桜、特徴的な桜色の髪をひとつ結びにしている
「黒さん!おかえりなさい!!兄さん!また黒さんに迷惑かけて!」
「兄に対して辛辣すぎない…?」
「桜、ただいま」
「はひ!おかえりなさい!!」
黒に名前を呼ばれたことにより顔を赤くし動揺している桜を見て大和はため息をつく
「はぁ…黒の事好きすぎでしょ」
「ハハハ!!桜ちゃんにも春が来たって事だろう!!良いことじゃねぇか!なぁ、桜ちゃん!」
「もう、熊さん!茶化さないで下さいよぅ…恥ずかしい…」
「桜…顔が赤いぞ?どうした…」
黒は桜の頬を撫でる
「ひゃっ…っっっ!!!!」
プシューと音が聞こえる程に桜の顔は赤くなった
「まだ赤いぞ?大丈夫か?」
「あ、あ!ご飯作ってきますね!!」
逃げるように桜は料理場へ駆け込んだ
「楽しみだ…桜の作る料理は美味しいからな…」
それを見ていた男二人は呆れていた
「こいつ…これが無自覚なんだよなぁ…」
「うちの妹はとんでもない奴に捕まったよ…」
「何がだ?」
「「はぁ…」」


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