魔法使いさん、あなたの願いは何ですか?

水無月夏至

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第一章

試験結果は

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―アリスミール城謁見の間―

パイプオルガンでも弾けそうな位高い天井、そして柱は白銀色に光っていた。
もっともそんなの絵でしか見たことないけどね

皇子や他の方々に連れられて、とうとう王さまと会うことになった……。

チラッとフェミ姉の方を見ると落ち着いて片膝をついている

ミリの方を見てみると、………何となく安心?しちゃったかも、私と同じようにソワソワして、回りをキョロキョロしている

するとユミル中佐が心配して声をかけてくれた

「二人ともそんなに緊張しなくても大丈夫よ、王様はとても優しいお方だから…ね♪

あっ来られたわ」

するとさっきと同様にみんなが一斉に礼をした、私たちも遅れないようにあわててした。
ゆっくりとした足音と、布が床に摩れる音が静かに響いてくる。

………………?、どうしたのかな??、下見ているから分からないょ~

と思っていると急に声がかかった

「皆のもの、面をあげよ」

穏やかな落ち着きのある響きをした声だった

これが王さまの声

ん???、おもて??、おもてって何~~

「シャーリン、ミリ顔を上げて良いって事よ!」

フェミ姉にコッソリ言われて顔を上げると、フェミ姉とユミル中佐がとても心配そうに見ていた

「はっはっは、慣れないことをさせてしまったようですまなかったな

儀礼とかは気にせずとも良いぞ、実をいうとわしも窮屈でな」

……王様、言葉は心配してくれているけど思いっきり大笑いしている~

って、王さまがそれをいっちゃ~駄目でしょう

「さてと、話を始める前に三人はわしの名前は知っておるか?」

するとフェミ姉が

「はい、存じております」

……………………
え~~、フェミ姉知っているの~?裏切り者~~

「ふむ、そちだけか…、まあラズエールは結構遠いから縁がないのかもしれないな

しかし、今後はわしに直接会う機会も多くなるから一応覚えていてくれ

肩書きは省くぞ、ガイア・フィル・ルブルロワールだ

本音を言えばわし自身この名はあまり気に入っていないのだけどな」

王さまはそう言い、頭をポリポリかいて苦笑いをしていた

「では始めるか」

王さまが言うとバリファーンさんが出てきて、王さまの隣に来るとゆっくり話はじめた

「三名は起立せよ」

立ったのを確認してから、ゆっくりこちらを向き言いはじめた


フェミスコート・ロイヤルレイン伯、汝は魔力測定試験において魔力数値288万を出した

汝には、魔法使いAランクの上級者として力を尽くしてほしい…

次に
シャーリンドリア・ロイヤルレイン伯、並びにミリアリス・ロイヤルレイン伯

両名とも魔力数値265万であった、姉と同じ様に魔法使いAランクの上級者として力を尽くしてほしい」

「はい!」

三人揃って返事をした、そしてフェミ姉が

「王さま一つお伺いしてもよろしいですか?」

と聞いた

「ん?、何じゃ」

「はい、名前の後言われたロイヤルレイン伯と言われたのは何なのですか?」

「??何じゃ知らぬのか?」

「陛下、それについては私の方から説明いたしましょうか?」

「ではバリファーン頼んだ」

王さまにお辞儀しこちらを向く

「説明の前に聞いておきたいのだが、君達の師匠は何も言ってないのだね?」

…………………

「先生は少し前に亡くなられました…」

ガタン!!

「!!?そんなバカな!!!、亡くなった??、兄者が!?、いつ?、死因は?」

「バリファーン魔法使い顧問!!!、ソチらしくもない、何を取り乱しておるか!!!」

あら、王さまの一言で一気に冷静になったみたい…

でも、先生の事をこんなに思ってくれているのは凄く嬉しい…

「陛下、お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」

「分かれば良い、続けよ」

「あ…、先生が亡くなったのは二ヵ月程前の事です

死因は病死でした、何の病気かは不明でした…」

フェミ姉がそう説明するとバリファーンさんは

「そうか…すまなかった、一番悲しいのは君達なのに……

さて、話を続けるか

順をおって言うと、君達の師匠であるガイヤードは5年程前に私に言った言葉がある…

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