6 / 39
開戦の試験場
しおりを挟む
最初からこれが狙いだったと言わんばかり。
分かりきっていた。予想できなかった。決まっていた。考えられなかった。
いくつもの自分が、確かにいる。
だが、”今”の俺はどこにもいなかった。
俺は何者なのか?
「キミはキミだよ」
あぁ、ありがとう。
俺はもう迷わない。
最後まで俺を信じてくれた君を、今度は俺が信じるから。
「...ふぅ、準備はできた。始めようか」
ここからが幕開けだ。
俺がお前らを表舞台に導いてやる。
♢
時はそれなりにさかのぼり、四日前。
この日、初めての実習授業があり、越智 鏡月に課題を出された日でもあった。
その課題内容は夜桜 幸糸と四対一で勝負し、勝つこと。ここで疑問が生まれる。
どうして対戦相手が夜桜くんなのか。対戦すること自体は分かる。講師の先生に自分たちの実力を知ってもらうためには手っ取り早くていいだろう。
だが、普通なら対戦相手は講師に来た先生自身が行うのではないか。どうして夜桜くんを指名したのか。
さらにいえば、対戦人数が四対一ということ。生徒同士の戦いでこんな一目瞭然の試合をさせること。
そして、”最弱”と言われる噂。だが、それとは裏腹におかしな態度。
彼は何かを隠している。それを越智さんは知っている。だから彼を対戦相手に選んだ。
ここまで考えたが、結局のところ証拠がない。
「答えは試験で、ってことね」
今は地図のない宝を探すより、謎を解くしかなさそうだ。
私たち四人は残された時間でできる限り訓練した。
様々な作戦、戦術、合わせ技。勝つために私たちは様々な訓練をした。
四日。実際に魔族とこれから戦うような気分だった。
私だけではない、この班の人たちは全員勘が良い。皆分かっているのだろう。
その間、夜桜くんは学校に来なかった。
♢
ここに至るまで早足すぎたかな。
そう思ってしまうが、結局のところもうすでにここまで来てしまったのと、いつかはこうなる”運命”であると気持ちを切り替える。
くよくよしてるとまた怒られるからな。
俺は現実に焦点を当てる。前には四人。各々の力量がその立ち姿だけで示された。
さすがと言わざるを得ない。
だが、こっちだってそれなりの苦労をしてきたんだ。
「それではこれより、試験を開始する」
今俺たちがいるのは軍が管理している秘匿訓練場。どうしてそんなものがあるのかと言われれば、名目上は術を他家に知られないようにするため。
名目とはいえこれも十分に理由だ。だが、これが建てられた本当の理由は違う。まぁ、その話はまた別の機会に。
そんな場所をわざわざ貸してもらってるんだ、俺も”本気”で相手をするのが礼儀だろう。
「始め!」
鏡月の掛け声と同時に前衛二人、透禍と七星が早速切り込んでくる。距離はあと五メートル。
躊躇いなし。完璧な動き。
七星の剣が真正面から突きさそうと走り、その後ろを透禍が刀を下段に構えてついてくる。
そして、よく見ればそれより後方で悠莉と紅璃が左右それぞれを銃と弓で捉えている。
なるほど、七星の剣は囮、それを避けて後ろに行けば透禍がさらに控えている。左右に避ければ悠莉と紅璃が。
四日でよくもまぁ、こんなに息が合うことで。初手にして王手ってことかな。
だけど、それはあくまで一般人にとって。
「ふっ!」
「なっ!?」
俺はこの策に一つの抜け道を見出す。
後ろ、左右、上、どこに逃げても駄目。ならどうするか。
まずこの時点で間違っている。考える場所はもっと前に、分岐点は他にある。
それは、”進む”か”退く”か。先ほどまでの考えは後者、なら前者ならどうだろうか。
俺は攻撃に対し、真正面から相対する。
七星が突き刺す剣をかわし、懐に入り込む。進んで来られるとは思っていなかったのか、七星の対応が一瞬遅れる。
柄を握る手に手刀打ち、得物を放した手からすぐさま取り上げる。そのまま流れるように体を捻り、回し蹴りを入れる。
七星は何とか防御するが、衝撃で訓練場端まで吹き飛ぶ。
まず一人。
七星がいなくなったことで透禍と相対する。
「あなた何者よ、その身のこなし。それは...」
「話してる余裕はないぜ」
一瞬だが、戸惑ってしまった透禍に対し、距離を一気に詰める。
七星から奪った剣で上段からたたき切ろうとする。遅れはしたが、透禍もそれに対し素早く下段に収めていた刀を切り上げ、弾こうとする。
それを待ってた。
「え...」
俺は僅かに軌道をずらすことで互いの刃は当たることなく横切った。透禍はそのままバランスを崩し、体が流れてしまう。
先ほどまでは七星と透禍の前にいたため、後衛二人が俺を狙うことが出来なかったが、障害物がなくなることで二対一となった。
俺は上半身をそのまま地面に落とし、急加速。できる限り短時間で戦闘を終わらせるため、接近しようとする。
だが、そう簡単ではないよな。
俺の予想は当たったようで、二人は少々厄介である。
「悠莉、あの身のこなしは半端じゃない!近づけたら負ける」
「分かってる。紅璃、さっきとは違って私たちに障害物を作ろう」
「分かった」
この二人は頭の回転が早い、そして術の相性も良い。
「”硬土”」
「”裂火”」
まず悠莉の術で簡単に壊せない土の壁を建てる。そうすることで俺が最短距離で移動できないようにする。
次に紅璃の術で踏んだら破裂する導火線を敷く。そうすることで地雷を作り、簡単に突破されないようにする。
思ったよりえげつないな。
俺は全速力を維持し、弾と矢を避け続ける。近づくことができないため、どうするか悩む。
だが、時間はその間も進でしまう。急激に気温が下がる。
おいおい早すぎだろ。あの蹴りをくらってもう起き上がんのかよ。
七星がすでに起き上がり、術を二つも展開していた。
「”氷下気”。”冰零剣”」
”氷下気”。周囲の温度を急激に下げる術。”冰零剣”。絶対零度の冰で作られた剣で、触ったものを瞬時に凍らせてしまう。
そしてさらに厄介なのがもう一人。
「時間をくれてありがとう。ヒラバナ流刀術、”天花万象”」
”天花万象”。刀身に術を溜め込み、一気に解放する一撃必殺の技。
溜め込むまでに時間がかかるため、実戦でも使い勝手が悪く、諸刃の剣である。
だが今は四対一。この状況では諸刃の剣ではなく、最強の一手となりうる。
透禍の術が発動可能になったその時、四人は一斉に四方から俺を囲むように飛び込んできた。今度こそ逃げ場をなくすように。
七星により、体温が奪われることで体の動きが悪くなる。
悠莉により、強固な壁が俺の動きを遮る。
紅璃により、地雷が仕掛けられることで俺の身動きを規制する。
透禍により、一撃でも食らうと俺の負け。
たく、えげつないな。これはさすがに負けるかな。
でも、今回は少々意地悪をさせてもらおう。ここで負ける訳にはいかないんだ。
四人の得物がそれぞれ俺を捉える。
「これで終わりよ」
「...そうだな、手加減はここまで。ここからは本気を出そう」
「は?何をのたまって——」
四人の攻撃が俺に当たる瞬間、四人の動きが止まる。
「え...」
何が起こっているのか分からない。そういった呆けた声が聞こえた。
「”綱壊露網”。安心しろ、今回は試験だ。峰打ちだから死にはしない、ただ痛いかもな」
次に瞬きをした時には四人は倒れていた。全員が何が起きたのか一切理解できていなかった。
「俺の勝ちだな」
「どうしてっ!」
「どうしてって。君こそどうした?」
「こ、こんなことが」
画して試験は終わり、全ての始まりが確定した。
罪の花と運命の糸。世界の運命はこれから動き出す。
分かりきっていた。予想できなかった。決まっていた。考えられなかった。
いくつもの自分が、確かにいる。
だが、”今”の俺はどこにもいなかった。
俺は何者なのか?
「キミはキミだよ」
あぁ、ありがとう。
俺はもう迷わない。
最後まで俺を信じてくれた君を、今度は俺が信じるから。
「...ふぅ、準備はできた。始めようか」
ここからが幕開けだ。
俺がお前らを表舞台に導いてやる。
♢
時はそれなりにさかのぼり、四日前。
この日、初めての実習授業があり、越智 鏡月に課題を出された日でもあった。
その課題内容は夜桜 幸糸と四対一で勝負し、勝つこと。ここで疑問が生まれる。
どうして対戦相手が夜桜くんなのか。対戦すること自体は分かる。講師の先生に自分たちの実力を知ってもらうためには手っ取り早くていいだろう。
だが、普通なら対戦相手は講師に来た先生自身が行うのではないか。どうして夜桜くんを指名したのか。
さらにいえば、対戦人数が四対一ということ。生徒同士の戦いでこんな一目瞭然の試合をさせること。
そして、”最弱”と言われる噂。だが、それとは裏腹におかしな態度。
彼は何かを隠している。それを越智さんは知っている。だから彼を対戦相手に選んだ。
ここまで考えたが、結局のところ証拠がない。
「答えは試験で、ってことね」
今は地図のない宝を探すより、謎を解くしかなさそうだ。
私たち四人は残された時間でできる限り訓練した。
様々な作戦、戦術、合わせ技。勝つために私たちは様々な訓練をした。
四日。実際に魔族とこれから戦うような気分だった。
私だけではない、この班の人たちは全員勘が良い。皆分かっているのだろう。
その間、夜桜くんは学校に来なかった。
♢
ここに至るまで早足すぎたかな。
そう思ってしまうが、結局のところもうすでにここまで来てしまったのと、いつかはこうなる”運命”であると気持ちを切り替える。
くよくよしてるとまた怒られるからな。
俺は現実に焦点を当てる。前には四人。各々の力量がその立ち姿だけで示された。
さすがと言わざるを得ない。
だが、こっちだってそれなりの苦労をしてきたんだ。
「それではこれより、試験を開始する」
今俺たちがいるのは軍が管理している秘匿訓練場。どうしてそんなものがあるのかと言われれば、名目上は術を他家に知られないようにするため。
名目とはいえこれも十分に理由だ。だが、これが建てられた本当の理由は違う。まぁ、その話はまた別の機会に。
そんな場所をわざわざ貸してもらってるんだ、俺も”本気”で相手をするのが礼儀だろう。
「始め!」
鏡月の掛け声と同時に前衛二人、透禍と七星が早速切り込んでくる。距離はあと五メートル。
躊躇いなし。完璧な動き。
七星の剣が真正面から突きさそうと走り、その後ろを透禍が刀を下段に構えてついてくる。
そして、よく見ればそれより後方で悠莉と紅璃が左右それぞれを銃と弓で捉えている。
なるほど、七星の剣は囮、それを避けて後ろに行けば透禍がさらに控えている。左右に避ければ悠莉と紅璃が。
四日でよくもまぁ、こんなに息が合うことで。初手にして王手ってことかな。
だけど、それはあくまで一般人にとって。
「ふっ!」
「なっ!?」
俺はこの策に一つの抜け道を見出す。
後ろ、左右、上、どこに逃げても駄目。ならどうするか。
まずこの時点で間違っている。考える場所はもっと前に、分岐点は他にある。
それは、”進む”か”退く”か。先ほどまでの考えは後者、なら前者ならどうだろうか。
俺は攻撃に対し、真正面から相対する。
七星が突き刺す剣をかわし、懐に入り込む。進んで来られるとは思っていなかったのか、七星の対応が一瞬遅れる。
柄を握る手に手刀打ち、得物を放した手からすぐさま取り上げる。そのまま流れるように体を捻り、回し蹴りを入れる。
七星は何とか防御するが、衝撃で訓練場端まで吹き飛ぶ。
まず一人。
七星がいなくなったことで透禍と相対する。
「あなた何者よ、その身のこなし。それは...」
「話してる余裕はないぜ」
一瞬だが、戸惑ってしまった透禍に対し、距離を一気に詰める。
七星から奪った剣で上段からたたき切ろうとする。遅れはしたが、透禍もそれに対し素早く下段に収めていた刀を切り上げ、弾こうとする。
それを待ってた。
「え...」
俺は僅かに軌道をずらすことで互いの刃は当たることなく横切った。透禍はそのままバランスを崩し、体が流れてしまう。
先ほどまでは七星と透禍の前にいたため、後衛二人が俺を狙うことが出来なかったが、障害物がなくなることで二対一となった。
俺は上半身をそのまま地面に落とし、急加速。できる限り短時間で戦闘を終わらせるため、接近しようとする。
だが、そう簡単ではないよな。
俺の予想は当たったようで、二人は少々厄介である。
「悠莉、あの身のこなしは半端じゃない!近づけたら負ける」
「分かってる。紅璃、さっきとは違って私たちに障害物を作ろう」
「分かった」
この二人は頭の回転が早い、そして術の相性も良い。
「”硬土”」
「”裂火”」
まず悠莉の術で簡単に壊せない土の壁を建てる。そうすることで俺が最短距離で移動できないようにする。
次に紅璃の術で踏んだら破裂する導火線を敷く。そうすることで地雷を作り、簡単に突破されないようにする。
思ったよりえげつないな。
俺は全速力を維持し、弾と矢を避け続ける。近づくことができないため、どうするか悩む。
だが、時間はその間も進でしまう。急激に気温が下がる。
おいおい早すぎだろ。あの蹴りをくらってもう起き上がんのかよ。
七星がすでに起き上がり、術を二つも展開していた。
「”氷下気”。”冰零剣”」
”氷下気”。周囲の温度を急激に下げる術。”冰零剣”。絶対零度の冰で作られた剣で、触ったものを瞬時に凍らせてしまう。
そしてさらに厄介なのがもう一人。
「時間をくれてありがとう。ヒラバナ流刀術、”天花万象”」
”天花万象”。刀身に術を溜め込み、一気に解放する一撃必殺の技。
溜め込むまでに時間がかかるため、実戦でも使い勝手が悪く、諸刃の剣である。
だが今は四対一。この状況では諸刃の剣ではなく、最強の一手となりうる。
透禍の術が発動可能になったその時、四人は一斉に四方から俺を囲むように飛び込んできた。今度こそ逃げ場をなくすように。
七星により、体温が奪われることで体の動きが悪くなる。
悠莉により、強固な壁が俺の動きを遮る。
紅璃により、地雷が仕掛けられることで俺の身動きを規制する。
透禍により、一撃でも食らうと俺の負け。
たく、えげつないな。これはさすがに負けるかな。
でも、今回は少々意地悪をさせてもらおう。ここで負ける訳にはいかないんだ。
四人の得物がそれぞれ俺を捉える。
「これで終わりよ」
「...そうだな、手加減はここまで。ここからは本気を出そう」
「は?何をのたまって——」
四人の攻撃が俺に当たる瞬間、四人の動きが止まる。
「え...」
何が起こっているのか分からない。そういった呆けた声が聞こえた。
「”綱壊露網”。安心しろ、今回は試験だ。峰打ちだから死にはしない、ただ痛いかもな」
次に瞬きをした時には四人は倒れていた。全員が何が起きたのか一切理解できていなかった。
「俺の勝ちだな」
「どうしてっ!」
「どうしてって。君こそどうした?」
「こ、こんなことが」
画して試験は終わり、全ての始まりが確定した。
罪の花と運命の糸。世界の運命はこれから動き出す。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる