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第三章 愛され開発生活本番
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思いの外、神崎部長の部屋は普通だった。
いや、別に何かを期待していたわけではない。
普通の駅近、1LDKの単身用マンション。
こういう時ってほら、漫画や小説の中だと実は御曹司で無茶苦茶お金のある人、という設定がお決まりじゃない?
まぁ、そんなお決まり設定だったら回れ右して帰りたくなるんだろうけど。
「ソファに座っていて下さい」
「…ありがとうございます」
ついキョロキョロしてしまうのは、私が異性の部屋に来るのが初めてだからかもしれない。(弟を異性としてカウントしなければ初めてだな、うん。)
他人の、しかも男の人の部屋に普通の精神で座って寛げるほど場慣れしていないから、こういうときの対処法が全く思い浮かばない。というか、どこを見てたらいいのか分からないから、結局膝の上においてある自分の手を眺めているしか出来ないわけで…私のバイブルたちはこういう時には既にいい雰囲気になっている事が多いからお手本にも出来ない。
キッチンからジュワっと音がして、ふわりと仄かなガーリックの匂いが漂うと、急にお腹が空腹を示し始める。緊張していたって、お腹が空く時は空くのです、えぇ。
そして、女子はガーリックがお好き…。次の日の匂いなんて気にしていられないほどに、ガーリックが好きなんです、私。
あれ、そういえばそんな話をこの間の焼き鳥屋でしたような気がする。しかも、ガーリック食べながら…。
デート中に平気でガーリック食べられちゃう私って、本当に女子力が無いんだな。とか、思いながらキッチンに目をやると、カウンターから見える神崎部長と目が合った。
「っ!」
思わず目を逸らしてしまったのは、この世の女をみんな食ってしまえるほどのキラースマイルを浴びせられたからで、決して気まずかったからとか、イヤだったからという理由ではない。
というか、こういう時に世の女性はどうするものなんだろうか? キッチンに行って手伝う? 話をする? 何を作っているか聞くとか…どうして自宅だったのか聞くとか…どうして私なのか聞くとか…いや、どんどん悪い方向に思考が向かっていきそうだから、この辺で止めといた方がいいかもしれない。
「お待たせしました。涼子さん、これをテーブルに置いてもらえませんか?」
「ふぁひ! …はい」
変な事を考えていた罰なのか、急に話しかけられて慌てて返事をしたら思いっきり噛んでしまった。本当に、男の人に免疫の無い自分がいやになる。
カウンターに置かれたガラスの小皿には、おしゃれにサラダが盛り付けられている。本当に何でもそつなくこなすんだな、このイケメンは。
イケメンで、仕事も出来て、おまけに料理も出来る。欠点があるとすれば、私のような女の破片を集めてやっと欠片を作れる程度の女子力しかないタイプが好きという点だけかな。
片手に大皿を2枚持って片手にドレッシングのボトルを持った神崎部長が、これまたキレイに盛り付けられたペペロンチーノをテーブルに置く。
「明日は休みですし、気にせずニンニクにしてみました。涼子さん、好きだって言っていたので…」
「はい、大好きです!」
ペペロンチーノ! パスタの中で一番好きなんです! ガーリックをふんだんに使ってて尚且つパリモチ加減が絶妙なガーリックスライスを食べられるペペロンチーノが大好きです!
つい、食い入る様に見つめてしまった大皿にハッと思い出して神崎部長を見上げると、なんと表現していいのか…ふわりと優しく微笑んでいる表情を見せられてしまった。
あぁ。なんて反則技。今ので、世の中の女性の80%はイチコロに出来てしまいそうな笑顔。
「近いうちに、別のものも好きになってくださいね」
「へ?」
「…涼子さん、白ワインお好きですか?」
「え、えっと…はい」
別のもの? 何だろう…別のものって…。と考えたところで、神崎部長が近くのコンビニ白ワインを持って現れた。
「あ! それ美味しいですよね!」
「やっぱり、知ってましたね」
「やっぱり?」
「この間の焼き鳥屋で、コンビニでワインを買うこともあるって言っていたから、お酒好きな涼子さんならこれを知っているかなって」
「神崎部長も飲まれるんですか?」
「私は涼子さんほどではありませんが、たしなむ程度には飲みますよ」
へぇー…お酒弱いって言っていたからちょっと意外かも。
私の前にワイングラスをおいて、神崎部長の席には普通のコップ。たしなむ程度に飲むのなら、一緒に飲みたいのだけど…。
「神崎部長は飲まないんですか?」
「…飲んでもいいんですか?」
「…え? はい」
うん? なんで飲んでもいいか聞くんだろうか? 飲みたければ飲めばいいのです、それが酒!
それに、そのワインは神崎部長が買ってきたものなわけだし、好きにしたらいいと思う。いや、それが紳士的な優しさってやつなのかもしれないぞ!
神崎部長はクスリと笑って、自分の分のワイングラスに白ワインを注いだ。差し出されたグラスでチンと乾杯を交わして口に含んだ白ワインは、辛口で鼻から息を吐くとフルーティな香りに変化する。すっきりとした後味が好きで、白ワインを自宅で飲むときは必ずこのワインにしているくらい好き。
「おいしいですね、やっぱり!」と言って顔を上げると、例のゴールデンレトリバーロイくんが顔を覗かせている。
「これで、涼子さんを送って行けなくなりました」
「…え?」
「…いいえ、こちらの話ですよ。それよりも、涼子さんの口に合うといいんですが」
神崎部長のロイくんがすっと消えて、いつもの紳士的な笑顔に戻った。アレは気のせいか?
あれ、でも……すごく大事なWordをスルーしたような………あ、でも、目の前のペペチが私を呼んでる。
勧められたパスタを食べるとピリリとした鷹の爪の刺激に鼻を抜けるガーリックの香りがなんともいえない。パスタも、程よく芯の通ったアルデンテでソースに絡めるとこれがまた旨い!
ガーリックスライスは少し厚めに切られているようで、噛むとモチっとした食感とふわっと香るニンニク特有の香りにお酒が進む。
あぁ、料理の上手いイケメンってこんなにもすばらしいのね。
「すっごく美味しいですよ! 神崎部長って、料理まで出来るんですね!」
「…涼子さん、今は洋司と呼んでくれるほうが嬉しいんですが…」
「あ、の…えと…」
あの、それはまだハードル高いっていうか、付き合ってるんだし漫画のヒロインのように恥ずかしがりながら彼氏を名前で呼んで、赤面するとかってやった方がいいんだろうけど、もうなんていうか、ほら、私だよ! 私が相手でそんな事されても、嬉しくもなんとも無いって言うか…きっと引く! そんな気がする!
でも、目の前の神崎部長は今回ばかりは逃がさないとでも言うように、じぃっと見つめてくる。離れない視線に、絡め取られて中々解けないパスタのような気分で握ったフォークに力が入った。
「…よ…ぅ……」
「……」
「じ、さん」
これ、漫画の中では聞き取れないからもう一度はっきり言えとか言われるんだよ。そうなんだよ。だから、神崎部長さん、そういうお決まりの展開は今はなしにしてくださいませんか?
尻すぼみした神崎部長の名前と下がっていく視線に、今度は下げたまんまの視線を上げられないで、フォークに絡まったパスタを眺める羽目になる。
「…ふぅ、思いの外クるものがありますね。まぁ、今はそんな感じでいいですよ」
「…す、すみません…」
名前も呼べなくてすみません。というか、世の中の女性ってどうしてそんなにすんなりと名前呼び出来てしまえるのだろう? もしかしたらすんなりといけないのは私だけなんじゃないか? と悶々としているとまたクスクスと小さな笑い声がして「これからゆっくり慣れていきましょうか」と面白そうな声色で恐ろしいことを発言してくれる神崎部長に、口に入れたパスタを良く噛まずに飲み込んで危うく詰まらせる所だった。
「ん、このサラダ…りんごですか?」
「えぇ。ニンニクの臭みにはりんごが良いらしいので、営業周りでうっかりニンニク料理を食べてしまった日にはりんごジュースで誤魔化したりしてたんですよ。定食屋のおばさんが教えてくれまして」
「へぇー! 知りませんでした」
知らなかった! これで平日も気にせずニンニク食べられるのか! なんていい豆知識を貰ったんだろうか…というか、そんな情報を知っているだなんて、神崎部長は女子力もおありのようで…。
少し早目に始まった食事に、気がつけばチーズや燻製を肴に白ワインのボトルがどんどん減っていった。席もテーブルからふかふかの気持ちのいいソファに変わって、始めよりも緊張は解けていた。
神崎部長も、弱いとは言いつつもわりと飲んでいると思うのだけれど、それでも私の方がグラスを開けた回数は多いかもしれない。
神崎 洋司さん。
5年前まではニューヨーク支社で支社長補佐と営業部長をこなし、帰ってきた頃には数人のデザイナーの伝手もあってか畑違いのランジェリー部門のデザイン部部長に就任。
大学時代は特にサークルにも入らずに、いろんなサークルやクラブにお呼ばれしては助っ人と飲み会に参加するような学生だったらしい。
何でもそれなりにこなせてしまうから、一つのことに熱心になったり、やりこんだりという所まで行かなかったらしい。
高校時代は一応水泳部だったらしい。今でも2週に1回は泳ぎに行っているらしいけれど、その頃は全寮制の男子校だったらしく、女人禁制だった寮の相部屋に同室の人が何度か女の子をつれてきていて、そういう場面に出くわした事があったらしく、連帯責任として、寮全体のトイレ掃除を言い渡されたこともあるのだとか。
意外と普通な男の子だったんだと笑ってしまって、神崎部長のロイくんが何度か拗ねた。
誕生日は3月3日のお雛様の日に生まれた。出てくるまで女の子だと思われていたらしく、出てきた時にお母さんに『郁美!』と呼ばれて、立派なものが付いている股を見てお父さんが『さすがに郁美とはつけられないね』というのがビデオに残っていたんだとか。
これにもまた笑ってしまったけれど、「今度は涼子さんの番ですよ」と促されて渋々、女子校時代の苦い経験を語った。
いや、別に何かを期待していたわけではない。
普通の駅近、1LDKの単身用マンション。
こういう時ってほら、漫画や小説の中だと実は御曹司で無茶苦茶お金のある人、という設定がお決まりじゃない?
まぁ、そんなお決まり設定だったら回れ右して帰りたくなるんだろうけど。
「ソファに座っていて下さい」
「…ありがとうございます」
ついキョロキョロしてしまうのは、私が異性の部屋に来るのが初めてだからかもしれない。(弟を異性としてカウントしなければ初めてだな、うん。)
他人の、しかも男の人の部屋に普通の精神で座って寛げるほど場慣れしていないから、こういうときの対処法が全く思い浮かばない。というか、どこを見てたらいいのか分からないから、結局膝の上においてある自分の手を眺めているしか出来ないわけで…私のバイブルたちはこういう時には既にいい雰囲気になっている事が多いからお手本にも出来ない。
キッチンからジュワっと音がして、ふわりと仄かなガーリックの匂いが漂うと、急にお腹が空腹を示し始める。緊張していたって、お腹が空く時は空くのです、えぇ。
そして、女子はガーリックがお好き…。次の日の匂いなんて気にしていられないほどに、ガーリックが好きなんです、私。
あれ、そういえばそんな話をこの間の焼き鳥屋でしたような気がする。しかも、ガーリック食べながら…。
デート中に平気でガーリック食べられちゃう私って、本当に女子力が無いんだな。とか、思いながらキッチンに目をやると、カウンターから見える神崎部長と目が合った。
「っ!」
思わず目を逸らしてしまったのは、この世の女をみんな食ってしまえるほどのキラースマイルを浴びせられたからで、決して気まずかったからとか、イヤだったからという理由ではない。
というか、こういう時に世の女性はどうするものなんだろうか? キッチンに行って手伝う? 話をする? 何を作っているか聞くとか…どうして自宅だったのか聞くとか…どうして私なのか聞くとか…いや、どんどん悪い方向に思考が向かっていきそうだから、この辺で止めといた方がいいかもしれない。
「お待たせしました。涼子さん、これをテーブルに置いてもらえませんか?」
「ふぁひ! …はい」
変な事を考えていた罰なのか、急に話しかけられて慌てて返事をしたら思いっきり噛んでしまった。本当に、男の人に免疫の無い自分がいやになる。
カウンターに置かれたガラスの小皿には、おしゃれにサラダが盛り付けられている。本当に何でもそつなくこなすんだな、このイケメンは。
イケメンで、仕事も出来て、おまけに料理も出来る。欠点があるとすれば、私のような女の破片を集めてやっと欠片を作れる程度の女子力しかないタイプが好きという点だけかな。
片手に大皿を2枚持って片手にドレッシングのボトルを持った神崎部長が、これまたキレイに盛り付けられたペペロンチーノをテーブルに置く。
「明日は休みですし、気にせずニンニクにしてみました。涼子さん、好きだって言っていたので…」
「はい、大好きです!」
ペペロンチーノ! パスタの中で一番好きなんです! ガーリックをふんだんに使ってて尚且つパリモチ加減が絶妙なガーリックスライスを食べられるペペロンチーノが大好きです!
つい、食い入る様に見つめてしまった大皿にハッと思い出して神崎部長を見上げると、なんと表現していいのか…ふわりと優しく微笑んでいる表情を見せられてしまった。
あぁ。なんて反則技。今ので、世の中の女性の80%はイチコロに出来てしまいそうな笑顔。
「近いうちに、別のものも好きになってくださいね」
「へ?」
「…涼子さん、白ワインお好きですか?」
「え、えっと…はい」
別のもの? 何だろう…別のものって…。と考えたところで、神崎部長が近くのコンビニ白ワインを持って現れた。
「あ! それ美味しいですよね!」
「やっぱり、知ってましたね」
「やっぱり?」
「この間の焼き鳥屋で、コンビニでワインを買うこともあるって言っていたから、お酒好きな涼子さんならこれを知っているかなって」
「神崎部長も飲まれるんですか?」
「私は涼子さんほどではありませんが、たしなむ程度には飲みますよ」
へぇー…お酒弱いって言っていたからちょっと意外かも。
私の前にワイングラスをおいて、神崎部長の席には普通のコップ。たしなむ程度に飲むのなら、一緒に飲みたいのだけど…。
「神崎部長は飲まないんですか?」
「…飲んでもいいんですか?」
「…え? はい」
うん? なんで飲んでもいいか聞くんだろうか? 飲みたければ飲めばいいのです、それが酒!
それに、そのワインは神崎部長が買ってきたものなわけだし、好きにしたらいいと思う。いや、それが紳士的な優しさってやつなのかもしれないぞ!
神崎部長はクスリと笑って、自分の分のワイングラスに白ワインを注いだ。差し出されたグラスでチンと乾杯を交わして口に含んだ白ワインは、辛口で鼻から息を吐くとフルーティな香りに変化する。すっきりとした後味が好きで、白ワインを自宅で飲むときは必ずこのワインにしているくらい好き。
「おいしいですね、やっぱり!」と言って顔を上げると、例のゴールデンレトリバーロイくんが顔を覗かせている。
「これで、涼子さんを送って行けなくなりました」
「…え?」
「…いいえ、こちらの話ですよ。それよりも、涼子さんの口に合うといいんですが」
神崎部長のロイくんがすっと消えて、いつもの紳士的な笑顔に戻った。アレは気のせいか?
あれ、でも……すごく大事なWordをスルーしたような………あ、でも、目の前のペペチが私を呼んでる。
勧められたパスタを食べるとピリリとした鷹の爪の刺激に鼻を抜けるガーリックの香りがなんともいえない。パスタも、程よく芯の通ったアルデンテでソースに絡めるとこれがまた旨い!
ガーリックスライスは少し厚めに切られているようで、噛むとモチっとした食感とふわっと香るニンニク特有の香りにお酒が進む。
あぁ、料理の上手いイケメンってこんなにもすばらしいのね。
「すっごく美味しいですよ! 神崎部長って、料理まで出来るんですね!」
「…涼子さん、今は洋司と呼んでくれるほうが嬉しいんですが…」
「あ、の…えと…」
あの、それはまだハードル高いっていうか、付き合ってるんだし漫画のヒロインのように恥ずかしがりながら彼氏を名前で呼んで、赤面するとかってやった方がいいんだろうけど、もうなんていうか、ほら、私だよ! 私が相手でそんな事されても、嬉しくもなんとも無いって言うか…きっと引く! そんな気がする!
でも、目の前の神崎部長は今回ばかりは逃がさないとでも言うように、じぃっと見つめてくる。離れない視線に、絡め取られて中々解けないパスタのような気分で握ったフォークに力が入った。
「…よ…ぅ……」
「……」
「じ、さん」
これ、漫画の中では聞き取れないからもう一度はっきり言えとか言われるんだよ。そうなんだよ。だから、神崎部長さん、そういうお決まりの展開は今はなしにしてくださいませんか?
尻すぼみした神崎部長の名前と下がっていく視線に、今度は下げたまんまの視線を上げられないで、フォークに絡まったパスタを眺める羽目になる。
「…ふぅ、思いの外クるものがありますね。まぁ、今はそんな感じでいいですよ」
「…す、すみません…」
名前も呼べなくてすみません。というか、世の中の女性ってどうしてそんなにすんなりと名前呼び出来てしまえるのだろう? もしかしたらすんなりといけないのは私だけなんじゃないか? と悶々としているとまたクスクスと小さな笑い声がして「これからゆっくり慣れていきましょうか」と面白そうな声色で恐ろしいことを発言してくれる神崎部長に、口に入れたパスタを良く噛まずに飲み込んで危うく詰まらせる所だった。
「ん、このサラダ…りんごですか?」
「えぇ。ニンニクの臭みにはりんごが良いらしいので、営業周りでうっかりニンニク料理を食べてしまった日にはりんごジュースで誤魔化したりしてたんですよ。定食屋のおばさんが教えてくれまして」
「へぇー! 知りませんでした」
知らなかった! これで平日も気にせずニンニク食べられるのか! なんていい豆知識を貰ったんだろうか…というか、そんな情報を知っているだなんて、神崎部長は女子力もおありのようで…。
少し早目に始まった食事に、気がつけばチーズや燻製を肴に白ワインのボトルがどんどん減っていった。席もテーブルからふかふかの気持ちのいいソファに変わって、始めよりも緊張は解けていた。
神崎部長も、弱いとは言いつつもわりと飲んでいると思うのだけれど、それでも私の方がグラスを開けた回数は多いかもしれない。
神崎 洋司さん。
5年前まではニューヨーク支社で支社長補佐と営業部長をこなし、帰ってきた頃には数人のデザイナーの伝手もあってか畑違いのランジェリー部門のデザイン部部長に就任。
大学時代は特にサークルにも入らずに、いろんなサークルやクラブにお呼ばれしては助っ人と飲み会に参加するような学生だったらしい。
何でもそれなりにこなせてしまうから、一つのことに熱心になったり、やりこんだりという所まで行かなかったらしい。
高校時代は一応水泳部だったらしい。今でも2週に1回は泳ぎに行っているらしいけれど、その頃は全寮制の男子校だったらしく、女人禁制だった寮の相部屋に同室の人が何度か女の子をつれてきていて、そういう場面に出くわした事があったらしく、連帯責任として、寮全体のトイレ掃除を言い渡されたこともあるのだとか。
意外と普通な男の子だったんだと笑ってしまって、神崎部長のロイくんが何度か拗ねた。
誕生日は3月3日のお雛様の日に生まれた。出てくるまで女の子だと思われていたらしく、出てきた時にお母さんに『郁美!』と呼ばれて、立派なものが付いている股を見てお父さんが『さすがに郁美とはつけられないね』というのがビデオに残っていたんだとか。
これにもまた笑ってしまったけれど、「今度は涼子さんの番ですよ」と促されて渋々、女子校時代の苦い経験を語った。
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