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人と動物は同じ生き物ですが、違う本能を持っているようです。
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ユスファリムの腕の中で小さく震えるオルティテアが、熱を孕んで潤む瞳を向けた。
「お前と私では、生きる時間が違う! お前には分からない。どれだけ愛し合って慈しみ合って思い出を繋ごうと、私は数百年を生きるんだっ! 私はお前をこんなところに繋いで閉じ込めてなど要られないっ。でも、お前は私よりもずっと早く老いるんだっ! 分かるかっ、私は………見送るしか出来ないんだ…お前が父に愛された魂の欠片を持っていても、私は何度となくお前を見送るしか………もう、一人で…十分なんだ」
「……オルティテア、俺はお前のその言葉が何より愛しいよ……愛してしまったんだ、もう、止められない」
「何なんだっ!? お前も、父も母も…どうして私を置いていく者しか、私はっ」
ユスファリムの腕の中で、力が抜けたような感覚のオルティテアは、迫り上がる涙を止められずに顔を埋めた。
──オルティテア、思いは止められん。それは神でさえも。だから、神と人の間に子が成されるんだ。母がそうであるように、お前もまた同じだ──
バロンチェアの言葉が静かにオルティテアの耳に届く。その意味を、痛いほどに実感してしまっている。
「それよりも……俺がお前の父親に愛された魂って、なんだ?」
「…おい、お前は理解して話していたのでは……」
「いや、全く。だが、お前の愛の告白だけはきちんと理解した」
にっこりと笑っているユスファリムに、バロンチェアがくくくと笑いを噛み殺したような声を出した。
──人間よ、言葉通りだ。お前は産まれるよりも先に、ワシの中に流れるオルティテアの父の魂の一部を分けられて産まれた。彼が望んだことは一つだ──
「──オルティテアと共にあれ」
「………」
「そうか、たまに見る夢で聞こえる声は、お前の父親だったんだな。闇夜にキラキラと輝く万の星の中で、優しい声がいつも言うんだ。『愛しい子よ、愛と共にあれ』と」
バロンチェアは、彼の中に流れる、女神に愛された男の魂が、温かく鼓動するのを感じた。
男は、不幸だったわけではない。古に、女神への貢ぎ物として宛がわれた男は絶世の美女に愛された。愛する者との間に子を成す事も出来た。だが、愛しい劣情を感じる相手は、いつも天にしかいない。共にあり、触れ合う事の出来ない寂しさに男がいつまでも耐えられるわけもなく、心の繋がりを優先する神にとって男のその感覚は理解し得ないものだった。
有限を生きる者と、無限を生きる神との価値観の違いはいつの間にか男に『早く死にたい』と思わせてしまった。
誰が悪かったわけでもない。皆、自分自身の精一杯の愛し方をしただけのこと。
オルティテアはそんな父親に育てられた。触れ合う温かさ、包み込む腕の強さ、他人の熱を感じて育ったオルティテアが、人を恋しがるのは必然だ。
だが、それを認めたくないのもまた必然。
だからこそ、父は願った。愛する娘と共に生きてくれる人が現れることを。
「無関心なフリをしながら、優しく接するお前に惚れた」
「やめろ」
細く白い手をとって指先に口付ける。
「触れるもの全てを慈しむ横顔がキレイで何度となく見つめた」
「やめろと言っているだろう」
今度は頬に、触れるだけの口付けを。
「やめない。お前が、オルティテアが俺を認めるまで、俺はしつこいくらいに愛を伝えると決めたんだ」
「勝手に決めるな」
「今度はやめろとは言わないんだな」
ふふと、幸せそうな笑みがこぼれ、鼻をこ擦り合わせる。
「っ、くそ………お前は、理解しているのか、お前と私とでは感じる時間の流れが違う」
また、オルティテアの瞳が揺れるが、それを口付けで宥めた。
「でも、大丈夫だ。俺がお前を愛してさえいれば、それは関係ない。何度だって出会ってやるさ。何度だって、探してやる。もう決めたんだ」
「……お前」
唇を震わせるオルティテアに、ユスファリムが優しく口付ける。それに小さく応えて、オルティテアが僅かに顎がを上げた。
「ユスファリムだ。その美しい声で、俺を呼んでくれ……オルティテア」
「………ダメだ、名前など呼べば…それこそ」
「いいよ。神としての愛し方も人としての愛し方もしてもらえるなんて、俺は幸福じゃないか」
「縛り付けてしまう」
少し距離を置こうと体を離す仕草をしたオルティテアに、ユスファリムは腰を押さえつけて阻止する。
「俺だって縛ってやる」
「私の縛り方は、人と違う…」
「おい、俺の縛り方を甘くみるなよ? 逃がしてなどやらない。泣いても、喚いても、遅いからな」
「んっ」
ユスファリムは、それでも否定を口にしようとしたオルティテアの唇を、強引にふさいだ。
ピクリと抵抗したのは一瞬で、後は深い口付けを受け取るだけになったオルティテアに、ユスファリムがゆっくりと舌を差し込んだ。
ビクリと慄くように引っ込まれた舌を、しつこく追い掛け口付けを深くすれば、くぐもった声が口の中で響く。
ゾクリとざわつく下半身に、ユスファリムは漸く唇を離して一呼吸すると、肩を上げて呼吸を整えるオルティテアを見て、たまらない気持ちで強く抱きしめた。
「な、なんだっ!」
「あー、かわいいよ! 堪らなく、かわいい!!」
「こ、こら、離せっ」
「このまま、食べてしまいたいよ。オルティテアの全てを俺で満たしてしまえたら、どれだけ幸せだろう」
雄の瞳をギラつかせ、それでも優しくオルティテアに触れるそのギャップに、ドギマギするのは仕方のないことだと言い聞かせる。
全てを任せてしまいたいと思う気持ちと、抵抗したい気持ちとがごちゃ混ぜでうまく対処出来ない。
だが、それでいいのだとも思っている。不思議で温かな感情を、両手で包んで大切にしまってしまいたい。次から次に注がれる愛を、永遠に感じられる箱にしまって蓋をしておきたい。
「……大切に、する………だから、お前も同じに大切にしろ…ユスファリム」
「! あぁ、当たり前だ。うんっと、大切にする」
嬉しそうな、幸せそうな笑みのまま、降ってきた口付けを受け取り、ゆっくりと目を閉じた。
────・・・
白い肌に、ユスファリムの褐色の手が降りる。
滑らかで柔らかな肌を確かめるように、その手がゆっくりとオルティテアの体をなぞっていく。
熱い吐息が首筋に触れると、ゾクリと腰がざわつく。時折、オルティテアが息をつめて小さく唸るが、それすらユスファリムには刺激が強い。
貪りたい衝動を抑え込み、堅く緊張しているオルティテアの体をゆっくりと開いていく。
「っふ…ん、くすぐったい、ぞ」
「どこが?」
「そっ、こで喋るなッ」
耳に吐息がかかったことに、肩をびくつかせて反応する。
声を抑え込み、弾む息を整えようとすればするほど、放出できない熱がジワジワと何かを満たしていくのが分かる。
ユスファリムはふっくらとした胸に手をあて、己の手のひらの中で堅くなった乳首に、また興奮して溢れ出そうとする欲望を理性でやり込めた。
耳朶に、首筋に、鎖骨にと少しずつ下がりながら口付けを繰り返し、時々強く吸い上げた。
白い肌に鬱血した赤い痕が、雪野原に花弁を散らしたように美しく映える。
「あぁ、キレイだ」
「はぁ、ふんぅ……こんな、の、知らないぞ…っ…」
「俺も、こんなのは初めてだよ」
濃い桃色に染まった乳首はピンと立ち上がり、ジンジンと痛みにも似た感覚を持っている。
もっとハッキリとした、強い刺激がほしい。焦れったい優しい愛撫に、痺れを切らしたオルティテアがツンと背中をしならせて胸を張る。
「ひぃ、あぁっ」
それに応えたユスファリムは、乳首に舌をはわせ吸い上げた。
それだけで、腰をくねらせたオルティテアに手を添えて形のいい臀部までを撫でた。
ふるりと揺れるもう片方の胸も、指先でピンと弾いたり、親指と人差し指で捏ねたり、押し潰したりとオルティテアの反応を見ながら愛撫する。
「も、ぁぁっ…し、っこいぞ」
「……痛くはないだろ?」
「あンぅ、痛みじゃないっ! しつこく触るな、下が切なくなるだろっ」
ユスファリムの手がピタリと止まり、彼女の発した言葉の意味を正しく汲み取ろうとする。
「さっきから、下っ腹がむず痒くてもどかしいんだ。お前がしつこくソコばかりするからだ! 全く、原因はソレなんだから止めれば元に戻っ」
先程とは違う、猛禽類が天空から獲物を見定めるような獰猛な視線に、オルティテアが言葉を詰まらせた。
何かを失敗した。怒っているのか? いや、怒るというよりも……耐える? の方が正しい気がする。
オルティテアが、ソッと頬に触れるとユスファリムが頬を寄せて、目を閉じ軽く深呼吸をした。
震える息が思いの外熱くて、なぜかズクリと重く疼いた腰に太ももを擦り合わせてしまう。
「誘惑されたのかと思ってしまった」
「何の事だ?」
「あぁ、無垢だな……何だか、悪いことをしている気分になる」
「何を言っているんだ。ただの交尾だろう?」
キョトンとするオルティテアを前に、ユスファリムは驚くほどに冷静でいられる自分を称えたくなった。
「それはそうだが、動物がするものとは違うぞ?」
「何が違うんだ。男性器を女性器に差し込むんだろ?」
「………萎えてしまいそうだから、それ以上は無しだ」
「ん?」
「動物がするのは、そこに子孫を残す為の本能だけがあるが、人間は違う。愛しいと思う心を注ぎ合う。愛を表現する一つの行動もそこに備わってくるんだ」
「……愛を」
「そうだ。俺がどれだけお前を愛しいと思って、覚悟しているのか、しっかりとその身を持って知ればいい」
また、ユスファリムと深く唇が重なり、痺れるような感覚に身を任せようとした。
だが、それは彼の手が触れた場所に驚いて阻まれる。
擦り合わせていた太ももを撫で、間に差し込まれたかと思えば、ユスファリムの指が微かな水気を捉えた。
ヌルリとしたソコの穴蔵の入り口を、プチュプチュと音を立てて刺激する。指は入るか入らないかを繰り返しながら、「ぁ、な、にんぅ、ああぁっ」と高い嬌声を溢すオルティテアを、熱く見つめた。
たった一つの小さな変化すら見落とさないようにと、食い入るように見つめるユスファリムは、膝裏に手を差し込んで、グイッと持ち上げると、閉じたままの太ももから覗いた、柔らかく閉じられた秘部の割れ目に舌をベロリとあてがった。
「ひぃっ?! あんぅ───っ」
堅く握った拳をほどいて、指を絡めて握り合い、グチュグチュと音を立て、時折ジュルリと溢れる蜜を吸えば、オルティテアの腰がフルリと揺れた。
「あ、こ、んなことっ、しな、いんぁ」
「そうだな、動物はしない。するのは人間だけだ」
ユスファリムの舌が、熱くうねる蜜壺に差し込まれると、オルティテアは腰をくねらせてびくびくと足を震えさせながら、強く気持ちのいい感覚に酔いしれた。
「お前と私では、生きる時間が違う! お前には分からない。どれだけ愛し合って慈しみ合って思い出を繋ごうと、私は数百年を生きるんだっ! 私はお前をこんなところに繋いで閉じ込めてなど要られないっ。でも、お前は私よりもずっと早く老いるんだっ! 分かるかっ、私は………見送るしか出来ないんだ…お前が父に愛された魂の欠片を持っていても、私は何度となくお前を見送るしか………もう、一人で…十分なんだ」
「……オルティテア、俺はお前のその言葉が何より愛しいよ……愛してしまったんだ、もう、止められない」
「何なんだっ!? お前も、父も母も…どうして私を置いていく者しか、私はっ」
ユスファリムの腕の中で、力が抜けたような感覚のオルティテアは、迫り上がる涙を止められずに顔を埋めた。
──オルティテア、思いは止められん。それは神でさえも。だから、神と人の間に子が成されるんだ。母がそうであるように、お前もまた同じだ──
バロンチェアの言葉が静かにオルティテアの耳に届く。その意味を、痛いほどに実感してしまっている。
「それよりも……俺がお前の父親に愛された魂って、なんだ?」
「…おい、お前は理解して話していたのでは……」
「いや、全く。だが、お前の愛の告白だけはきちんと理解した」
にっこりと笑っているユスファリムに、バロンチェアがくくくと笑いを噛み殺したような声を出した。
──人間よ、言葉通りだ。お前は産まれるよりも先に、ワシの中に流れるオルティテアの父の魂の一部を分けられて産まれた。彼が望んだことは一つだ──
「──オルティテアと共にあれ」
「………」
「そうか、たまに見る夢で聞こえる声は、お前の父親だったんだな。闇夜にキラキラと輝く万の星の中で、優しい声がいつも言うんだ。『愛しい子よ、愛と共にあれ』と」
バロンチェアは、彼の中に流れる、女神に愛された男の魂が、温かく鼓動するのを感じた。
男は、不幸だったわけではない。古に、女神への貢ぎ物として宛がわれた男は絶世の美女に愛された。愛する者との間に子を成す事も出来た。だが、愛しい劣情を感じる相手は、いつも天にしかいない。共にあり、触れ合う事の出来ない寂しさに男がいつまでも耐えられるわけもなく、心の繋がりを優先する神にとって男のその感覚は理解し得ないものだった。
有限を生きる者と、無限を生きる神との価値観の違いはいつの間にか男に『早く死にたい』と思わせてしまった。
誰が悪かったわけでもない。皆、自分自身の精一杯の愛し方をしただけのこと。
オルティテアはそんな父親に育てられた。触れ合う温かさ、包み込む腕の強さ、他人の熱を感じて育ったオルティテアが、人を恋しがるのは必然だ。
だが、それを認めたくないのもまた必然。
だからこそ、父は願った。愛する娘と共に生きてくれる人が現れることを。
「無関心なフリをしながら、優しく接するお前に惚れた」
「やめろ」
細く白い手をとって指先に口付ける。
「触れるもの全てを慈しむ横顔がキレイで何度となく見つめた」
「やめろと言っているだろう」
今度は頬に、触れるだけの口付けを。
「やめない。お前が、オルティテアが俺を認めるまで、俺はしつこいくらいに愛を伝えると決めたんだ」
「勝手に決めるな」
「今度はやめろとは言わないんだな」
ふふと、幸せそうな笑みがこぼれ、鼻をこ擦り合わせる。
「っ、くそ………お前は、理解しているのか、お前と私とでは感じる時間の流れが違う」
また、オルティテアの瞳が揺れるが、それを口付けで宥めた。
「でも、大丈夫だ。俺がお前を愛してさえいれば、それは関係ない。何度だって出会ってやるさ。何度だって、探してやる。もう決めたんだ」
「……お前」
唇を震わせるオルティテアに、ユスファリムが優しく口付ける。それに小さく応えて、オルティテアが僅かに顎がを上げた。
「ユスファリムだ。その美しい声で、俺を呼んでくれ……オルティテア」
「………ダメだ、名前など呼べば…それこそ」
「いいよ。神としての愛し方も人としての愛し方もしてもらえるなんて、俺は幸福じゃないか」
「縛り付けてしまう」
少し距離を置こうと体を離す仕草をしたオルティテアに、ユスファリムは腰を押さえつけて阻止する。
「俺だって縛ってやる」
「私の縛り方は、人と違う…」
「おい、俺の縛り方を甘くみるなよ? 逃がしてなどやらない。泣いても、喚いても、遅いからな」
「んっ」
ユスファリムは、それでも否定を口にしようとしたオルティテアの唇を、強引にふさいだ。
ピクリと抵抗したのは一瞬で、後は深い口付けを受け取るだけになったオルティテアに、ユスファリムがゆっくりと舌を差し込んだ。
ビクリと慄くように引っ込まれた舌を、しつこく追い掛け口付けを深くすれば、くぐもった声が口の中で響く。
ゾクリとざわつく下半身に、ユスファリムは漸く唇を離して一呼吸すると、肩を上げて呼吸を整えるオルティテアを見て、たまらない気持ちで強く抱きしめた。
「な、なんだっ!」
「あー、かわいいよ! 堪らなく、かわいい!!」
「こ、こら、離せっ」
「このまま、食べてしまいたいよ。オルティテアの全てを俺で満たしてしまえたら、どれだけ幸せだろう」
雄の瞳をギラつかせ、それでも優しくオルティテアに触れるそのギャップに、ドギマギするのは仕方のないことだと言い聞かせる。
全てを任せてしまいたいと思う気持ちと、抵抗したい気持ちとがごちゃ混ぜでうまく対処出来ない。
だが、それでいいのだとも思っている。不思議で温かな感情を、両手で包んで大切にしまってしまいたい。次から次に注がれる愛を、永遠に感じられる箱にしまって蓋をしておきたい。
「……大切に、する………だから、お前も同じに大切にしろ…ユスファリム」
「! あぁ、当たり前だ。うんっと、大切にする」
嬉しそうな、幸せそうな笑みのまま、降ってきた口付けを受け取り、ゆっくりと目を閉じた。
────・・・
白い肌に、ユスファリムの褐色の手が降りる。
滑らかで柔らかな肌を確かめるように、その手がゆっくりとオルティテアの体をなぞっていく。
熱い吐息が首筋に触れると、ゾクリと腰がざわつく。時折、オルティテアが息をつめて小さく唸るが、それすらユスファリムには刺激が強い。
貪りたい衝動を抑え込み、堅く緊張しているオルティテアの体をゆっくりと開いていく。
「っふ…ん、くすぐったい、ぞ」
「どこが?」
「そっ、こで喋るなッ」
耳に吐息がかかったことに、肩をびくつかせて反応する。
声を抑え込み、弾む息を整えようとすればするほど、放出できない熱がジワジワと何かを満たしていくのが分かる。
ユスファリムはふっくらとした胸に手をあて、己の手のひらの中で堅くなった乳首に、また興奮して溢れ出そうとする欲望を理性でやり込めた。
耳朶に、首筋に、鎖骨にと少しずつ下がりながら口付けを繰り返し、時々強く吸い上げた。
白い肌に鬱血した赤い痕が、雪野原に花弁を散らしたように美しく映える。
「あぁ、キレイだ」
「はぁ、ふんぅ……こんな、の、知らないぞ…っ…」
「俺も、こんなのは初めてだよ」
濃い桃色に染まった乳首はピンと立ち上がり、ジンジンと痛みにも似た感覚を持っている。
もっとハッキリとした、強い刺激がほしい。焦れったい優しい愛撫に、痺れを切らしたオルティテアがツンと背中をしならせて胸を張る。
「ひぃ、あぁっ」
それに応えたユスファリムは、乳首に舌をはわせ吸い上げた。
それだけで、腰をくねらせたオルティテアに手を添えて形のいい臀部までを撫でた。
ふるりと揺れるもう片方の胸も、指先でピンと弾いたり、親指と人差し指で捏ねたり、押し潰したりとオルティテアの反応を見ながら愛撫する。
「も、ぁぁっ…し、っこいぞ」
「……痛くはないだろ?」
「あンぅ、痛みじゃないっ! しつこく触るな、下が切なくなるだろっ」
ユスファリムの手がピタリと止まり、彼女の発した言葉の意味を正しく汲み取ろうとする。
「さっきから、下っ腹がむず痒くてもどかしいんだ。お前がしつこくソコばかりするからだ! 全く、原因はソレなんだから止めれば元に戻っ」
先程とは違う、猛禽類が天空から獲物を見定めるような獰猛な視線に、オルティテアが言葉を詰まらせた。
何かを失敗した。怒っているのか? いや、怒るというよりも……耐える? の方が正しい気がする。
オルティテアが、ソッと頬に触れるとユスファリムが頬を寄せて、目を閉じ軽く深呼吸をした。
震える息が思いの外熱くて、なぜかズクリと重く疼いた腰に太ももを擦り合わせてしまう。
「誘惑されたのかと思ってしまった」
「何の事だ?」
「あぁ、無垢だな……何だか、悪いことをしている気分になる」
「何を言っているんだ。ただの交尾だろう?」
キョトンとするオルティテアを前に、ユスファリムは驚くほどに冷静でいられる自分を称えたくなった。
「それはそうだが、動物がするものとは違うぞ?」
「何が違うんだ。男性器を女性器に差し込むんだろ?」
「………萎えてしまいそうだから、それ以上は無しだ」
「ん?」
「動物がするのは、そこに子孫を残す為の本能だけがあるが、人間は違う。愛しいと思う心を注ぎ合う。愛を表現する一つの行動もそこに備わってくるんだ」
「……愛を」
「そうだ。俺がどれだけお前を愛しいと思って、覚悟しているのか、しっかりとその身を持って知ればいい」
また、ユスファリムと深く唇が重なり、痺れるような感覚に身を任せようとした。
だが、それは彼の手が触れた場所に驚いて阻まれる。
擦り合わせていた太ももを撫で、間に差し込まれたかと思えば、ユスファリムの指が微かな水気を捉えた。
ヌルリとしたソコの穴蔵の入り口を、プチュプチュと音を立てて刺激する。指は入るか入らないかを繰り返しながら、「ぁ、な、にんぅ、ああぁっ」と高い嬌声を溢すオルティテアを、熱く見つめた。
たった一つの小さな変化すら見落とさないようにと、食い入るように見つめるユスファリムは、膝裏に手を差し込んで、グイッと持ち上げると、閉じたままの太ももから覗いた、柔らかく閉じられた秘部の割れ目に舌をベロリとあてがった。
「ひぃっ?! あんぅ───っ」
堅く握った拳をほどいて、指を絡めて握り合い、グチュグチュと音を立て、時折ジュルリと溢れる蜜を吸えば、オルティテアの腰がフルリと揺れた。
「あ、こ、んなことっ、しな、いんぁ」
「そうだな、動物はしない。するのは人間だけだ」
ユスファリムの舌が、熱くうねる蜜壺に差し込まれると、オルティテアは腰をくねらせてびくびくと足を震えさせながら、強く気持ちのいい感覚に酔いしれた。
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