106 / 124
二章~親交会・対立~
ご褒美の有無(R18)
しおりを挟む「んん…ああっ!もっ…むりぃ~…」
「…っく、うう…」
「は、あ…結構キツいですねえ…」
…うん。凄い状況だね。
それでも、そんな光景を見ていても千里の気分は不思議と高揚している。
天使の様な美少年は、自らの手でアナルビーンズをゆっくりと後孔に埋め込んでいく。数珠繋ぎの珠は少しずつ大きさが増し、最後は赤子の拳程であった。
可愛らしく涙を溢し息を荒げる様は、千里の苛虐を高めていく。いつも冷静で完璧な執事は、男性器を模す黒々としたディルドを苦悶の表情で押し進める。侵入する異物感に歯を食い縛り、額には脂汗が浮かぶ。
夏雪でもこういった事は出来ないのか…。
それでもまだ余裕の有りそうな人物をチラリと見下ろす。スイッチを紐で繋ぐ電動式のローターを、軽く三つはアナルに埋め込みその振動に息を吐いて耐えている。
これは…黒鎖がリードかな?というか、何故こんな事になったのだっけ?ええと…ああ、そうだった。
*
窓とドアからの二人の登場により、直ぐに夏雪が食事の用意を行った。恵の部屋で昼食を終えた千里と恵の元で、黒鎖と夏雪が各々待っていた。
「そーいえば千里さん?ご・ほ・う・び・欲しいな~なんて。」
食後のティータイムを過ごす千里にとって、黒鎖のその言葉に困惑を浮かべる。
今言う事か?今日は登校する気が無かったとは言え。
ご褒美と聞いて、夏雪と恵は不思議そうに千里へ視線を向けてくるので、動揺を出さずにカップを傾ける。
ご褒美…確か女の格好をするんだっけ?でも二人きりが良いと聞いた気もするが。
このタイミングで言う彼の提案に疑問が浮かぶが、半分以上はただの悪ふざけだと思う。
「…確かに、今回は君に助けられたからね。」
その一言で黒鎖の瞳が怪しく光るも、次の千里の言葉に直ぐに変わった。
でも…
「夏雪達も同じぐらい働いてくれたし、甲乙つけがたいな。」
千里の云わんとする事に、黒鎖も理解する。一人だけ特別扱い出来ないと。全く話しの内容を知らない夏雪すら、大筋は理解したらしい。何か物言いたげに千里を伺う。
「…僕の為に、その執事とそいつが働いたって事?」
小動物の様な上目使いに可愛いと思う千里だが、彼の疑問には否定はしなかった。
まあ、本当に危険な賭けだったしね。
「あの、その褒美ってさ…僕があげても良いよ?」
おずおずと絶世の美少年が夏雪と黒鎖を交互に見つめる。ほぼ大抵の者ならば、それだけで心が揺れ動いただろう。瀬良含む桜川親衛隊なら、発狂すらしそうだ。
「いえ、とんでもございません。我が君のご命令に従ったまで…。」
「別に~。末っ子くんの為じゃないんだけど。」
興味の無さすぎる対応に、僅かに傷付く恵だったりしたのである。そんな三人のやり取りを見つつ、千里は睡眠の足りていない頭でどうでも良いことを考えていた。
恵を練習台にか…。じゃあ、男の自慰を見てみたいな。…ああ、でも、性器でのは明日霞で見たから、アナルではどうやるんだろう?痛いだけだとしか思えないし。
「…あのさ。」
千里にとっては、1つの思い付きに過ぎなかった。やはり、睡眠はきちんと摂るべきだっただろう。
*
アナルに埋め込む異物に耐える三人に、近くの椅子に腰掛け静かに視線を向けた。
道具は案外簡単に手に入った。明日霞にこれも我慢への一歩だとか何とか言い、道具を預かる形を取る。親衛隊経由で手に入ったのは、大量の大人の玩具であったのだ。
千里が三人へ向けて言った内容。
『最後まで射精ださなかったら、僕を抱かせてあげても良いよ。』
千里を唯一女性だと知る三人の心に、火が点いた瞬間だった。
しかし、最初に根をあげかけたのは、恵である。元々、男性同士での行為でタチ(男性側)とネコ(女性側)に分かれるのは、この学校での常識だが…恵は、勿論完全なるネコである。
珠が前立腺に掠り「…ひゃっ!?」と甲高い声を上げて、肩を震わす。プルプルと小ぶりなペニスからは、先走りが既に太股を濡らし体を桜色に染め上げる。
(やだっ僕が、勝つんだから!)
荒い息のまま、右隣を薄目で見てみる。普段完璧な表情の変わらない執事が、苦しげに呻いている。
どう見てもタチだろうからか、吐く息に艶は全く無い。
震える手を伸ばし、思いきって夏雪の立派なモノに手を伸ばしぎゅっと握る。
「…っ桜川様?」
僅かな動揺を見せ、ピクリと上向きになる夏雪自身。
「…ふふ、邪魔をするなって、言われてないもんね?」
彼ら三人は、下半身全て裸身ではなく、とりあえず膝まで下着と下衣はずり下げた状態だ。それ故、普通の裸体よりも妙にエロいのだ。
ふう。見ているだけって案外暇なものだね。ふうん、恵が震えながらも夏雪の妨害を始めて…面白くなってきたな。じゃあ、そろそろ。
椅子からゆっくりと立ち上がり、一人余裕さえある黒鎖の目の前に膝を付く。
「恵の言う通り、妨害は有りなんだよ。」
「へえ…妨害して貰えるんデスか?」
電力の震動を上げても息一つ吐くのみの黒鎖をじっと見つめ、ふっと笑うと彼の下半身に手を伸ばす。
「…ふ…んう!」
亀頭を指の腹でそうっと撫でて、尿道を刺激する様に親指と人指し指で優しく捏ねたり、つまんだりしてみる。
興味深そうにそれを見つめる千里の表情に、黒鎖は欲情してしまう。自然にフードがずれ落ち、頬の夕顔の刺青と紫の瞳が覗く。
(ああ…何て顔をするんだ、貴女は。)
「…ここまでしてくれるって事は、負けて欲しいんですね~?」
性器への刺激に小さく快楽の息を吐き、そう断定する。
(末っ子くんと何か話したいのか。)
美味しい所を持っていくだろう桜川を思い多少の苛立ちを感じ、自らローターの震動を最大にしておく。
「…っぐう…!はあ…負けて、あげます…から、キスぐらい…くださーい?」
片目を閉じて、荒い息でそう言う。良い所、頬か額か、上手くいけば唇だろうと踏んでいた。
「良いよ。」
ちゅ、とリップ音で離れた場所は、黒鎖の首筋。強めに吸われ、きっと暫く痕もつくだろう。にこりと魅惑的な笑みのまま、竿を強く握られた瞬間に、勢い良く果てていた。
(…完敗かあ)
息を整える黒鎖を通り過ぎ、恵と夏雪の方へ近づく。黒鎖との会話を聞いていたらしい夏雪も、仕方なく負けようとしているのだろう、ディルドの出し入れを繰り返す。
しかし、アナルでの快楽は得られずただ苦しそうに短い呼吸を繰り返しているが。自らも涙目でアナルビーンズに犯される恵の手が、懸命に夏雪のソレを上下に擦る。
(仕方ない…)
正直言うと、恵の手淫ごときでは夏雪への攻めになり得る事は無い。
「…ふふ。二人とも頑張るね?ねえ、でもさ…」
蠱惑的に微笑み、千里の美しい顔が夏雪へと近づく。
「…我が君っ…。」
鼓動を早める相手に構わず、引き締まった尻を撫で上げる。びくりと体を揺らす執事の耳に唇を寄せ、低く囁いてみる。
「…ほら、イく所を見せて?」
身震いし「…我が君…千里様っ…!」と切なく声を上げて、黒鎖のよりは薄い白濁を吐き出す様を静かに見下ろす。
「…声だけでイっちゃったね?」
クスクスと少し意地悪げに笑う様すら、夏雪の瞳は魅了される。
なるほど。体を繋げない1つの糸口が掴めたかもしれないな。
自身に沸き上がる微かな羞恥を押し殺し、努めて自然に今回の勝者である人物へ振り返る。
「…………あ。」
「え?」
視界には肩で息をする床に座り込んだ、既に小ぶりなペニスから白濁を吐き出した恵が映る。
ええと…うん?確かに、夏雪がイク時に小さく喘ぎ声が聞こえた気がしたけど…まさか。そういえば、体の直接的な繋がりと、その場のシチュエーションで感じる者も居ると聞いたっけ。
「…恵。射精たの?」
「う、ん…。」
顔を真っ赤にして俯く恵は可愛いが、少し待て。
僕としては、恵を勝たせて夏雪と黒鎖が邪魔をしない様に、二人きりの話しをする時間を作ろうかと思ったわけだし。
多少は、ほんの少しは…恵と、してみようかなと思った気持ちもあったんだけど。うーんと?つまり、引き分け?って事か。
既に夏雪が素早く部屋の掃除をする中で、千里の睡眠の足りていない思考は目まぐるしく変わるのであった。
0
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
目が覚めたら男女比がおかしくなっていた
いつき
恋愛
主人公である宮坂葵は、ある日階段から落ちて暫く昏睡状態になってしまう。
一週間後、葵が目を覚ますとそこは男女比が約50:1の世界に!?自分の父も何故かイケメンになっていて、不安の中高校へ進学するも、わがままな女性だらけのこの世界では葵のような優しい女性は珍しく、沢山のイケメン達から迫られる事に!?
「私はただ普通の高校生活を送りたいんです!!」
#####
r15は保険です。
2024年12月12日
私生活に余裕が出たため、投稿再開します。
それにあたって一部を再編集します。
設定や話の流れに変更はありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる