王子様が居ないので、私が王子様になりました。

由紀

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二章~親交会・対立~

ご褒美の有無(R18)

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「んん…ああっ!もっ…むりぃ~…」
「…っく、うう…」
「は、あ…結構キツいですねえ…」

…うん。凄い状況だね。

それでも、そんな光景を見ていても千里の気分は不思議と高揚している。
天使の様な美少年は、自らの手でアナルビーンズをゆっくりと後孔に埋め込んでいく。数珠繋ぎの珠は少しずつ大きさが増し、最後は赤子の拳程であった。

可愛らしく涙を溢し息を荒げる様は、千里の苛虐を高めていく。いつも冷静で完璧な執事は、男性器を模す黒々としたディルドを苦悶の表情で押し進める。侵入する異物感に歯を食い縛り、額には脂汗が浮かぶ。

夏雪でもこういった事は出来ないのか…。
それでもまだ余裕の有りそうな人物をチラリと見下ろす。スイッチを紐で繋ぐ電動式のローターを、軽く三つはアナルに埋め込みその振動に息を吐いて耐えている。

これは…黒鎖がリードかな?というか、何故こんな事になったのだっけ?ええと…ああ、そうだった。





窓とドアからの二人の登場により、直ぐに夏雪が食事の用意を行った。恵の部屋で昼食を終えた千里と恵の元で、黒鎖と夏雪が各々待っていた。

「そーいえば千里さん?ご・ほ・う・び・欲しいな~なんて。」

食後のティータイムを過ごす千里にとって、黒鎖のその言葉に困惑を浮かべる。

今言う事か?今日は登校する気が無かったとは言え。
ご褒美と聞いて、夏雪と恵は不思議そうに千里へ視線を向けてくるので、動揺を出さずにカップを傾ける。
ご褒美…確か女の格好をするんだっけ?でも二人きりが良いと聞いた気もするが。
このタイミングで言う彼の提案に疑問が浮かぶが、半分以上はただの悪ふざけだと思う。

「…確かに、今回は君に助けられたからね。」

その一言で黒鎖の瞳が怪しく光るも、次の千里の言葉に直ぐに変わった。
でも…

「夏雪達も同じぐらい働いてくれたし、甲乙つけがたいな。」

千里の云わんとする事に、黒鎖も理解する。一人だけ特別扱い出来ないと。全く話しの内容を知らない夏雪すら、大筋は理解したらしい。何か物言いたげに千里を伺う。

「…僕の為に、その執事とそいつが働いたって事?」

小動物の様な上目使いに可愛いと思う千里だが、彼の疑問には否定はしなかった。
まあ、本当に危険な賭けだったしね。

「あの、その褒美ってさ…僕があげても良いよ?」

おずおずと絶世の美少年が夏雪と黒鎖を交互に見つめる。ほぼ大抵の者ならば、それだけで心が揺れ動いただろう。瀬良含む桜川親衛隊なら、発狂すらしそうだ。

「いえ、とんでもございません。我が君のご命令に従ったまで…。」
「別に~。末っ子くんの為じゃないんだけど。」

興味の無さすぎる対応に、僅かに傷付く恵だったりしたのである。そんな三人のやり取りを見つつ、千里は睡眠の足りていない頭でどうでも良いことを考えていた。

恵を練習台にか…。じゃあ、男の自慰を見てみたいな。…ああ、でも、性器でのは明日霞で見たから、アナルではどうやるんだろう?痛いだけだとしか思えないし。

「…あのさ。」

千里にとっては、1つの思い付きに過ぎなかった。やはり、睡眠はきちんと摂るべきだっただろう。





アナルに埋め込む異物に耐える三人に、近くの椅子に腰掛け静かに視線を向けた。

道具は案外簡単に手に入った。明日霞にこれも我慢への一歩だとか何とか言い、道具を預かる形を取る。親衛隊経由で手に入ったのは、大量の大人の玩具であったのだ。
千里が三人へ向けて言った内容。

『最後まで射精ださなかったら、僕を抱かせてあげても良いよ。』

千里を唯一女性だと知る三人の心に、火が点いた瞬間だった。
しかし、最初に根をあげかけたのは、恵である。元々、男性同士での行為でタチ(男性側)とネコ(女性側)に分かれるのは、この学校での常識だが…恵は、勿論完全なるネコである。

珠が前立腺に掠り「…ひゃっ!?」と甲高い声を上げて、肩を震わす。プルプルと小ぶりなペニスからは、先走りが既に太股を濡らし体を桜色に染め上げる。

(やだっ僕が、勝つんだから!)

荒い息のまま、右隣を薄目で見てみる。普段完璧な表情の変わらない執事が、苦しげに呻いている。
どう見てもタチだろうからか、吐く息に艶は全く無い。
震える手を伸ばし、思いきって夏雪の立派なモノに手を伸ばしぎゅっと握る。

「…っ桜川様?」

僅かな動揺を見せ、ピクリと上向きになる夏雪自身。

「…ふふ、邪魔をするなって、言われてないもんね?」

彼ら三人は、下半身全て裸身ではなく、とりあえず膝まで下着と下衣はずり下げた状態だ。それ故、普通の裸体よりも妙にエロいのだ。 

ふう。見ているだけって案外暇なものだね。ふうん、恵が震えながらも夏雪の妨害を始めて…面白くなってきたな。じゃあ、そろそろ。
椅子からゆっくりと立ち上がり、一人余裕さえある黒鎖の目の前に膝を付く。

「恵の言う通り、妨害は有りなんだよ。」 
「へえ…妨害して貰えるんデスか?」

電力の震動を上げても息一つ吐くのみの黒鎖をじっと見つめ、ふっと笑うと彼の下半身に手を伸ばす。

「…ふ…んう!」

亀頭を指の腹でそうっと撫でて、尿道を刺激する様に親指と人指し指で優しく捏ねたり、つまんだりしてみる。
興味深そうにそれを見つめる千里の表情に、黒鎖は欲情してしまう。自然にフードがずれ落ち、頬の夕顔の刺青と紫の瞳が覗く。

(ああ…何て顔をするんだ、貴女は。)
「…ここまでしてくれるって事は、負けて欲しいんですね~?」

性器への刺激に小さく快楽の息を吐き、そう断定する。

(末っ子くんと何か話したいのか。)

美味しい所を持っていくだろう桜川を思い多少の苛立ちを感じ、自らローターの震動を最大にしておく。

「…っぐう…!はあ…負けて、あげます…から、キスぐらい…くださーい?」

片目を閉じて、荒い息でそう言う。良い所、頬か額か、上手くいけば唇だろうと踏んでいた。

「良いよ。」

ちゅ、とリップ音で離れた場所は、黒鎖の首筋。強めに吸われ、きっと暫く痕もつくだろう。にこりと魅惑的な笑みのまま、竿を強く握られた瞬間に、勢い良く果てていた。

(…完敗かあ)

息を整える黒鎖を通り過ぎ、恵と夏雪の方へ近づく。黒鎖との会話を聞いていたらしい夏雪も、仕方なく負けようとしているのだろう、ディルドの出し入れを繰り返す。
しかし、アナルでの快楽は得られずただ苦しそうに短い呼吸を繰り返しているが。自らも涙目でアナルビーンズに犯される恵の手が、懸命に夏雪のソレを上下に擦る。

(仕方ない…)

正直言うと、恵の手淫ごときでは夏雪への攻めになり得る事は無い。

「…ふふ。二人とも頑張るね?ねえ、でもさ…」

蠱惑的に微笑み、千里の美しい顔が夏雪へと近づく。

「…我が君っ…。」

鼓動を早める相手に構わず、引き締まった尻を撫で上げる。びくりと体を揺らす執事の耳に唇を寄せ、低く囁いてみる。

「…ほら、イく所を見せて?」

身震いし「…我が君…千里様っ…!」と切なく声を上げて、黒鎖のよりは薄い白濁を吐き出す様を静かに見下ろす。

「…声だけでイっちゃったね?」

クスクスと少し意地悪げに笑う様すら、夏雪の瞳は魅了される。
なるほど。体を繋げない1つの糸口が掴めたかもしれないな。
自身に沸き上がる微かな羞恥を押し殺し、努めて自然に今回の勝者である人物へ振り返る。

「…………あ。」
「え?」

視界には肩で息をする床に座り込んだ、既に小ぶりなペニスから白濁を吐き出した恵が映る。

ええと…うん?確かに、夏雪がイク時に小さく喘ぎ声が聞こえた気がしたけど…まさか。そういえば、体の直接的な繋がりと、その場のシチュエーションで感じる者も居ると聞いたっけ。

「…恵。射精だしたの?」
「う、ん…。」

顔を真っ赤にして俯く恵は可愛いが、少し待て。
僕としては、恵を勝たせて夏雪と黒鎖が邪魔をしない様に、二人きりの話しをする時間を作ろうかと思ったわけだし。

多少は、ほんの少しは…恵と、してみようかなと思った気持ちもあったんだけど。うーんと?つまり、引き分け?って事か。

既に夏雪が素早く部屋の掃除をする中で、千里の睡眠の足りていない思考は目まぐるしく変わるのであった。


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