王子様が居ないので、私が王子様になりました。

由紀

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一章~新入生親睦会~

※おしおき(R18)

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今までタチだった者のお仕置きなど簡単である。

「…それでは、始めます。」

美景は、自分のスラックスを少し下ろすと自身を取り出す。彼の背を見つめ、千里は薄く微笑みを浮かべた。

「うん。ちゃんと見てるよ。僕の美景?」

プライドの高い美景が人前で自身を晒して、自ら人を犯す役目を担う。それこそが、千里への忠誠心が並外れているからか。千里のその言葉だけで、美景はうっとりと表情を溶かす。

「はい…千里様。」

それから、怯える篠村に落とす視線は、あまりにも冷たい物である。無言で篠村の後孔に人差し指を突き刺す。

「…っ?!うぐっ………んん~!」

猿轡で声を出せない篠村だが、一度も暴かれた事の無い場所への侵入に必死に固定された体を揺らす。

「お仕置きだから、もう良いでしょ?」
(この私に触れられるなんて、光栄に思えば良い。)

更に中指と薬指を増やす。微かに血臭もするが美景にはまったく躊躇は無い。ボロボロ涙を溢す篠村は、流石に息子の元気は無くなっている。

やっぱり痛いものなのかな?

「そういえば、慣れているけど…美景も経験はあるの?」

少し近付き、間近で指の入るその様を見つめる。

「…あ、いえ。私も知識だけで、あまりよく分からなくて…こうかなあって。」

顔を真っ赤にして片手を振る姿は、正に生娘の様である。

いやいや。その手つきは初めてじゃないでしょ?

絶対男側の経験はあると踏んだ。

何この子…あざとい。そこが可愛いけれど。
勿論動揺など見せずに、千里は微笑む。まさか自分は経験は無いと言えない。そんな噂流れたら、襲われる危険があるし。まあ、美景はそんな事他言しないとは思うけどね?

「そう。じゃあ、楽しみだな?僕との夜も頑張ってくれるんだろうね。」

にっこりと笑えば、ぶわっと美景の背後に花が咲く気がした。崇拝する憧れの王子様に、寝所を共にすると言われれば、それだけで美景は夢心地である。

「…は、い。ご期待に添える様に、ご奉仕致します。」
(…いつ呼んで頂けるのかな?桜川 恵に飽きたら?)

恵や、数人の者と千里の関係は様々な噂が飛び交っている。美景は瞳に力を込めた。

「…そろそろかな。」


篠村の胸の飾りを弾き、逸物軽く擦り蕾への指を増やす。苦痛しか感じない筈のやり方の筈が、篠村の表情には興奮も見え隠れしている。

学校内で、王子様と呼ばれる千里に見られ、姫君の美景に冷徹に扱われるこの以上な状況だからか。受け側の美景になぶられ、篠村は徐々に精神を破壊されていく。

見た目に似合わず立派なソレを、篠村の蕾に宛がう。これからの衝撃に備え身震いする篠村だが、何故か中々来ない事に不思議に思った。篠村の覚悟とは裏腹に、美景は少し困っていた。

(…どうしよう。全然勃たない。)

美景の自身は挿れる状態では無い。全く好みからかけ離れ、そこらの石ころ以下の男相手に興奮しないのだ。困る美景に千里も直ぐに感付いた。

あれ?何か萎えてるみたいかな。犯すとは言っても簡単にはいかないのか。美景をヤル気にする方法って…うーんと。興奮する相手が、力を貸さないとか。

ああ…私じゃん。

千里は美景の後ろに回ると、背後からその愛らしい耳を唇で挟む。

「…ひゃう?!…あ、せ、千里…様?」

びくんと肩を跳ねさせた美景に、千里は今度は首筋に舌を這わせる。

…汗かな?しょっぱい。

「…ほら。集中して?僕の事は気にしないで。」

イタズラっぽく言い、頬に口づけ、背後から相手の制服のホックを外す。

「…ふっ…あ!…はい、あ…んんっ」

篠村を攻める所では無い美景は、色っぽい吐息を洩らし、それでも自分の務めを果たそうとした。この場面を見たら、千里を女だと思う者は何処にも居ないだろう。相手の胸元から手を差し込み、胸の頂をなぞりきゅっと摘まむ。

「きゃう!…はっ…ああ…」

想い人からの愛撫に身を震わせながら、力を取り戻した自身を篠村の蕾に突き入れた。目の前の淫靡な光景に目を奪われていた篠村は、急な衝撃に目を見開く。

「………っうううう!!…ん~ん―――!!」

あまりの痛みに体が震え、汗が毛穴から吹き出す。

わー。凄い痛そうに。

何処か遠くから見ている様な自分が少し可笑しく感じる。それでも美景を煽る。耳に舌を這わせ、胸の粒を捏ねて摘まんで軽く引っ掻く。

「…ほら出してごらん?」

耳元で低く囁けば、息を荒げた美景が腰を動かし始める。痛みに悶える篠村と、孔から垂れる血液など知らず腰を落とす美景。

「…ん…ああ!千里様…千里、さまあ!いってしまいます……!」

髪を揺らし切ない声を上げる美景に、千里の言葉は一言のみ。

「いけ。」

その瞬間、美景は跳ねて自身を熱くさせた。ドクドクと篠村の中に射精し、美景は自身を抜き取る。射精後の倦怠感にぐったりとした美景に、千里は服を整えてあげる。

「…立てる?そろそろ行かないとね。」

相手を立たすと、呆然とする篠村を一瞥した後、また視線を戻す。

「後は君に任せるよ、可愛い美景。」
「…はい、ありがとうございます。」

瞳を潤ませ顔を赤くした美景は、親衛隊の連絡網に指示を終えるとゆっくりと着いて行く。

『180センチ以上の体格の良い者を10名会議室へ。後は指示通りに。』




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