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神からのいい加減な(ふざけた)贈り物♪
習うより慣れろ
しおりを挟むデュナを殴ってから数十分。気絶したそいつは一向に目を覚まさない。
暇だと思い、先ほど受け取った『邪神の心得』を開いてみる。
が、読めなかった。
字が汚いミミズが走った様にしか見えなかった。こんな意味もない紙束を燃やしたいと思ったがいつか役立つだろうとコートの内ポケットにしまう。
目を覚まさないデュナにムカついてきた。
デュナの鼻を掴む。
「………ブハァ!!!」
凄い勢いで飛び起きた。
ゼェゼェと肩で息をしている。
「……な、何するんですか!」
「気絶したお前を見てたらムカついた。」
「えっ!そんなに私の事を見てたのですか?キャッ!恥ずかしぃ!」
両手を頬に当て腰をクネクネさせる。
キモイ。
ゲシッ!
腰を蹴ってやった。
「キモイ!」
「グェッ!」
腰に手を当てて蹲った。
「ひ、ひどい…鬼だ。ここに鬼がいます!」
蹲って半泣きになって鬼だ鬼だと騒いでいる。
「で?この後俺はどうしたらいいの?」
そんなのに構わずこれから先の事を聞く。
「あっ、はい。まず先代にお会いしていただきます。」
質問したらケロッと立ち上がった。演技かよクソが。
「…あのクレイジーな人と会うの?」
「そしてそこからは習うより慣れろ!ですね。」
無視された。
「…言ってる意味が分からん。」
そんな人差し指を立てながらドヤ顔されても困る。
「貴方様はそこそこ強いです。そして信念も邪神になるには相応しい!」
「若干失礼だな。しかもクジで決めたものを相応しいも何もあるわけないだろ。」
ツッコムもデュナはスルーして続ける。
「ですが、そこそこの強さではダメなのです!邪神としては力不足!今から先代にお会いしてビシバシ鍛えてもらいましょう!」
その先代には会いたくないな。
反論しようとデュナを見ようとするとそれが分かっていたかのように首根っこを捕まれズルズルと引きずられながら 先代に会う道に進んだのだった。
ーーーーーーーオマケーーーーーーー
「なぁ、コートが伸びる…離してくれ。」
「そんな悪趣味な黒コートなんて脱いだらどうですこれを機に。」
「……なぁ、知ってるか。このコートの下の服と全ての装備は俺の物だがこのコートは実は俺のじゃない。」
「…へぇ、では誰のでしょうね…」
「あれぇ…こんな所に名前が、えぇとデュナンゲハッ!」
「…ふぅ。これで五月蝿いのは静かになりました。陽明さん、この世には知らなくていい物もあるんですよ。」
(…せっかく邪神になられた祝としてお気に入りのコートを上げたのに…)
少しブスくれながら、腹を殴り気絶させた陽明をズルズルと引き摺りながら先代の元へ向かうデュナンであった。
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