死にたがり令嬢と魔の王

鈴音シエル

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序章

10話

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シャルティナが何度目かの自殺を図ったと知らせがあったときには驚いた。

そこまで苦しめていたのかと

「また自殺したんですか?
死ねないくせして、本当にかまってほしいのですね。
悪趣味です。
お父様私はこの子のためにあのお姉様を修道院などに贈ってしまいましょう?
だって悪影響ですわ」
もう自分が上に立っているかのようなそんな言い方をするルナ

何を言っているのかと
死のうとしているのは私達が追い込んだからではないのか

「そうですリンガル公爵
ルナのためにもこのためにもあの悪趣味な構っては辞めさせるべきです。
それに悪い噂が経ってしまってはいけませんし。」
そういうイーサン
このモノも本当に自分たちのことしか考えていないのだ

「君たちは自分たちが何をしてるのかわからぬのか?
子ができてしまった以上許したがあの子は私の子だ
そんな事を言っていいと思っているのか?
婚約者だった子だ。
私の前で堂々といえたものだな」
そう言って書斎から出ていった
自分の子供の容態を見るために




「シャルの様子は?」
「今はゆっくり寝ておいでです。」
「そうか悪いことをしてしまったな」
「いいえ、シャル様の世話するのがアンナの努めなので、それにずっと寂しそうにしてました。
まさか死のうとするなんて…そうならないようになるべく傍で支えていたんです。
流石に今回はつらすぎます。」
そう今回はつらすぎるのだ。
婚約者と取られた挙げ句、子供までも先を取られてしまったのだから、
「私せいなのだ
しっかりとレナにもルナにも言うべきだったな」
そうですねとメイドは言って作業に戻っていった。

この子のためと思いやってきたことが仇を作してしまった
しっかり見とくんだったとこの子はまだ母のことを気にしてた。

「すまない
シャルティナしっかりとあの二人を制御しとくんだった。
お前のことを思って再婚したのに仇を作してしまった。
結局傷つけて追い込んでしまったな…次はちゃんとお前の話も聞くべきだな。」
そう思ってシャルティなの頭を優しく撫でる。

そしてメイドが
「そういえば机の上にこんな物が置いてありました。
多分旦那様のかと思います。」
といって手紙を渡してきた
それを開いてみると、シャルティナの字でこう書いてあった。

『最愛の父様へ
この手紙が父様の手元にあるということは私は飛び降りて死んだのでしょうか?
何度も死のうとして騒がせてしまってごめんなさい。
そして、ちゃんと婚約ができなくてごめんなさい。
そして母様をしなしてしまってごめんなさい。
産まれてしまってごめんなさい。母様に神に愛されなさいと言われてそれを守ることができなくてごめんなさい。
私はちゃんと神に愛されていましたか?
時の神様は見ていてくれたのでしょうか?
私の不甲斐なさでリンガル家の評判を悪くしてしまってごめんなさい。

でも父様には知っててほしかった。
本当はルナのわがままで、そしてイーサンの女たらしで
ルナが話すことは自分がやってきたことだということも、男の人を引っ掛けていたのも、イーサンをたぶらかして子をなしたことも、私が街へ買い物行くたびに見せびらかすように、見せるかのように女の人と歩いているイーサンのこと。
そしてドレスを破いたのは私ではなく、ルナだということも、知っていてほしかったです』
そこに書いてあったのは自分がされていたことの数々
そして
『でも父様のこと嫌いになったわけじゃないです
母様のこと本当にごめんなさい』
と書かれていた。

そんな事一言も思ったことなかったのだが、自分の行動でそう思わせてしまっていたとは思いもよらなかったのだ。

「すまなかった。
ティナのことはお前のせいではなかった。
けしてそうではなかったのに私の行動で申し訳なかったな。
だから目を覚ましてくれじゃないと、ちゃんと話もできない。
ちゃんと話そうこれからは」
そう祈るよに手を握った。

『相変わらず人間は後悔の連続だな』
そうやって光の中から現れたのは
「アテナか」
『お前だけだな私を様つけたりしないのは』
「そうだな様つけられるのが嫌だっただろ」
『そうだな
その前にお前の娘だな、ちゃんと時の神に愛されていたぞ
それにお前にもな、むしろ神の申し子と名乗っているあの者たちが気に食わない。
どうしてやろうかとずっと考えていたら死のうとするばかりでな』
そういってアテナもシャルティナの髪を撫でる。
愛しい子を見るかのように

『ティナが愛した子だ
私達も愛すに決まっているだろに、お前に取られたときは許せなかったがな
さて思い出話はここまでにしよう。
お前には失望しているからな、とりあえず短く言うが、私達はこの子に幸せになってもらいたい。
あんな男よりもな』
「私もそう思うが、どうしたものかと悩んでいる…」
『手短に言う魔の国へ連れて行こうと思っていてな』
「なぜだ。
あんなところに何が愛しているだお前も!」
『最後まで話を聞かぬかドアホ
もうすでにこの二人は惹かれ合っていてな、この子に自分の一部を与えていてな
それにいずれは出会う運命でな、少し早まってしまっただけのこと、それに時の神もそれを臨んでいる。
ここいても幸せになれないと考えている。
それに魔王が直々に話し込みに来てな、あれはびっくりしたぞ。
運命の女を見つけたそれもお前たちが愛しているもの
なんていうんだびっくりしたぞ』
そう笑いながら言うもので、拒否もできなかった。
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