死にたがり令嬢と魔の王

鈴音シエル

文字の大きさ
上 下
5 / 23
序章

4話

しおりを挟む
「お母様ごめんなさい。
シャルは時の神様に愛されることができなかったわ
神様に愛されてるなら私が今感じてる苦しいは神様が与えた愛なのですか?」
一粒の涙を頬に伝って
私はただお母様みたいに幸せになりたいだけなのにと、

「母様…きっとそっちへ行ってまた優しく抱きしめてくれるかしら」
あの子供の頃のように

時の神様がいるなら、見ているなら、シャルのこと嫌いでもいいからこの先の父様だけは愛してくださいと

自分の部屋のベランダから外へ出て手すりを持ちならが空を見上げて見たこともない。
出会ったこともない神へと語りかけたのだった。

そして手すりに乗り上げてそのまま下へ落ちようとした。

『人間は悲しい生き物なのだな』
と落ちたと同時に聞こえた気がした。
しおりを挟む

処理中です...