死にたがり令嬢と魔の王

鈴音シエル

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序章

3話

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そんなことがあってから婚約破棄するいい機会かもしれないとシャルは考えていた。
実際自分が婚約者でいいのかと考えたりもしていたときだったため。

街行くたびに婚約者の噂を耳にしていた。
婚約しているのに他の女の人と一緒にいるのがおかしい。
リンガルのご令嬢は何も言わないのかしらと、たまに妹さんと歩いてるイーサンを見かけるけれど婚約者は変わったのかしらなどなど

こんな可愛げのない女よりもかわいい、わがままをいうルナのほうがいいのかもしれない。

でも父や義母に言われるものに全部反対で、なぜイーサンと一緒に出かけないのかと、家を守りたくないのか、など
様々な言われ方をし、責められていた。
好き好んでイーサンと婚約したわけではない。

父が勝手に決めた人であり、あんな女たらしな男と唯一の血のつながりの娘を嫁がせようとしているのに責められるのかと、母が亡くなる前はあんなに愛してくれた父も母が死に義母が来ると私はいらないのだと、なら私は死んでしまっても良いのではないかと

「お父様は私が母を殺したのだと思っているのかしら…きっとそうよね。
息を引き取る前看取るのは私だったから、父が急いで帰ってくる頃にはもう息を引き取ってしまっていたもの、私のこと死神とか私が死ねばとか考えているんだわ。」
そう考えたら心が落ち着いてくる。
「ルナもお義母様
私がいなくなればすべて手に入るものね。」

”ならいっそう楽になってしまおうか”
そう思ってしまった。

楽になってしまおうと
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