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23話 決戦前
しおりを挟む「寒い……!」
シャロンが小声で悲鳴を上げている。辺りは一面雪というか氷に覆われた景色であり、そのうえで冷たい風が吹き付けてくる。私には暑さ同様寒さも分からないのだが、ヒトには堪える温度だろう。氷が光を反射して輝く綺麗な景色でも、ヒトにはそれを楽しむ余裕はないのかもしれない。
町を出発して三時間。私たちは本来なら平原であるという場所にやってきていた。しかし草は氷漬けにされており、足元はまるでスケートリンクのような状態である。
「氷雪竜の仕業だろうな。……防寒対策してきたってのに、意味あんのかこれ……手がかじかんできたぞ」
カルロもそんなことを言っていた。寡黙なモルトンは何も言わないし、リュカも黙っているが尖っている耳の先が赤くなって冷たそうだ。寒くては体が上手く動かせないし、いざという時逃げられないかもしれない。
『私を中心にヒトが十人並べるくらいの範囲でぐるっと円形に、雪が溶けだすくらいの温度に温め続けてもらえませんか?』
『いいよ』
応えてくれたのは火の精霊だ。すぐに周囲の気温が変わったのか、パーティーの様子が変わる。全員防寒対策済みなので、気温がマイナスでなくなっただけでも温かく感じるのだろう。
「……ねぇ、今何をしたの?」
「火の精霊に温めてもらいました。私の近くなら温かいと思います。でも移動しないと氷が解けて滑りやすくなりそうですから、進みましょう」
「……そんな魔法、聞いたことないわよ」
「あ、じゃあ教えましょうか!」
「……火属性魔法は私には使えないわ」
珍しくシャロンが話しかけてきたので、少しは打ち解けられるのではないかと思い明るく提案したのだが、必要なかったらしい。しかし魔法になら興味を持ってもらえるようだ。
(今朝は……ものすごい睨まれたけど)
リュカと同じ部屋に泊まったことを聞いたのか、鋭い眼光を向けられていた。ただ、そこにあるのはどちらかといえば「羨望」や「嫉妬」といった感情で、私が怖いあの目とはまた違う。これなら私はそこまで気にならなかった。……ヒトとして羨まれてるって、きっと悪いことじゃないからね。
「ほんとスイラちゃんはすごいなー……なんでもできちまう。荷物もかなり少なくなったしな」
「重さは変わってないでしょ」
「……いや、しかし持てる大きさには限りがある。……有用だ」
「……それは、分かってるわよ」
今回は合同パーティーだ。寒さ対策も必要だし、標的のいる区域までは数日の野宿も想定されている。荷物が多いので、重さは変わらなくても物量が減れば運びやすいし、私が魔法を使ってパーティーの荷物を小さくしていた。
驚かれたものの有用性は認められて、カルロ達も歓迎してくれている。主に重たい荷物はモルトンの担当らしいが、私も力持ちだと言って荷物を分けてもらっていた。……ちなみにシャロンにはぎょっとされた。
「……あの、良かったら小さくする魔法の呪文を教えますよ」
「私は闇魔法使えないわよ」
すげなく返されてちょっと残念だ。彼女が得意なのは水魔法だと聞くし、水魔法で何か便利な使い方があればと考えてみてもすぐには思いつかない。
その日は氷雪竜の住処までたどり着かなかったので、野営の準備を始める。温度を温める魔法を使うと氷を溶かして地面がぐっしょりとなるため、野営地では解除した。途端に元の寒さに戻ったので、カルロ達は慌てて準備をしている。私も縮小していた道具で、使うものの魔法を解除していく。
「スイラちゃん、こっちにテントたのむ……!」
「はい、わかりました」
縮小していた二つのテントも元の大きさに戻したら、すぐに設営。テント内部を温かい気温に保つよう魔法をかけると、カルロは大喜びでテントの中に潜っていた。
じゃあ私とリュカはもう一つのテントを使うのかな、と思っていたらリュカもカルロの入ったテントの方に向かって行ったので、驚いて動きが止まる。
「男女別に決まってるでしょ」
「……あ、そうでした」
「……あんたね……まあいいわ。ほら、行くわよ」
ジン族の男女が一緒なのだから、テントが二つならパーティーごとに別れるのではなく男女別になるのが当然だ。
女性用テントに二人で入ったものの私とシャロンはどうにも関係がぎくしゃくしているので、少し居心地が悪い。あちらの男性三人のテントよりは私たち二人で使っているテントの方が広いだろうけれど、肩身が狭く感じる。
「見張りはあっちの三人がやってくれるでしょ、休めば?」
ここら一帯は氷雪竜の縄張りとなっているため他の魔物は近づいてこないが、標的自体がやってくる可能性はあるので見張りが必要なのだ。現れるとすればどうせ退治しなければならない相手だけだし、普段の見張りよりは気楽なものである。それでも、私と違ってヒトはできるだけ休んだ方がいい。
「いえ、私も見張りはやります。体力ありますし」
「……あんた、あれだけ魔法使ってて疲れてないの?」
そういえば私はここまでずっと魔法を使ってきたのだ。ヒトならくたびれるほどの魔力消費量のはずであると言われて気づいた。
しかしこの辺りは氷雪竜のせいか魔力に満ちていて、回復量も多い。腹も減らなければ疲れもしないため忘れていたのだ。
「私は魔力が多いので……」
「……それって、あんたがハーフエルフだから?」
実際は私が竜だから、ヒトとは比べ物にならないだけである。しかし私の沈黙を肯定と取ったらしいシャロンは、深々とため息を吐いた。
「羨ましいわね。……言っておくけど、リュカとの付き合いは私の方が長いんだから」
「? はい……」
私とリュカは出会ってまだ数か月で、彼女は昔からの知り合いなのだからそれは当然だろう。当たり前のことを言われてもどう反応していいか戸惑っていると、彼女の青い瞳に睨まれてしまった。
「……あんた、リュカのこと何とも思ってないの?」
「ええと……大事な仲間だと思ってます……?」
リュカは大事な仲間である。私をヒトの世界へ連れてきてくれた恩人でもあるし、今この世で最も親しいヒトであろう。
しかし私の答えが気にくわなかったのか、今度は顔をしかめられてしまう。
「そういう意味じゃないわよ。……男として何とも思ってないの? 一緒に寝泊まりまでして」
「それは……はい。リュカは仲間です」
「……それがエルフの感覚ってやつなのね。……だからリュカも、あんたにはあんな顔するんだわ」
ついには悲し気に俯いてしまった。しかも俯く寸前、彼女の目には涙が滲んでいたように見えて、私はどうしたらいいか分からずに慌てる。慰めようにも動揺している私が下手に触って吹き飛ばす訳にもいかず、上げかけた手は行き場を失くして宙をうろうろと漂う。
「ずるいわよ……!」
「わっ!?」
突如顔を上げたシャロンの大声にびっくりしてのけぞった。テントにも彼女にもぶつからなくてすんで幸いだが、ヒヤヒヤする。何も壊すことのないように両手を握って縮こまるように自分の体に密着させた状態で、そのまま様子を窺う。
「何!? そんなに可愛くて魔法の能力も高くて物理的に力も強いですって!? そんな完璧超人に絶対敵う訳ないじゃない!!」
「ええ……?」
私の容姿は精霊が作りだしたものだし、能力に関しては竜なのでヒトの敵わない領域なのは当然だ。しかしシャロンは目に涙をためて私を軽く睨みつけている。なお、迫力はないし敵意もないのでなんだか必死に威嚇する小動物の様で全く怖くない。
「おまけに性格もそんなに良くて、嫌える要素がないじゃない! 私なんて初見からあんたに喧嘩売ってるのになんですぐ魔法まで教えようとするわけ!? どこまでお人よしなの!?」
「ええと……落ち着いてください、シャロンさん。ひとまず深呼吸しましょう?」
いつの間にか彼女は肩で息をしていたので、そのように促した。いままで私の言葉を聞いてくれなかった彼女だが、落ち着くためか深呼吸を始める。それで興奮も収まってきたのか、最終的に深いため息をついてそっぽを向いた。
「……興奮して悪かったわね」
「いえ、大丈夫です」
「……あんた、いい子よね。半分でもエルフだから余裕あるのかしら。リュカもいつも余裕あって、カッコイイでしょ。……私も、エルフに生まれたかったわよ」
シャロンは膝を抱えて静かに独白を始めた。彼女が十代前半で新米冒険者になった頃に親からリュカを紹介される形で出会った。優しくて親切で、強くて穏やかで、そんなリュカは憧れのお兄さんだったという。
しかし、リュカは年を取らない。成長するにつれて見た目の年齢が近づいてくると、憧れは恋に変わっていく。そしてその頃から、リュカは以前より自分と距離を取っていると感じるようになった。
「……リュカは、孤独が好きなんだと思ってたわ。だから私は片思いでもいいかなって……それなのに、あんたにはあんな顔するんだもん」
「あんな顔……」
「見たことない顔してたわよ。別にリュカは孤独が好きなんじゃなくて、私のことが好きじゃないだけ」
「それは少し違うような……」
リュカは別にシャロンや、カルロやモルトンのことが嫌いではないと思う。ただ、ジン族だから――寿命が短く、あっという間の別れがやってくるのを知っているから、深く関わりたくないだけだ。
「リュカは寂しがりなので、親しい人が亡くなったら悲しいから……寿命の違う人種とはあまり親しくならないようにしているだけかと」
「…………そういうことが分かるくらい、あんたには気を許してるのね」
「ええと……」
「羨ましくて八つ当たりしただけよ。……悪かったわね。私、別にあんたのこと嫌いじゃないのよ」
「あ、はい。それは分かります」
彼女から悪意や嫌悪の感情を感じたことは一度もなかった。睨まれていても、そんな感情を感じないから別に怖くなかったし、ちょっとだけ困っていただけである。
私もシャロンのことが嫌いではないので、笑顔を向けたら彼女の方は嫌そうに口をへの字に曲げてしまった。
「……ほんとにいい子で嫌になるわ」
「ご、ごめんなさい……?」
「自分のことが嫌になっただけよ、謝らないで。……じゃあ私は寝るから、スイラも休むなり見張りに行くなりしたらいいわ」
そういうと彼女はさっさと寝袋の中に潜っていく。初めて名前を呼ばれて、なんだか不思議な気持ちだ。いつの間にか、テントの中が少しだけ広くなったように感じながら、休もうとするシャロンを置いて見張りをするために外に出る。
「……ああ、スイラか。休んでいていいのに、起きてきたのか?」
外にはリュカが居て、私を見ると安心したように微笑んだ。今回のように現地で竈を作れないような場所で使う、専用の簡易ストーブのような道具の近くに、組み立て式の椅子を使って座っている。
私が道具を小さくできる、ということで今回はこういった道具も色々と持ってきた。カルロ云わく、こういうものがあると快適性が段違いらしい。
「見張りなら私がするから、リュカこそ休んでいいよ」
「いや、一人になりたくてな」
「あ……じゃあ私、帰った方がいいね」
「そういう意味じゃない。……君と二人ならいい」
ジン族の二人といるとテントの中が狭いとか、そういう理由だろうか。
私も簡易椅子を出してリュカと二人でストーブの前に座る。そしてテントの中で休む他の三人を起こさないように、隣り合って小さな声でこそこそと話をする。なんだか内緒話みたいで少し楽しい。
「なんだか不思議な感じだね。二人で見張りすることはないし」
「そうだな。私たちはいつも二人だから……環境が変わると気づくこともあるな」
「うん。私も普段の旅と違い過ぎて、色々と新鮮だよ。……あ、リュカ、空見て」
「ああ……氷雪竜の吐息だな」
見上げた夜空にはオーロラが輝いている。しかしどうやら元の世界のオーロラとは違い、氷雪竜が引き起こしている現象のようだ。
とはいえそれが美しい光景であることには変わりがない。元の人生でもオーロラなんて見たことはなかったし、本物との違いも分からないが綺麗なものは綺麗である。
「今日は夜空が綺麗だね」
リュカに話しかけたつもりだったが、彼から言葉が返ってこないことを不思議に思い、空を見上げていた顔を彼に向けた。何故か額を押さえて俯いているが、その耳が真っ赤に染まっているのははっきりと見える。
「……あれ、耳が赤いよ。寒いなら温かくなる魔法使おうか?」
「いや……充分温かい」
「そう……?」
はっきりと赤くなって余程冷たくなっているだろうに、リュカは私を休ませたいのかそんな嘘を吐く。結局もう少しストーブの傍に近寄って暖を取ることにした。
そうして夜は静かに更けていく。……まあ、静かなのは見張りを交代しようとカルロがテントを出てくるまでだったが。
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