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18話 言葉を学び、学ばれ(後)
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「…………にゃんにゃ……」
「うん! また明日、教えるからね!」
――そんな苦行を終えて、与えられた自室に戻る。勉強に使った紙の束を机に置いたらさっそくユーリへと精神感応を飛ばした。もう魔道具の明かりを消したリビングには誰もおらず、彼も部屋に戻ったはずだからだ。
『ユーリさん、お礼の言い方を教えてください。あと、今日の魔石除去もやりましょう』
『……ああ、分かった。皆に見られる訳にはいかないから、そうだな……どうするか』
『見られなければいいんでしょう? そっちに飛びますね』
『少し待っ……たないな、君は……』
静止されるより先にユーリの目の前に移動してしまい、ベッドに腰かけていた彼は目元を抑えてため息を堪えながら俯いた。待て、と聞く前に瞬間移動を使ってしまったのだから仕方ない。
「夜に男の部屋を訪ねるのはあまり良いことではない」
『ああ……見つかったら外聞が悪いですよね。瞬間移動だからバレないとは思いますが』
「……そういうことじゃない」
ユーリは自分が男だと思われていないのではないか、というようなことを薄っすらと考えているがそんなことはない。今は解かれている長い髪が夜明かりに照らされて銀色に輝いて見えるし、整った顔立ちと相まってとても神秘的で綺麗だが女性的だと思ったことはないのである。
『ユーリさんは綺麗だと思いますけど、女性らしいと思ったことはないです』
「っだから突然そういうことを言うのもやめてくれないか……ッ」
『本気で嫌がられたら止めますけど……ユーリさんは恥ずかしいだけで嫌ではなさそうなので……』
「君は本当に質が悪いな……!?」
そうは言うがやはり褒め言葉にはどこかで喜んでいる様子だし、私もやめる気はない。慌てる彼の姿を見ているとなんというか、気分が高揚して“楽しい”と感じてしまうのだ。友人とじゃれ合うというのはこういうことだろうと一人で納得している。
『まあ、それはさておき。お礼の言い方を教えてほしいです』
「………………分かった。“ありがとう”と言えばいい。平民は崩していることが多いが、こちらでも伝わる。こちらの方が発音しやすそうだからと私が教えたことにしよう」
ニィアンナの発音が崩れて平民の間ではニャンニャと発音するのが主流に変わっているのだろう。何度か繰り返して発音の練習をしてみる。猫の鳴き真似のようだ、と思うよりは口にしやすい。
「にぃあんな……ニィアンナ……リー。ニィアンナ」
「ああ、少し舌足らずに感じるがちゃんと聞き取れるな。単語だけならすぐに話せそうだ」
そう言って優しく笑うユーリはとても嬉しそうだ。言語の違う友人が、自分と同じ言葉を使うと嬉しくなるのだろうか。
「そうだ、君の世界の言葉も教えてほしい。礼の言葉はどう発音するんだ?」
「……“ありがとう”ですね」
「“エリガトゥ”……?」
「ありがとう、です。ありがとう」
私は殆ど精神感応で喋っているから、ユーリは日本語の発音をほとんど知らない。音として聞きなれていないだろう。ゆっくりとした発音にも慣れていないからか違う発音に聞こえる。何度か「ありがとう」の音を二人で交互に繰り返し練習した。
「“アリガトウ”……これで合っているか?」
「リー」
イントネーションが違っていてカタコトに聞こえるけれど、日本語の「ありがとう」に違いない。これはたしかに、教えるのも相手が同じ言葉を使おうとしているのも、少し嬉しくなる気がする。セルカがずっと楽しそうに私に教えていた気持ちや、ユーリが嬉しそうだった訳が理解できそうだ。
「ああ、ありがとう。時々こうして何か教えてくれたら嬉しい」
『いいですよ、私も色々教えてもらいますしね。……次は魔石の除去をしますか?」
「……………………そうだな」
ユーリの気分が急転直下、楽しんでいた気持ちが一気に奈落の底に落ちたような憂鬱に染められたのが分かって、なんだか悪いことをした気がした。上り詰めた山で達成感を味わっていた人の背中を押して突き落としてしまったような、そんな気がする。……魔石を壊すのは本当に痛いらしい。
『……今日はやめておきますか?』
「いや、そんなことをしたら毎日延期してしまいそうだ。遠慮なくやってくれ」
『そうですか、それならやりましょう』
どうせ蹲ることになる、とユーリは床に座り込んだ。深呼吸を繰り返して落ち着こうとしている。私は昨日と同じ場所、左腕の付け根にある魔石の上に手を置いた。この一番小さな魔石なら十回も繰り返せば壊せそうである。
『じゃあ3、2、1でいきますからね。はい3、2』
「ァ゛っ!!??」
魔石を割った瞬間、やはりユーリは体を抱えるように蹲って暫く動けなかった。どれほど痛いのかは、精神感応で苦痛を感じ取らない限り彼にしか分からない。痛みさえなんとかしてあげられればと思うのだが、超能力はそこまで万能ではないのである。
「……君、最後まで数えなかった、だろう……」
『最後まで数えたら身構えちゃうかなと思って……』
「いきなり来る方が吃驚するからやめてくれ、頼む」
そうか、余計な気遣いだったらしい。ちょっと申し訳なくなって『ごめんなさい』と謝った。どこかで最後まで数えないでいきなりやってもらった方が怖くない、と言っている人間を見たことがあったのでそういうものだと思ったのだけど、人によるらしい。……超能力者である私は痛みやそれによる恐怖なんてあまり感じたことがないから、よく分からないのだ。
「いや、謝らなくていいんだが……君の善意なのは分かるしな」
『次はちゃんと数えますね。これ、今回の魔石です。今の場所はあと十回もあれば全部壊れそうですよ』
「……そうか。先は長いが、ひとまずそれを目標に耐えるとしよう」
ユーリに小さな魔石の欠片を渡す。強い痛みで冷や汗をかき、涙も滲んでいたが、それでも小さなその欠片を見つめる彼には期待の感情がある。これを繰り返せばいつか、彼は本来の魔力を取り戻すだろう。王族として認められるようになるかもしれない。……家族を取り戻せるかもしれない。色がないだけで存在を無視するような家族ではあるが。
(何が一番ユーリさんにとっていいかは分からないけど……いいようになってほしい)
私の初めての友人。この世界での恩人。より良き未来に進んでほしい、と思うのは当然だろう。私は彼の幸せを願っている。
「ハルカ」
『あ、はい。なんですか?』
「アリガトウ。……これからも頼む」
拙い日本語の“ありがとう”。柔らかな笑顔。それらに込められた好意と感謝。
……なんだろう。いま、胸が一瞬、妙に大きく鳴ったような。気のせいだろうか。でも、なんだか嬉しい気がする。
やっぱり同じ言葉を使おうとしてくれると嬉しいものなのだろう。私も自然と笑うことができた。
『任せてください。私はユーリさんの魔石が完全に取れるまでは帰らないつもりですし』
その時のユーリの感情は、複雑でよく分からなかった。嬉しいのか、悲しいのか、寂しいのか、喜んでいるのか。どうかしたのかと首を傾げると、彼はゆるく首を振る。これも時々感じる彼自身が理解できない感情だったようだ。
「……少し、疲れたな。汗をかいたから浴場に行ってくる」
『分かりました。じゃあ、おやすみなさい』
「ああ。また、明日な」
きっと魔石の除去が痛くて疲れたのだろう。部屋の主が居なくなるのに長居するのもおかしいので、直ぐに瞬間移動で部屋に戻った。
ベッドに潜り込んで目を閉じる。昨日の寝袋より広くて寝心地も悪くない、いい寝床だ。
(……この寂しそうな感じは……ユーリさんなのかな)
どこかからか流れて来る寂し気な感情を精神感応が拾う。ユーリはもしかすると、私に帰ってほしくないのかもしれない。……出会って二日しか経ってない、私に。私も別れを考えると寂しく思うから、きっとそれと同じなのだ。
なら、できるだけこの話題は避けるとしよう。帰る方法を探す時はどうしても避けられないが。
(あんまり悲しませたくないんだよね……)
そう。せっかく見るなら柔らかく笑う顔がいい。もしくは恥ずかしそうに慌てる顔がいい。ユーリが嬉しそうだったり、楽しそうだったりすると私も嬉しいし、楽しい。彼はすでに大事な友人なのだ。明日も私は、彼と楽しく過ごしたい。
そう思いながら眠りについた。
「うん! また明日、教えるからね!」
――そんな苦行を終えて、与えられた自室に戻る。勉強に使った紙の束を机に置いたらさっそくユーリへと精神感応を飛ばした。もう魔道具の明かりを消したリビングには誰もおらず、彼も部屋に戻ったはずだからだ。
『ユーリさん、お礼の言い方を教えてください。あと、今日の魔石除去もやりましょう』
『……ああ、分かった。皆に見られる訳にはいかないから、そうだな……どうするか』
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『ああ……見つかったら外聞が悪いですよね。瞬間移動だからバレないとは思いますが』
「……そういうことじゃない」
ユーリは自分が男だと思われていないのではないか、というようなことを薄っすらと考えているがそんなことはない。今は解かれている長い髪が夜明かりに照らされて銀色に輝いて見えるし、整った顔立ちと相まってとても神秘的で綺麗だが女性的だと思ったことはないのである。
『ユーリさんは綺麗だと思いますけど、女性らしいと思ったことはないです』
「っだから突然そういうことを言うのもやめてくれないか……ッ」
『本気で嫌がられたら止めますけど……ユーリさんは恥ずかしいだけで嫌ではなさそうなので……』
「君は本当に質が悪いな……!?」
そうは言うがやはり褒め言葉にはどこかで喜んでいる様子だし、私もやめる気はない。慌てる彼の姿を見ているとなんというか、気分が高揚して“楽しい”と感じてしまうのだ。友人とじゃれ合うというのはこういうことだろうと一人で納得している。
『まあ、それはさておき。お礼の言い方を教えてほしいです』
「………………分かった。“ありがとう”と言えばいい。平民は崩していることが多いが、こちらでも伝わる。こちらの方が発音しやすそうだからと私が教えたことにしよう」
ニィアンナの発音が崩れて平民の間ではニャンニャと発音するのが主流に変わっているのだろう。何度か繰り返して発音の練習をしてみる。猫の鳴き真似のようだ、と思うよりは口にしやすい。
「にぃあんな……ニィアンナ……リー。ニィアンナ」
「ああ、少し舌足らずに感じるがちゃんと聞き取れるな。単語だけならすぐに話せそうだ」
そう言って優しく笑うユーリはとても嬉しそうだ。言語の違う友人が、自分と同じ言葉を使うと嬉しくなるのだろうか。
「そうだ、君の世界の言葉も教えてほしい。礼の言葉はどう発音するんだ?」
「……“ありがとう”ですね」
「“エリガトゥ”……?」
「ありがとう、です。ありがとう」
私は殆ど精神感応で喋っているから、ユーリは日本語の発音をほとんど知らない。音として聞きなれていないだろう。ゆっくりとした発音にも慣れていないからか違う発音に聞こえる。何度か「ありがとう」の音を二人で交互に繰り返し練習した。
「“アリガトウ”……これで合っているか?」
「リー」
イントネーションが違っていてカタコトに聞こえるけれど、日本語の「ありがとう」に違いない。これはたしかに、教えるのも相手が同じ言葉を使おうとしているのも、少し嬉しくなる気がする。セルカがずっと楽しそうに私に教えていた気持ちや、ユーリが嬉しそうだった訳が理解できそうだ。
「ああ、ありがとう。時々こうして何か教えてくれたら嬉しい」
『いいですよ、私も色々教えてもらいますしね。……次は魔石の除去をしますか?」
「……………………そうだな」
ユーリの気分が急転直下、楽しんでいた気持ちが一気に奈落の底に落ちたような憂鬱に染められたのが分かって、なんだか悪いことをした気がした。上り詰めた山で達成感を味わっていた人の背中を押して突き落としてしまったような、そんな気がする。……魔石を壊すのは本当に痛いらしい。
『……今日はやめておきますか?』
「いや、そんなことをしたら毎日延期してしまいそうだ。遠慮なくやってくれ」
『そうですか、それならやりましょう』
どうせ蹲ることになる、とユーリは床に座り込んだ。深呼吸を繰り返して落ち着こうとしている。私は昨日と同じ場所、左腕の付け根にある魔石の上に手を置いた。この一番小さな魔石なら十回も繰り返せば壊せそうである。
『じゃあ3、2、1でいきますからね。はい3、2』
「ァ゛っ!!??」
魔石を割った瞬間、やはりユーリは体を抱えるように蹲って暫く動けなかった。どれほど痛いのかは、精神感応で苦痛を感じ取らない限り彼にしか分からない。痛みさえなんとかしてあげられればと思うのだが、超能力はそこまで万能ではないのである。
「……君、最後まで数えなかった、だろう……」
『最後まで数えたら身構えちゃうかなと思って……』
「いきなり来る方が吃驚するからやめてくれ、頼む」
そうか、余計な気遣いだったらしい。ちょっと申し訳なくなって『ごめんなさい』と謝った。どこかで最後まで数えないでいきなりやってもらった方が怖くない、と言っている人間を見たことがあったのでそういうものだと思ったのだけど、人によるらしい。……超能力者である私は痛みやそれによる恐怖なんてあまり感じたことがないから、よく分からないのだ。
「いや、謝らなくていいんだが……君の善意なのは分かるしな」
『次はちゃんと数えますね。これ、今回の魔石です。今の場所はあと十回もあれば全部壊れそうですよ』
「……そうか。先は長いが、ひとまずそれを目標に耐えるとしよう」
ユーリに小さな魔石の欠片を渡す。強い痛みで冷や汗をかき、涙も滲んでいたが、それでも小さなその欠片を見つめる彼には期待の感情がある。これを繰り返せばいつか、彼は本来の魔力を取り戻すだろう。王族として認められるようになるかもしれない。……家族を取り戻せるかもしれない。色がないだけで存在を無視するような家族ではあるが。
(何が一番ユーリさんにとっていいかは分からないけど……いいようになってほしい)
私の初めての友人。この世界での恩人。より良き未来に進んでほしい、と思うのは当然だろう。私は彼の幸せを願っている。
「ハルカ」
『あ、はい。なんですか?』
「アリガトウ。……これからも頼む」
拙い日本語の“ありがとう”。柔らかな笑顔。それらに込められた好意と感謝。
……なんだろう。いま、胸が一瞬、妙に大きく鳴ったような。気のせいだろうか。でも、なんだか嬉しい気がする。
やっぱり同じ言葉を使おうとしてくれると嬉しいものなのだろう。私も自然と笑うことができた。
『任せてください。私はユーリさんの魔石が完全に取れるまでは帰らないつもりですし』
その時のユーリの感情は、複雑でよく分からなかった。嬉しいのか、悲しいのか、寂しいのか、喜んでいるのか。どうかしたのかと首を傾げると、彼はゆるく首を振る。これも時々感じる彼自身が理解できない感情だったようだ。
「……少し、疲れたな。汗をかいたから浴場に行ってくる」
『分かりました。じゃあ、おやすみなさい』
「ああ。また、明日な」
きっと魔石の除去が痛くて疲れたのだろう。部屋の主が居なくなるのに長居するのもおかしいので、直ぐに瞬間移動で部屋に戻った。
ベッドに潜り込んで目を閉じる。昨日の寝袋より広くて寝心地も悪くない、いい寝床だ。
(……この寂しそうな感じは……ユーリさんなのかな)
どこかからか流れて来る寂し気な感情を精神感応が拾う。ユーリはもしかすると、私に帰ってほしくないのかもしれない。……出会って二日しか経ってない、私に。私も別れを考えると寂しく思うから、きっとそれと同じなのだ。
なら、できるだけこの話題は避けるとしよう。帰る方法を探す時はどうしても避けられないが。
(あんまり悲しませたくないんだよね……)
そう。せっかく見るなら柔らかく笑う顔がいい。もしくは恥ずかしそうに慌てる顔がいい。ユーリが嬉しそうだったり、楽しそうだったりすると私も嬉しいし、楽しい。彼はすでに大事な友人なのだ。明日も私は、彼と楽しく過ごしたい。
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