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2話 色の世界で、黒と透明
しおりを挟む色判定とやらを受ける場所は直ぐに分かった。自分と同じローブを着た人間が集まっているし、人の流れに沿って歩けば自然と辿りつけたからだ。
そこは石畳の広場で、中心には何やら立派な台が設置され、その上には人の頭よりも大きな水晶玉が置かれている。その周りに集まっているのはローブを着た少年少女が数十人と、一人の役人。そして広場を取り囲み、様子を窺っているその他大勢の大人たち。
精神感応で拾った意識から分かったのだが、「色判定」は元の世界でいうところの就職試験である。ここで魔力の濃さを判定し、その濃さから判別できる魔力量によって就職先が決まるようだ。
広場を取り囲んでいる大勢はスカウトをするためこの場で判定を見ているらしい。ローブを着ている子達の年齢はバラバラに見えるが、大きくても十代後半といったところで皆若い。幼さが残る顔立ちで中学生くらいにしか見えない子も交じっているので、この世界の就職年齢はかなり若いのだろう。
私は現在十八歳で高校生だった。働く必要なく勉学に励める環境にあったのはとても恵まれていたのだと、改めて思う。子供に時間と余裕を与えられるのは豊かな証だ。
(……幼い子ほど、髪の色素が薄いような気がする)
幼い子たちには水色や桃色といった色味の薄い髪が多い。髪の色と魔力量が比例している世界なので、魔力が少なそうな子は早めに職に就く理由があるのだと予想がつく。魔力の差によって貧富の差も生まれているのかもしれない。
なにせ、魔力の色が濃ければ濃いほどあちこちの仕事場から引っ張りダコとなっていい仕事に就ける仕組みだ。濃い髪色の者は自信に満ち溢れた顔をしており、伝わってくる意思も強気で前向きなものが多かった。この世界では何をするにも魔力が必要で、その量が絶対的な正義であるようだ。
(確かに、髪色が濃い人ほど纏う気の量も多い……これが魔力ってやつかな)
人間は大なり小なり、力を発しているものだ。分かりやすく呼ぶなら気やオーラといえばいいだろうか。この世界の人間は元の世界に比べると皆が強い気を発していて、それがおそらく魔力なのだ。ただ、私のように目に見えたり感じたりできる訳ではないらしい彼らは「色判定」を受けて、自分の魔力量を測る必要がある。
(……これ、私が受けたら大変なことになるんじゃ?)
気の量で言えばこの場の誰より私が多い。これが魔力として測定されるなら「かなり魔力が多い」という判定が下ることになるだろう。……まあ、この世界では魔力が多い方が良いようなので、多くて困ることはなさそうだが。
「色判定を開始する! さあ、一人ずつこちらへ」
役人の男が声を張りあげるとローブを着た者達が並び始めた。幼く、色素の薄い子達から判定を受けていくようだったので、私はそっと最後尾に並んだ。私が並んだ途端、やはり髪の色に視線が集中して少しばかり居心地が悪い。……注目されるのは慣れていない。今までは超能力を隠すため、目立たないように生きていたから。
(……今は目立ちたくないなんて、そんなことは言ってられないからね。生きるの優先、まずは仕事と住処を見つけないと)
生きるために金が必要なのはどこの世界でも同じだろう。収入は大事だ。何故か目覚めた時から私はローブを羽織っていたし、就職試験に参加できるのだからやるべきである。
(この色判定も難しくない。水晶玉に触れるだけでいいみたいだし)
判定の内容自体は簡単だった。大きな水晶玉に手を当てれば、水晶が魔力の色に染まる仕組みで、その色と濃さで魔力の種類と強さが分かるらしい。
例えば赤に染まれば火属性、青に染まれば水属性、黄色に染まれば土属性。混色である緑に染まれば水と土を併せ持ち、黄緑であれば土属性の方が強い――という具合に。
色判定の結果はたしかに、髪の色と相違ないようだった。多少の濃淡の違いはあれど、結果とかけ離れたものにはならない。これなら髪色で人を判断する価値観が出来てしまうのも納得だ。
「最後は君か。黒髪なんて数年ぶりに見たな、楽しみだ」
役人の男は相好を崩してそう言った。彼はこの国の権力者側から派遣された者で、国家に有用な若い人材を見つけるという役目を与えられてここにいる。優秀な者を早いうちから取り込んでおくためだ。彼の心から伝わってくる意思で私の判定に期待をしているのがよく分かる。
(さて、私の超能力だとどういう判定になるのかな)
魔力の属性とやらが当てはまりそうにない私の超能力は、この水晶をどのように染めるのか。少しばかりわくわくとするような、好奇心を抱きながらそっと水晶玉に触れた。
しかし、いくら待っても水晶の色は変化しない。
「……色が出ない、だと? お前、透明か!?」
役人の男が叫んだ通り、水晶玉は無反応だった。何の色にも染まることなく無色透明なまま鎮座している。それまでは私に羨望の眼差しを向けていたローブの若者達も、周りを取り囲んでいる大人たちも、騒然とし始めた。
(なるほど、魔法と超能力は似て非なる力で……私の力は魔力として計算できない訳か。うーん、こういう結果を予知させてくれればいいのになぁ)
この結果を知っていたら私は判定を受けようなどとは思わなかった。力が証明できればいい仕事を得られて生きやすくなるはずだと考えていたのだが、完全に当てが外れてしまったのだ。
先ほどまで私に向けられていたのは、期待と、羨望と、興味と、好奇心だった。今は一変して、悪意に満ちたものに変わっている。私に向けられている意思は、嘲りと、侮蔑と、嫌悪と――――おや。誰か一人、私を酷く心配している者が交じっているようだ。助けたい、という意思がどこかからか伝わってくる。
(……人が多すぎる。ごちゃごちゃしていて分かりにくい。きっとものすごい善人なんだけど、どこにいるのやら)
無色という結果が出た私を心配し、声をかけるタイミングを伺っている誰かがどこかにいるはずなのだが、大勢の話し声と大量に流れ込んでくる意思のせいで見つけられない。同じ部屋の中で複数のグループが大声で話している状況と似ている。誰が何を言っているのか、聞き取るのが難しいのだ。
「まさか黒髪で透明とはな。透明にできる仕事なんてせいぜい、娼館勤めか冒険者の荷物持ちくらいだろうよ」
とりあえず仕事はあるらしい。無色だけに無職なんてことにならなくてよかった。……いや、切実に。冗談ではなく。
体一つで異世界に来てしまい、身寄りも何もないのだからたとえ黒であっても仕事があるのはありがたいのである。“娼館”と“荷物持ち”の二択しかないらしいけれど。そして日本人的価値観から考えれば選択肢は一つだけになる。
(……冒険者の荷物もちは女でもできるのかな?)
「ああ? まさか荷物持ちをするつもりか? …………まあ、止めはしないが」
首を傾げた動作だけで荷物持ちについて尋ねているのだと伝わるのは精神感応の恩恵である。ただ、どうやら荷物持ちが大変過酷な仕事らしいというのは役人の男の考えから読み取れた。
娼館では働きたくないと冒険者の荷物持ちを選んだ魔力が少ない女性は過去にも何人かいる。しかし、魔力がなければできないような難題を吹っ掛けられ、できなければ罰として娼婦よりひどい目にあって、結局娼館に流れ着くという結果になるようだ。
透明にそこまで親切にしてやる義理はない、と思っている彼が言葉にして教えてくれることはなかったが、内心で考えてくれれば伝わるので問題ない。
(超能力があれば大抵のことはできるし……できそうな仕事ではある。まずはこの世界のお金がほしい)
衣食住すべてを持っていない私には、ひとまず仕事が必要である。……超能力を使えばまあ、大自然の中でも暮らせなくはないのだが。補充できるエネルギーより超能力で消費するエネルギーの方が多くなってしまった途端、生活が破綻してしまう。そうしたらさすがの私でも死んでしまう。
(人の道理から外れたことだけはしたくない。まずは真っ当に働いてみよう)
超能力を使えば盗みも容易だが、それは人としてやってはいけないことだ。生死を問うレベルの事態に陥ったら理性を失くすかもしれないが、今はまだその時ではない。……とりあえず、この世界についてもう少し詳しく知り、できれば暮らしを安定させることを当面の目標としよう。
「これがお前の腕輪だ。色がないからって外すなよ、牢屋にぶちこまれたくなけりゃな」
投げ渡されたのは木彫りの細工がされたブレスレットで、中心に透明の石がはまっていた。どうやらこれが身分証のようなものであるらしく、色判定を受けた者は皆これをつけている。色が薄い者は長い袖の服を着て隠しはするが、外すことはしないらしい。どうやらこれを受け取ってから身に付けなかったり、外したりするのは犯罪であるようだ。
返却するように言われたローブを脱いで役人に渡し、ブレスレットをはめた。何かしらの力が籠っていて特殊な物だと分かるのだが、その力は微弱で私には何の効果ももたらさない。……体の表面には常時念動力の壁を張っているのでそのせいかもしれないが。
水晶の前から離れるとさっそく人が寄ってきた。仕事の勧誘だが、魔力のない私を勧誘するのは役人が言っていた通り娼館ばかりである。黒髪なら最高の商品になると思われているのがよく伝わってくるのでなんとも不快だ。
(価値ある商品、運がいい、これは高く売れそうだ……と、そんな考えばかり)
魔力がなければ人権がないといえばいいのか、私は既に人ではなく売れる商品として見られている。首を振ってそれらを断れば、私が冒険者の荷物持ちを希望しているのが伝わった。
すると娼館のスカウトたちは「荷物持ちをやめたらここにくるといい」と名刺らしい紙を押し付けて全員いなくなる。どうせすぐに現実を見てこちらに来ることになると思っているようだった。……渡された紙に書いてある文字は記号の寄せ集めにしか見えずまったく読めないし、何より二度と関わることもないだろう。あとで捨てておくことにして、とりあえずポケットにしまった。
「なあ、お前。荷物持ちをするなら、俺の……」
「透明のお前! 俺たちの荷物持ちになれよ!」
私を囲んでいたスカウトがいなくなったと思ったら、フードを目深に被った男と二人組の男がほぼ同時に話しかけてきた。フードの方は顔もまともに見えないが、彼がこの場で唯一私を心配し、どうにか力になりたいと思っていた人物であることは直ぐに分かった。
性質の悪い冒険者に声をかけられるより先に保護しようと来てくれたらしいのだが、他に取られてなるものとかと言わんばかりに駆け寄ってきた二人組がいたのでかち合ってしまったのだ。
(ものすごくお人好しの気配がする……申し訳ないけど巻き込まれてもらおう。そのためには二人きりになりたいけど、こっちが問題だね)
二人組の方はどちらも珊瑚色くらいの髪色で、ニタニタと表現できる笑い方がそっくりなので顔立ちは似ていないのに兄弟に見える。片方は細身で背が高く、もう片方はガタイが良くて背が低い凹凸のコンビだ。
どうも下卑た考えを持っているようで、精神感応をシャットアウトしたくなるくらいには不埒で淫猥な計画が流れ込んできた。……貴重な情報源なので遮断できないのが残念でならない。
(人権のない美少女、とでもいうか……とんでもなく綺麗な奴隷みたいな存在なのか、私は)
この世界で黒髪とはとても魅力的な要素なのだ。私は髪色のせいで美少女扱いになるが、同時に魔力がないため人権が低いといえばいいか。二人組の方の思考によると、私が何かしらの失態を演じた時はどう扱おうと透明の私に逆らう権利はない、らしい。
魔力カーストと呼ぶべきこの世界の人権構造の、最底辺に位置するのが無色透明。魔力が少ない人間よりもさらに下なのだ。平常時に私を害することは許されずとも、ミスを罰するという名目ならたとえ殺されてしまっても文句が言えない立場である。
例えば道を歩いていて、向こうから来た人間にわざとぶつかられたとしても、相手の色がそれなりに濃ければ私は文句が言えないし、慰謝料を払えと言われれば払わなければならない。そして払えなければ制裁を加えられたとしても、訴えることもできない。そういう、理不尽にさらされる存在になってしまったのだ。
……まあ超能力があればどうとでもできそうなのでいいんだけど。“ミス”を犯さない限りはまだ最低限“人間”として扱われる。魔力も何もなければそうできないのだろうが、私には超能力がある。大丈夫だ。
「アンタもこいつに荷物持ちをさせたいのか?」
「まあ四人で楽しむってのも悪くはないが……色を見せてくれ」
二人組とフードの男が話し合いを始めたので、成り行きを見守ることにする。
まずは二人組が腕を出してブレスレットを見せ、次にフードの男が無言で腕を差し出した。二人組のブレスレッドの石は髪とよくにた珊瑚色で、フードの彼の方の石は橙色だ。混色なのでフードの方は火と土の属性を持っているのだろう。
「お、二属性なのか。じゃあ俺たちはアンタに従うぜ、俺たちのがちょっと薄いしな」
「サビエートの森に行く予定だったんだが、アンタはどういう予定だった?」
「……俺もそこにいくつもりだった」
嘘である。フードの彼は私に荷物持ちをやらせるつもりはなかったし、保護してどこかに連れていく目的があったようだ。だが、二人組の冒険者の方と色に大差がないので、彼らを差し置いて私を連れていくということはできないらしい。
彼らの動向を監視しつつ、危ない目に遭いそうなら助け、そしてどうにか私を連れ出すチャンスを窺うことにしたようだ。私も彼を巻き込む計画を立てているので願ったりかなったりである。
「よし、じゃあ決まりだな。透明のお前、俺たち三人の荷物持ちでどうだ?」
私はその提案にこくりと頷いて答えた。こうして異世界で、私の初めての「仕事」は決まったのだ。
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