気づいたら隠しルートのバッドエンドだった

かぜかおる

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あの日のことは一生忘れられないものになるだろうと思う。


マリールイーズの爆弾発言に固まっている間に、王は爆笑しだし、宰相は男泣きを始めた。
二人の様子を確認できたところで、マリールイーズから胸ぐらを掴まれ答えを催促された。
勢いで出来ると答えたものの、性格が今までと違いすぎると思って再び固まっている間に私抜きで話が進んでいたのか、私とマリールイーズの婚約は続行と決定されていた。


ウスターシュや彼と繋がっていたもの達は悪事を明らかにされ、法の元裁かれることになった。
ただ、今回が慣例と異なるのはあの日ウスターシュが語ったおぞましい罰則などを行い、どれが罰則として効果的なのか、有用性があるのか検証することになっていることだ。
決して口に出したくない、正気を保っていられるかも分からないようなものばかりだったので少し同情を禁じ得ない。
一方で彼らの犯してきた罪を思うと、死という形で簡単に苦しみから逃れることはできないそれを自業自得とも思うのだ。

そして、セシルとその母だが市井に下ることとなった。
ウスターシュは一家郎党死罪でもおかしく無いだけの罪を犯していたのに、元々市井で暮らしていた二人にそれでは甘く無いのかとマリールイーズと宰相と3人で食事している時に尋ねたところ、まあ二人が何かしたわけでは無いし。と返ってきた。そして、それに、と続いた言葉で納得させられた。
それに、元々市井で暮らしていたとは言え、公爵家で過ごした10年のうちに人に傅かれ、もてはやされ、贅沢することに慣れ切ってしまった二人に再び市井での暮らしがまともに出来るだろうか、と、むしろ再び市井の生活に戻れるのであればそれはもう認めるに値するだけのことだろう。
それが二人の言い分だった。


ウスターシュがいなくなってからのマリールイーズは随分とおしゃべりに、感情豊かになった。
ウスターシュがいた頃は、家でも周りが敵ばかりで気を抜けない生活の中、暗躍していたのがバレぬよう感情を出さぬようにしていたのだとあっけらかんと述べる彼女はその頃の苦労を顔に浮かべることはなかった。
大分と性格が変わったように感じられる彼女だが、一緒に過ごしている時の距離感や空気が変わることはなく、それが彼女が彼女であることを示しているように感じられた。


そしてマリールイーズ、いや、マリーと結婚して早数年二人の子宝に恵まれ、3人目がマリーのお腹の中にいる中、私は再び苦境に立たされていた。

セシルとの時から自分は全然変わっていないようだ。

先日、再び次兄とクロヴィスに言われてやっと気付いたのだが、


私はどうやらマリーに恋をしているらしい。





再び、苦しい恋が始まった。








************


本編はこれにて完結です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
((ヾ(o゚∀゚o)ノ☆゚+.ァリガトゥ♪


今後
・キャラ紹介(ネタバレ補足と作者の愚痴有り)
・クロヴィスサイド
・マリールイーズ母サイド
を番外で投稿予定

マリールイーズ視点はいるかな?
検討ちゅう・・・
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