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③ 茶番の終わりそして真の罪人は...
しおりを挟む「ふ、ふふふっ、ふふふふふふっ」
心からおかしそうな、笑い声がマリールイーズから聞こえる。
その姿に周りのものは驚愕を見せる。
「何がおかしいのよっ!?図星を刺されておかしくなったの!?
それとも私のこと馬鹿にしてるっ!?」
「ああごめんなさい、怒らないで。
馬鹿にしているわけでは無いの、ただおかしくって。」
目から涙を溢してしまうほど、本当にただおかしくてたまらないのだろう。
あまりのことに周りが何も言えなくなる中、やっと笑いが収まってきたのかマリールイーズが話し始める。
「別に平民であろうが貴族であろうが、冤罪であるなら捕まっていても反対してよ。
わたくしがウスターシュが捕えられていても平気なのは、彼が罪人だから。」
つぅと目を細めながら言う。
「誰が罪人だ!?」
「罪人は黙っていてくださる?
それにね、これだけ笑ったのはこの罪人とわたくしは一滴も血がつながっていないからよ。」
「何を言うんだっ、お前は俺の子だろうっ!」
ウスターシュは叫ぶが、あまりの驚きにか勢いが弱い。
「いいえ、貴方の子ではなく私の子です。」
そう言ったのは、宰相だった。
「はっ?・・・はっ、つまりはあの女は浮気をしていたってことか!?
誰にでも股を開く淫乱女だったってことだなぁ!」
「浮気・・・、まあ、夫以外の男と関係を持っていたと言う意味では浮気、でしょうか。
ただし、国王公認の、ですがね。
・・・それに、そもそも貴方が彼女を強姦しなければ彼女は私と結婚するはずだったのですから。」
宰相の言葉には、怒りが込められていた。
「え?・・・何言ってるの、・・・うそ・・・嘘よ!父さんがそんなことするはずない!」
「嘘ではありませんよ、セシル嬢。
私たちの世代ではそれなりに有名な話です、伯爵令息が公爵家に婿入りするために既成事実を作った。と言うのはね。
そこに、公にはなっていない本来の婚約者である私がいて、既成事実が作られた時に薬が公爵令嬢に盛られていたこと、その薬がとても珍しい種類のものでそれを伯爵令息が手に入れた記録がある。ここまで揃えば、既成事実を作るために強姦したのは事実だと思いませんか?」
「ねぇ、嘘だよね?父さん。嘘だと言って!」
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