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① 茶番の終わりそして真の罪人は...
しおりを挟む「マリールイーズ!お前何を言っている!?」
ウスターシュは怒声を浴びせるが、この断罪が始まってから今まで一切の感情も表にしてこなかったマリールイーズが今、全身で怒りを露わにしていた。
「あなたとわたくしは赤の他人、さらに平民に過ぎないお前がわたくしの名を呼び捨てにするなど無礼ですわ。
そもそも、貴方のような罪人に名前を呼ばれるなど怖気が走る。二度と口にしないでくださいませ。」
露わにしている怒りに比べあまりにも冷静な声色は、マリールイーズの怒りの深さを表しているようだった。
ウスターシュもその気迫に飲まれてか、口を何度も開け閉めするものの声を出せずにいた。
「姉さん、何を言っているの??なんでそんなひどいことを父さんに言えるの?
父さんが平民?姉さんが平民の間違いでしょ?
それになんで父さんが捕まっているのに助けてあげないの?」
困惑からだんだん詰問するような口調になっていくセシルをマリールイーズはじっと見つめていた。
「はあ・・・、貴女ももう平民なのですからあまり余計なことは言わない方がいいわ。
陛下、わたくしから説明してよろしいでしょうか?」
「ああ、良い。他にも分かっていないものがいるから詳細に語ってくれて構わん。
時間ならたっぷりあるしな。」
「ありがとうございます。
セシル、そもそもドーリッシュ公爵家の血筋なのはわたくしのお母さまの方なの。ウスターシュにドーリッシュ公爵家を継ぐ権利はないのよ。」
「で、でも、父さんはずっとドーリッシュ公爵だって・・・。」
「それはね、わたくしのお母さまの結婚相手であったから、現公爵であるわたくしの後見として着いて公爵を名乗ることを許されていたの。
だから正式にはウスターシュはドーリッシュ公爵代理だった。慣例として、成人などしてわたくしが正式に公爵としてお披露目されるまでは後見人で代理のウスターシュが公爵を名乗ることを許されていたに過ぎないわ。」
「そんなっ、嘘よ!父さんは公爵家の人間だわ!」
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