気づいたら隠しルートのバッドエンドだった

かぜかおる

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④ NO Side 断罪の場

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「さて、罰則の詳細はさておき此度わざわざこのような場を設けたのは訳がある。
此度の件、ドーリッシュ公爵家の不祥事ともなればことが大きくなり多方面に影響があるのは必須。
であるから、ドーリッシュ公爵家と縁の切れた者の仕業と為し、影響を最低限にしたいと考えている。
ドーリッシュ公爵家との縁を切りたくは無いが、アリスティドの婚約についても再検討したくてな。」

そう言って場を仕切るのは第一王子。
ウスターシュとセシルの顔に喜色が浮かぶ。

「それは、つまり?」

ウスターシュは神妙にしようとしているつもりだが、声に喜びが隠せないでいる。

「ああ、まずはマリールイーズ嬢とウスターシュ殿あなた達の親子の縁を切ってもらう。
ウスターシュ殿にとっては大変辛い決断になると思うが、先ほどクロヴィスが述べた通り罪人は許し難い悪事を働いている。これを見過ごすことはできない。」

「お心遣いありがとうございます。
しかし、罪を犯したのですから当然の処置にございます。
あれほどのことを犯しておきながら、ドーリッシュ公爵家が残るよう配慮いただけるなど僥倖にございます。
陛下方の采配には感謝のしようもございません。」

「では、ウスターシュ殿はマリールイーズ嬢と縁を切るのに同意するのだな。
宰相、書類を頼む。」

第一王子の言葉に、宰相が書類とサインをするためのインクと羽ペンをウスターシュに渡す。

「こちらにサインをお願いいたします。」

ウスターシュは渡された書類にざっと目を通すと、嬉々としてサインをし、その書類を宰相に手渡す。
宰相はサインされた書類を受け取ると早々に王と第一王子に見せながら、自身でも確認する。

確認した3人は目を見合わせると、満足げに頷き合うと、最後に王が承認のサインと印を押す。

「これにて、ウスターシュ殿とマリールイーズ嬢との親子の縁は正式に切られた。
以後お互いに関係のない赤の他人とする。」
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