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④ アリスティド Side サポートキャラ
しおりを挟むマリールイーズとの交流に華を添えるのが、彼女の異母妹のセシルだった。
セシルは時折マリールイーズとのお茶会に参加してきた。
マリールイーズの登城についてきたり、公爵邸で私を迎えてそのまま一緒に、となったりした。
二人だけだと静かなお茶会も、セシルがいると賑やかなものになった。
セシルは他愛の無いことをよく話した、この間庭の花が咲いただとか、授業のここが難しかっただとか、こんな料理が美味しかっただとか、いつも絶え間なく話をしていてよくもまあ話題が尽きないものだと感心して話を聞いていた。
普通の貴族令嬢だと自慢話やら何やら、話の内容を聞くまでもなくただ姦しいと感じるだけなのに、セシルの話は不思議と微笑ましく聞き入ってしまうのが常だった。
マリールイーズの存在を忘れてしまうのも一度や二度では無かった。
それに向けられる好意をただ嬉しく受け取ってしまうのもセシルだけだ。
初めて会った時から不思議なほど全身で私のことが好きだと伝えてくるセシル。
公爵邸に行くと必ず出迎えてくれる、一応偶然を装ってくるのだが、偶然も毎回続けば必然。そもそも玄関にくる用事などどこかに出かけるか誰かを出迎える時以外滅多に無いだろう。
無理に作った嘘の理由も、毎回私を部屋まで案内するのだから嘘が丸わかりだ。
セシルは感情豊かで、マリールイーズとは正反対だった。
笑う時は口を開けて笑い、怒ると頬を膨らませる。
礼儀作法も完璧では無いところがまた可愛らしい。
段々とセシルに会うのが楽しみになっていった。
マリールイーズが登城するたびにセシルがついて来ていないか確認し、いないと残念な気持ちになる。
公爵邸に行く目的がセシルに会うことになっていく。
こんなに分かりやすく恋に落ちているのに、私は次兄と学友であるクロヴィスに言われるまでそのことに気づかなかったのだから、どうしようもない。
だが、私の婚約者はマリールイーズ。
その異母妹のセシルと結ばれるなどありえない。
気づいてしまえば
苦しい恋の始まりだった。
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