9 / 51
⑧ セシル Side ヒロイン
しおりを挟む
それからの日々は驚きと感動の連続だった。
夜ご飯は毎日フルコース、朝と昼はコースでは無いけど毎回食べきれないほどの種類の料理が食卓にのぼった。
食べすぎて太っちゃわないようにするのが大変なほど。
ドレスや宝石も毎日違うのを着て、父さんは私たちがこれ以上使い切れないって言ってもどんどん新しいものを買ってくれた。
よく知らなかったけど、貴族って1日に何度も着替えるのね。出かける訳じゃないのに食事とかお出かけとか何かするたびに着替えるからちょっと辟易としちゃった。
お勉強もいろいろした。
難しいモノばかりだったけど、先生たちはいっぱい褒めてくれたし大丈夫!
それに女の子はちょっとお馬鹿な方が可愛いって言うじゃない?
マリールイーズのことも少し気にしてた時もあったけど、声をかけてあげてもニコリともせず無愛想だしいろいろ口煩い。言われたことを父さんに確認したけど気にしなくていいって言われるようなことばっかりだった。
食事だって父さんから一緒に食べようと誘っても一度も来なかった。
そんな風だから父さんからもみんなからも嫌われるんじゃない?
なんか自業自得だなって思うと気にしてあげる気もなくなっちゃった。
そうそう、マリールイーズの不正とかも調べようと思ったんだけど全然わかんなかった。
領地経営とか本とか読んでも分からないのに、見つけられるわけないよね、ヒントもないし。
最終的にはちゃんと罪が公になるんだから犠牲になる人たちには申し訳ないけど、しょうがない。大人の人たちに頑張ってもらおう。
そして、一番大事なアリスティド様の攻略なんだけど、ガンバったよ!
父さんと母さんに王子様に会ってみたいなって言ったら、なんとアリスティド様とマリールイーズの顔合わせの時に一緒に連れていってもらえた!
幼いアリスティド様はやっぱり素敵で、ずっとニコニコしちゃった。
なんとなくだけど、マリールイーズよりも気に入ってもらえたんじゃないかな?
それから少しずつ仲良くなれるように気に入ってもらえるように頑張った。
父さんと母さんにアリスティド様が好きになったって言ったら、簡単じゃないけど応援するって言ってもらえた。
そうだよね、元々公爵家との繋がりを作るためなんだから。婿入りもマリールイーズが修道院行きになれば、私が後継になるし問題はいずれ無くなる。
だからそれまでにアリスティド様と仲良く、できれば相思相愛にならなくちゃね。
正式な婚約者はマリールイーズだからあまりグイグイ行ったら、ラノベみたいに私の方がはしたないって言われそうだからマリールイーズが王宮に行く時何回かに1度一緒に連れていってもらった。
公爵家の家にアリスティド様が来るときは、これも何回かに1度二人のお茶会に一緒させてもらうのと、来るたびに玄関から応接間とかに行くまでおしゃべりさせてもらった。
確実に私がアリスティド様のこと好きなのは伝わってる。でも決定的なことは言わないししない。
本番は、マリールイーズとの婚約が破棄されてから。
アリスティド様とマリールイーズの婚約は契約だから、アリスティド様が悪く言われないように、でも婚約者の義妹って立場を最大限に利用して交流を重ねていった。
あとはちょっとだけ、ただでさえアリスティド様からみたマリールイーズの印象はあまりよくなかったんだけど、ほんのちょっとだけ、きついこと言われた、とか、睨まれた、とか悲しげな顔してささやいた。
嘘は言ってない、ただ全部私がそう感じたことってだけ。
少しぐらいの印象操作は恋する乙女だもん、みんなやってるよね?
ちょっとだけマリールイーズの印象を下げて、ちょっとだけ私の印象を上げる。
そもそも、これぐらいのことで悪くなる印象だったり仲ならこんなことしなくても悪化するものだと思う。
マリールイーズも悪いことだけじゃなく、私のためになってることを喜んでくれるはず!
だから
私のために踏み台になってね、おねえちゃん。
夜ご飯は毎日フルコース、朝と昼はコースでは無いけど毎回食べきれないほどの種類の料理が食卓にのぼった。
食べすぎて太っちゃわないようにするのが大変なほど。
ドレスや宝石も毎日違うのを着て、父さんは私たちがこれ以上使い切れないって言ってもどんどん新しいものを買ってくれた。
よく知らなかったけど、貴族って1日に何度も着替えるのね。出かける訳じゃないのに食事とかお出かけとか何かするたびに着替えるからちょっと辟易としちゃった。
お勉強もいろいろした。
難しいモノばかりだったけど、先生たちはいっぱい褒めてくれたし大丈夫!
それに女の子はちょっとお馬鹿な方が可愛いって言うじゃない?
マリールイーズのことも少し気にしてた時もあったけど、声をかけてあげてもニコリともせず無愛想だしいろいろ口煩い。言われたことを父さんに確認したけど気にしなくていいって言われるようなことばっかりだった。
食事だって父さんから一緒に食べようと誘っても一度も来なかった。
そんな風だから父さんからもみんなからも嫌われるんじゃない?
なんか自業自得だなって思うと気にしてあげる気もなくなっちゃった。
そうそう、マリールイーズの不正とかも調べようと思ったんだけど全然わかんなかった。
領地経営とか本とか読んでも分からないのに、見つけられるわけないよね、ヒントもないし。
最終的にはちゃんと罪が公になるんだから犠牲になる人たちには申し訳ないけど、しょうがない。大人の人たちに頑張ってもらおう。
そして、一番大事なアリスティド様の攻略なんだけど、ガンバったよ!
父さんと母さんに王子様に会ってみたいなって言ったら、なんとアリスティド様とマリールイーズの顔合わせの時に一緒に連れていってもらえた!
幼いアリスティド様はやっぱり素敵で、ずっとニコニコしちゃった。
なんとなくだけど、マリールイーズよりも気に入ってもらえたんじゃないかな?
それから少しずつ仲良くなれるように気に入ってもらえるように頑張った。
父さんと母さんにアリスティド様が好きになったって言ったら、簡単じゃないけど応援するって言ってもらえた。
そうだよね、元々公爵家との繋がりを作るためなんだから。婿入りもマリールイーズが修道院行きになれば、私が後継になるし問題はいずれ無くなる。
だからそれまでにアリスティド様と仲良く、できれば相思相愛にならなくちゃね。
正式な婚約者はマリールイーズだからあまりグイグイ行ったら、ラノベみたいに私の方がはしたないって言われそうだからマリールイーズが王宮に行く時何回かに1度一緒に連れていってもらった。
公爵家の家にアリスティド様が来るときは、これも何回かに1度二人のお茶会に一緒させてもらうのと、来るたびに玄関から応接間とかに行くまでおしゃべりさせてもらった。
確実に私がアリスティド様のこと好きなのは伝わってる。でも決定的なことは言わないししない。
本番は、マリールイーズとの婚約が破棄されてから。
アリスティド様とマリールイーズの婚約は契約だから、アリスティド様が悪く言われないように、でも婚約者の義妹って立場を最大限に利用して交流を重ねていった。
あとはちょっとだけ、ただでさえアリスティド様からみたマリールイーズの印象はあまりよくなかったんだけど、ほんのちょっとだけ、きついこと言われた、とか、睨まれた、とか悲しげな顔してささやいた。
嘘は言ってない、ただ全部私がそう感じたことってだけ。
少しぐらいの印象操作は恋する乙女だもん、みんなやってるよね?
ちょっとだけマリールイーズの印象を下げて、ちょっとだけ私の印象を上げる。
そもそも、これぐらいのことで悪くなる印象だったり仲ならこんなことしなくても悪化するものだと思う。
マリールイーズも悪いことだけじゃなく、私のためになってることを喜んでくれるはず!
だから
私のために踏み台になってね、おねえちゃん。
32
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)
浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。
運命のまま彼女は命を落とす。
だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。
【完結】悪役令嬢が可愛すぎる!!
佐倉穂波
ファンタジー
ある日、自分が恋愛小説のヒロインに転生していることに気がついたアイラ。
学園に入学すると、悪役令嬢であるはずのプリシラが、小説とは全く違う性格をしており、「もしかして、同姓同名の子が居るのでは?」と思ったアイラだったが…….。
三話完結。
ヒロインが悪役令嬢を「可愛い!」と萌えているだけの物語。
2023.10.15 プリシラ視点投稿。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートなんて願わなければよかった・・・
かぜかおる
ファンタジー
子供を助けてトラックに轢かれた私は気づいたら真っ白な空間に
自称神様という人から転生とそれにあたって一つ加護を与えると言われ
チートを望んで転生してみると・・・
悪役令嬢転生モノの、ザマァされる電波系ヒロインに転生してた!?
だけど、ん?思ってたんと違う!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
気が付けば悪役令嬢
karon
ファンタジー
交通事故で死んでしまった私、赤ん坊からやり直し、小学校に入学した日に乙女ゲームの悪役令嬢になっていることを自覚する。
あきらかに勘違いのヒロインとヒロインの親友役のモブと二人ヒロインの暴走を抑えようとするが、高校の卒業式の日、とんでもないどんでん返しが。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私はヒロインを辞められなかった……。
くーねるでぶる(戒め)
恋愛
私、砂川明は乙女ゲームのヒロインに転生した。どうせなら、逆ハーレムルートを攻略してやろうとするものの、この世界の常識を知れば知る程……これ、無理じゃない?
でもでも、そうも言ってられない事情もあって…。ああ、私はいったいどうすればいいの?!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる