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⑦ セシル Side ヒロイン

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バタンッドタドタドタ

バンッ!


「セシル!大丈夫か!?」

騒がしい音を立てて部屋にやってきたのは父さんだった。

「旦那様!いくらお嬢様の部屋とはいえ無断で入るのは・・・」

「黙れ!!セシルがやっと目覚めたのだぞ!
礼儀正しくなぞしておれるか!!」

「セシル大丈夫?どこか具合の悪いところはない?気持ち悪かったらすぐに言うのよ?」

後ろから母さんや執事?みたいな格好をした人などがやってきて一気に部屋が騒がしくなった。

「おお、セシル!具合はどうだ?3日も寝込んで心配した。
急に倒れたが、マリールイーズに何かされたか?
ああ、余計なことはしないように顔を合わせさせたが、やめておけば良かったな。
臆することはない、何かされたのだろうきちんと言いなさい。
おいっ、医者はまだか!?大至急連れてこい!」

父さんが無茶苦茶なことを言ってきた。

「父さん母さん、私は何もされてないし大丈夫だよ。
新しい家と新しい家族にちょっと緊張しちゃったみたい。」

「新しい家族だなんて、セシルは優しい子だ。
マリールイーズに気を遣う必要はないぞ。母親に似て何を考えているのか分からんし、全く可愛げもない。
素直で優しいセシルとは大違いだ。」

父さんの評価がなんて言うか、私に対する贔屓目がひどい。
それにマリールイーズの評価が低すぎる。ゲームと一緒といえばそうなんだけど我が父ながら極端だなあ。

ちなみに父さんとマリールイーズの母は政略結婚で、母さんと言う愛する人がいた父さんは納得しておらず関係は冷え切ったものだった。義務としてできたマリールイーズのことも父さんは嫌っているのだ。

そう考えるとマリールイーズも可哀想かも。
仲良くしてあげようかな?
うまくいったら、アリスティド様との婚約を穏便にかわってもらえるかもしれないし。

「父さん、そんなこと言わないで?
私は母さんが違うとはいえ姉妹だもの、仲良くしたいな。」

「ああ、セシルは本当にいい子だなあ。
分かった、あれにも仲良くするように伝えておこう。
だが、もし傷つけられたり何かしたらすぐに言うんだぞ。」

「うん、ありがとう。」

「そうね、家族が仲良くするのは大事だわ。
でも、その前に体を直さなくちゃね。お医者様に診てもらって今日はゆっくり休みなさい。」

「はーい。」

「さあ、旦那様、奥様、顔を見るだけという約束です。
あまり人がいてもゆっくり休めなくなりますから、部屋を出てください。」

早速執事服らしきものを着た人が父さんと母さんを追い出しにかかる。

「セシル様、医者は半刻ほどで着くそうですからもう少しお待ちください。」

そう言ったのを最後に全員が部屋から出ていった。

騒がしいのもどうかと思うけど、一人きりの部屋もちょっと寂しいなと思いながら気づいたら私は眠ってしまっていた。
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