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さよなら②
しおりを挟む「・・・サクラちゃん、ありがとう。」
「・・・。」
「一緒に遊んでくれて、休ませてくれて、私の言葉を聞いてくれて。」
「・・・いいの?」
「うーん、いいかって聞かれたら、良くはないけど・・・。
もう、ずっと逃げていられないし、見ないフリし続けることもできないや。」
「・・・本当に帰っちゃうの?」
「うん、帰るよ。」
「・・・、そっか帰っちゃうのか。」
サクラちゃんの顔に浮かぶのは、寂しげな表情。
「・・・一緒に来てくれないかな?」
「え?」
きょとんとした表情になる。
「校門を出るまででいいんだけど、帰るって断言しておきながらなんだけど、ちょっと1人じゃ寂しいんだよね。」
「・・・。」
「ダメかな?」
覗き込むように伺うと、サクラちゃんが笑顔になる。
「・・・へへ、寂しがり屋さんだね吉野お姉ちゃんは。」
「うん。それに、ちょっとだけ勇気が欲しいな。」
「うんっ!私が勇気を分けてあげるねっ!」
そう言って、サクラちゃんは私の手をとった。
そして、どちらともなく歩き出した。
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