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7、キャロラインの夢 (ローランド視点)
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きり所が微妙なので短めです。
ちなみに読み飛ばしても、大筋問題ない・・・
************
「・・・・・・うわあぁぁぁぁぁ!!はぁはぁ・・・。」
叫びながら、飛び起きた。寝衣が汗でぐっしょりと濡れて体に張り付いている。激しい動悸がなかなかおさまらず、息も乱れている。
何か、ひどい夢をみた気がする。
やっと落ち着いて周りを見ると、いつもの公爵家の私のために整えられた客間、窓の外は明るく日が真上にある頃だろう。
ぶるりと体が震える。体が冷え切っていた。
少々寝過ぎたようだ、チリンとベッドサイドに置いてある呼び鈴を鳴らす。
軽いノックがして侍従が部屋に入ってくる。
「目を覚されたのですね。お加減はいかがですか?」
侍従の物言いに若干の引っ掛かりを感じる。
「悪くはない、が少し夢見が悪くてな気分はあまり良くないな。」
「夢見ですか?」
「ああ、どんな夢をみていたのかは覚えていないのだが。あまりいい夢ではなかったようだ。叫びながら飛び起きてしまったほどにな。」
他愛のない会話をしながら朝の支度を進めていく。
「左様で、ございますか。」
「・・・どうした?元気がないな。」
幼い頃から仕えてくれている侍従だ、人目のあるところならともかく、このような二人きりの場所では普段もっと砕けていて会話も盛り上がる。
だが今日は、いまいち反応が悪い。
「ローランド様、あのパーティーからすでに4日が経っております。
ローランド様は4日間ずっと意識が戻られなかったのです。」
「・・・4日間も?パーティー・・・?」
一気に記憶が戻ってきた。視界が真っ赤に染まる、激しい動悸がして、脂汗が流れ始める。
「ローランド様!!」
私の様子の変化に侍従が慌て始める。手で、それを制し恐る恐る尋ねる。
「・・・あれは、現実だったのか?キャロは、キャロラインは?」
侍従の表情に憐れみが浮かぶ。
「パーティーで起こったこと、起こしたことは現実です。キャロラインは亡くなりました。」
「あれはっ、なぜ?どうして?」
侍従に詰め寄ってしまう、侍従に尋ねても答えなど返ってくるはずもないと頭のどこかでは分かっていたが止められなかった。
「・・・ローランド様が目を覚されたことをお伝えしてきます。おそらく、アンジェリカ様が説明にいらっしゃると思います。
最後にけじめをつけたいと仰っていましたから。」
私から目を逸らしながらそう言うと、侍従は下げるものを手に取りそのまま部屋を出て行った。
私はベッドに腰かけ、項垂れてしまった。
ちなみに読み飛ばしても、大筋問題ない・・・
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「・・・・・・うわあぁぁぁぁぁ!!はぁはぁ・・・。」
叫びながら、飛び起きた。寝衣が汗でぐっしょりと濡れて体に張り付いている。激しい動悸がなかなかおさまらず、息も乱れている。
何か、ひどい夢をみた気がする。
やっと落ち着いて周りを見ると、いつもの公爵家の私のために整えられた客間、窓の外は明るく日が真上にある頃だろう。
ぶるりと体が震える。体が冷え切っていた。
少々寝過ぎたようだ、チリンとベッドサイドに置いてある呼び鈴を鳴らす。
軽いノックがして侍従が部屋に入ってくる。
「目を覚されたのですね。お加減はいかがですか?」
侍従の物言いに若干の引っ掛かりを感じる。
「悪くはない、が少し夢見が悪くてな気分はあまり良くないな。」
「夢見ですか?」
「ああ、どんな夢をみていたのかは覚えていないのだが。あまりいい夢ではなかったようだ。叫びながら飛び起きてしまったほどにな。」
他愛のない会話をしながら朝の支度を進めていく。
「左様で、ございますか。」
「・・・どうした?元気がないな。」
幼い頃から仕えてくれている侍従だ、人目のあるところならともかく、このような二人きりの場所では普段もっと砕けていて会話も盛り上がる。
だが今日は、いまいち反応が悪い。
「ローランド様、あのパーティーからすでに4日が経っております。
ローランド様は4日間ずっと意識が戻られなかったのです。」
「・・・4日間も?パーティー・・・?」
一気に記憶が戻ってきた。視界が真っ赤に染まる、激しい動悸がして、脂汗が流れ始める。
「ローランド様!!」
私の様子の変化に侍従が慌て始める。手で、それを制し恐る恐る尋ねる。
「・・・あれは、現実だったのか?キャロは、キャロラインは?」
侍従の表情に憐れみが浮かぶ。
「パーティーで起こったこと、起こしたことは現実です。キャロラインは亡くなりました。」
「あれはっ、なぜ?どうして?」
侍従に詰め寄ってしまう、侍従に尋ねても答えなど返ってくるはずもないと頭のどこかでは分かっていたが止められなかった。
「・・・ローランド様が目を覚されたことをお伝えしてきます。おそらく、アンジェリカ様が説明にいらっしゃると思います。
最後にけじめをつけたいと仰っていましたから。」
私から目を逸らしながらそう言うと、侍従は下げるものを手に取りそのまま部屋を出て行った。
私はベッドに腰かけ、項垂れてしまった。
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