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アザーズ Side
わたくしのあたらしいせいかつ
しおりを挟む側妃となってからは思った以上に過ごしやすい日々でしたわ。
陛下も王妃様も王太子殿下もよくお気遣いくださいますし、特にマルガレータ様はわたくしたち側妃に対してもとても気を配っていらっしゃって、さすが王太子妃になられる方は違うなと思わされましたわ。
王太子殿下とマルガレータ様の様子は、あんな一件があったのだと思えないくらい仲睦まじいと言いますが目に毒と言ってもいいほどのご様子。
それなのになぜ側妃を望んだのか、いまだに分かりませんわ。
ただ、時折マルガレータ様が儚く消えてしまいそうに見えることがありますの、それが関係しているのかしら?
そう言えば、側妃として娶られたのはわたくしだけではなく、もう二人いましたの。お二人ともお話ししたことがなかったものですから、仲良くできるか不安でしたけれどここもマルガレータ様がうまく仲立ちをしてくださったおかげで良い関係を築けていますわ。
お一人は伯爵家のご令嬢のハンナマリ様、領地経営などについて男性顔負けの知識などをお持ちで早々にその能力を見込まれとある侯爵家に望まれたと有名だった方。一度お話してみたいと思っていましたが、なかなか機会に恵まれずに過ごしていましたがここで初めてきちんとお話しすることができましたわ。
とても思慮深く、自分の意見をきちんとお持ちの素敵なレディでとても憧れる方ですわ。一度そう伝えると、少し頬を赤らめて男勝りなだけです、という姿がまた可愛らしい方ですの。
もう一人のマーリト様は当初、なんといいますか、はっきり言って少々暗いお方でしたわ。話しかければきちんと答えが返ってきますし、周りの話を聞いていないということもないのですけれどもなんとも心ここにあらずと言った様子でしたの。侯爵家のご令嬢というお話でしたが、お話を聞いたことも姿を拝見することもなかったですし何かご事情がおありなのだろうと思いながら過ごしておりましたの。そんなマーリト様もマルガレータ様の一言がきっかけで立ち直られていきました。途中とても苦しんでいる時もありましたが、側妃同士だけではなく王家の皆様も寄り添い支えたお陰か、最近ではあの頃の面影もないくらい明るい方になりましたわ。逆境を乗り越えたお方はそれだけで美しく素晴らしいですわ。
そんな素敵な方々と肩を並べるのがわたくしでいいのかしらと時折落ち込むこともありますけれど、みなさんが励ましてくださるおかげですぐに元気になって過ごすことができておりますわ。
そして、あのお茶会の日を迎えましたの。
陛下が側妃を娶られる、などどいうお話にはしたなくも途中で声を荒上げてしまいましたわ。
仲睦まじくお互いにお互いを大切にしていると評判のお二人なのに、二人の仲を引き裂くようなことがあっていいわけがない!
と思ったのですが、実際のお二人の関係は噂とは大きく違っているのだと王妃様はそうおっしゃいましたわ。
その話にショックを受けたわたくしは、その後のお話がほとんど耳に入らない状態でしたわ。
そして、自室に戻ったわたくしは悩み、考え抜いて一つの結論を出しましたの。
うまくいくかは分かりませんわ、提案した時点で却下されてしまうかも知れませんの。
それでもわたくしに挑戦しないという選択肢はありませんでしたわ。
そして、わたくしは淡い期待を胸に、王妃様と話し合う約束を取り付けましたの。
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