愛を疑ってはいませんわ、でも・・・

かぜかおる

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アザーズ Side

馴れ初めなんてお粗末なもの

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「ハンナマリ!貴様との婚約を破棄する!!」

公衆の面前ではしたなくも、胡乱げな眼差しを声の発生源に向けたけど

は!?ふざけんなよ!この野郎!!

と口に出さなかっただけ偉かったと今でも思う。



元婚約者と私が婚約を結んだのは元婚約者が12歳、私が11歳の時。
この国では10歳を過ぎた頃から婚約を結ぶのでまあ、そこだけ見ると一般的な婚約と言えた。

一般的では無かったのは、私と元婚約者の相性が悪く、ザ・政略結婚だったこと。

最近の我が国の風潮として、婚約を結ぶのは子供同士の相性を見てからになっている。
政略とは言え相性の悪いもの同士を結婚させるとその後問題が発生しやすいと言われているから。
問題が起きることによる損失が大きいので、多少利益が減っても問題が起きない者同士で結婚させた方がいいという考えが主流になってる。

そんな流れに逆らうように私たちの婚約は完全な条件のみ、親同士の話し合いで結ばれた。

初めて顔を合わせたのは婚約が結ばれた後。
どこかのお茶会か何かですれ違ったことがあったかもしれないけれど、特に交流を持っていたわけでは無かったので初めてしっかりと顔を見た。

特に嫌悪感を抱くよう顔でも無いし、この人と結婚するのかぁと思った。
元婚約者がこっちを見た時、一瞬顔が歪んだ気がしたけれど、一瞬だったし気のせいかとその場では思った。
けれどそれが気のせいでは無いとわかるのは、婚約者として交流を始めてすぐだった。

まあでも、別に嫌がらせをされたわけではなく、ただただ私への態度が冷たいだけ。
外面がいい内弁慶なのかなと思った時もあったけれど、義両親や周りの人間に確認してもそうでは無い様子。

察するのも面倒なのでとっとと本人に突撃して、追求すれば、どうやら私が生意気だと考えていて好みでは無いとはっきりと言われた。

私は昔から兄に引っ付いて領地経営みたいなことを学んでいた。一方元婚約者は本を読むと眠くなるタイプ。
まあ、つまり、そう言った方面を私は期待されていたのだ。実際に顔合わせをしてから義父にはそう言った勉強や付き合いに同行させられるようになった。

そんなところが生意気、と。

それに加えて、どうやら元婚約者の好みはフワフワした女性らしいタイプで男を煽てて立てるような子が良かったらしい。


それを聞いた私はショックを受け、元婚約者の機嫌を取るようになった。









なんてことはなく、知ったことか、勝手にやってろ!

って感じ。

文句があるなら親を言い負かせるくらいに学べヤァ!!

だよね。

元々兄に引っ付いて回るだけあって女性らしさというのに興味はなかったし、自分の能力を発揮できる場があれば良かった。
元婚約者も態度が冷たくはあったけど、婚約者として最低限の振舞いとかはしてたから問題無し。

なんなら、最低限の態度だけ続けてそのうち好みの愛人でも作って子作り含めてよろしくやってくれればありがたいなぁくらいに思ってた。


今考えると、それでも歩み寄る努力はすべきだったなぁと思うけど、そんなことを考えられるほど大人ではなかった私たちはそっちがその気ならといった具合に最低限の交流、最低限の態度で接していた。


************

始まりかたがこんなんですが、このあと断罪シーンはありません。
期待された方はごめんなさいm(_ _)mスマン

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