精霊のキミと…僕は？

観察

何があったんだ？アイツ

アイツは
おかしくなってしまったのかもしれない。

いや、こんな所にずっとやってくるくらいだから
変なのは変わらないけど、
更におかしくなっている気がする。

心臓に悪いからやめて欲しい。

というのも、アイツと目が合ったか？と
思ったあの日から少しずつ
"いつも"と変わっていたからだ。


例えば、朝と夜を何度か繰り返すと
同じように僕を見てきていたように感じたり、

見てきたかと思えば何度か口を開きかけて、
無言のまま座り込んだり

雨が降れば濡れていたはずのアイツは、
濡れているのかわからない程度しか雨にあたっていなかったり…


変だろ！？

やっぱりアイツ、どっかおかしくなったんだよ。
そもそもなんでここにくるのかもわからない
不審なやつだ！

そんなヤツが更に不審になるんだ。
そういう風に感じたって
何も不思議じゃないだろう。

…アイツに何が起きてるんだ？




ハッ

また僕はあんなヤツのことを
考えてしまっていた…！

少し前に、アイツがどうであろうとなんであろうと
僕には関係ないと思い直していたというのに。


それもこれも、全部アイツの習慣のせいだ！

よし、今度来たら一言文句を付けてやろう。
どうせ僕の姿も声も見えないし聞こえないんだ。
何も問題はないだろう。

アイツは必ずこの木の根元に座るし、
僕の届かない距離じゃない。

こんな好条件が揃っていて、実行しないなんて
勿体無い！

さっさと来やがれ！変なヤツ！