異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

現れたのは

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俺はずっと索敵魔法を出したままにしていたので、その魔物がどの方向から来るのかは分かっていた。

だからその方向をじっと見ていると、こちらに姿を見せる直前で魔物たちは移動をやめ、息を潜めている。

俺が緊張しながら一方向を見据えているからか、ライトさんは俺の見ている方を警戒しながらそばに寄ってきた。

「……なあ、あの方向からやってきているのか?」

ライトさんはとても小さな声で俺の耳元で囁く。

それに対して俺は頷いた。

敵対者が来たのか、それともセバスのような魔物が来たのか……。

俺がどちらの判断も出来ずにいると、急に魔物のほうに動きがあった。1頭以外が散開して囲みだしたのだ。

ライトさんも魔物が動いた時の音で囲まれ出したのに気づいたらしい。

「やばいぞっ!シエル、背中合わせで行くぞ!」

俺はライトさんの言葉に合意をすると、動かなかった1頭の方から目を離さないようにしつつ、ライトさんと背中を合わせる。

これならどこから来ても対処ができるからね。

すると相手の仲間が俺たちを囲み終わったのを合図に、動かなかった1頭がこちらに来るのが索敵魔法で分かった。


現れたのはやはりスノービークを襲ったような魔物だった。

あの時会話ができたのは馬頭の魔物のみ。

こちらに歩いてきたのは1つ目の頭に1つの角が生えている巨人だった。

「……こちらの言葉が理解できるなら、そこで止まれ!」

ライトさんがダメ元でそう叫ぶ。

魔物はライトさんの言う通り、その場で立ち止まった。

どうやら、やはり人の言葉を理解しているようだ。

「お前は何者だ?どこから来た?この森にはお前のような魔物はいないはずだ!」

ライトさんのその言葉に、1つ目の巨人は軽く笑った。

「なるほど、貴様はこの森に住まうエルフだな?」

「……それがどうかしたのか?」

「ならば貴様には用はない。我らが用があるのは、そこにいる銀髪の子供だ。」

1つ目の巨人はそう言うと、俺に向かって指を指した。

えっ、俺?

また、俺なの!?

俺が唖然として1つ目の巨人を見ると、そいつは真顔で俺を見た。

「貴様に用があるというのはだな、我らの国へ来てテネブル様の代わりに『神』をやってもらいたいのだ。もちろん、それは貴様と一緒にいる竜も、だ。我らは知っているのだ、貴様と竜が新しく誕生した神竜とそのパートナーであることを。で、あればテネブル様と同等……いや、それ以上の存在のはずだ。今の神聖法国には求心力となる『神』がおらん。このままでは国が崩壊してしまう恐れがある。貴様や神竜であれば見た目からも神々しい存在なのだから上手くやっていけるはずだ。どうだ、悪い話ではないと思わぬか?貴様はただ存在しているだけで人から敬われ、崇められるのだ。気分は良いぞ?」

1つ目の巨人はそんな事を言って俺を神聖法国へと誘った。

「……行くわけないじゃないか。そんなものに興味はないし、それに創造神は新しい神をあの国に遣わす予定だと聞いたぞ?それなのに俺がなってどうする?意味がない。」

すると1つ目の巨人は顔を顰め、嫌そうな顔をする。

「その『新しい神』とやらは我らと組むことはまずないだろう。逆に排除されてしまう。だが貴様ならまた話は違ってくる。」

「どういうことだ?」

俺が訝しげな顔でそう聞くと、ニヤニヤしながらさらに近づいてきた。

「……貴様なら魔法で操ることも可能だろうからなぁ。なにせ、周りを囲まれているっていうのに警戒もあまりせずにそうやって話しているくらいだ。甘いなぁ?」

1つ目の巨人がそういった瞬間、散開していた魔物たちから魔法が放たれた。

それは一直線に俺に向かって飛んでくる。

俺は側にいたライトさんを突き飛ばし、刀を抜く。

抜いた瞬間に刀に強めに魔力を流してコーティングをし、飛んできた魔法を次々に一刀両断していった。

最後の魔法を切って霧散させると、1つ目の巨人を見る。

奴は唖然とした顔で俺を見ていた。

「……まさか全ての魔法を切って霧散させるとは思わなかったぞ。思ったより手強いな。傷つけずに、というのは諦めたほうが良いようだ。」

「まぁ、お前達の神と戦ったくらいだからな。弱いと思わないほうが良い。」

俺はそう言うとライトさんに強力な結界を張る。

これでライトさんは安全だ。俺も遠慮なく戦える。

改めて刀に魔力を流してさらに刀を強化すると、1つ目の巨人に向かって構える。

相手はなにやら魔法を練っているようなので、そんな暇なんて与えてやるつもりはない。

相手が棒立ちの状態なので遠慮なく一気に近づき、首を狙う。

さすがに相手も対処のために魔法は中断しで避けつつ、武器を持った。

見た目からして棍棒かな?と思ったが、そこはやはり剣を使うようだ。

俺達はかなりの速さで剣の応酬をする。

だが徐々に相手のほうが押されてきたようだ。


その時、ライトさんの結界の方から爆発音がした。

そしてこちらにも魔法が飛んでくる。

俺は1つ目の巨人への攻撃の合間に魔法への対処もすることになって、一気にやることが増えてしまった。

なるほど、散開した魔物が攻撃を開始したわけだ。

とりあえずライトさんの方は結界があるから何とかなるとして、俺の方が少し不利になったな……。

暫くその状態で拮抗していると、急に周りからの魔法の数が減ってきた。


一体どうしたんだろう……?
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