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第4章 ネシア国〜
ドラゴンの祝福
しおりを挟むするとそんな2人を黙って見ていた他のメンバーが、拍手をしながら祝いの言葉をかけていった。
「なんだ、その指輪、エミリーにあげるものだったのかい?珍しく僕に作成を頼むから、何に使うのかと思っていたよ。でも……おめでとう、2人とも!」
「そうでんなぁ!こらぁ、めでたいわ~!」
「そうね!これは私達もお祝いしないと!」
「そうだね!じゃあ……?」
「……『あれ』をやるか?」
……えっ、何を!?
ルーシェさんの話の後に急にドラゴンチームが何かをやろうと話しだしたので、嫌な予感がした。
すると4人は皆から離れて距離を取り、急に4人同時に人化を解いて竜へと変わる。
そして4人で上空へと向かって吼えた。
突然会場に竜が4匹も現れたので、観客席は悲鳴やら何やらでパニック状態に。
アナウンスで「落ち着いてください!避難はゆっくりと係員の指示に従ってください!」と言われたので、事故は今のところ起きていないみたい。
その時、一体どんな魔法を使ったのか分からないが、突然上空から小粒の綺麗な宝石みたいなものが降り注ぐ。
その宝石が陽の光を反射して空から落ちてくる様は、まるで大きなダイヤモンドダストのようだ。
「綺麗ね……。」
「ああ。」
スコットさん達2人は抱きしめ合いながらその光景を見ている。……俺はユーリを抱っこして見ている。
「あぁ……なんて綺麗な光景なんでしょうか……。突然舞台上の4人が4匹のドラゴンに変化したと思ったら、上空から綺麗な宝石が降ってきています!」
どうやらアナウンス係の人は驚きはしたが、逃げ出すようなことはしなかったようだ。流石、プロだね!
俺は地面に落ちる前の、宝石のような物を手に掴みつつ集めてみた。
俺はその1つを指に摘んで日にかざしてみる。
うん、凄い透明感のあるダイヤみたいな感じだなぁ。
ユーリも気に入ったようで、その綺麗なものをいっぱい集めていたよ。
そしてふと、足元を見た。
すると、そこには天から降っている物は何も転がっていなかった。
「……えっ!?何で???」
俺の声で皆こちらを見た。
そして同じく床を見る。
みんなも何も落ちてないことに驚いている。
そこへ一仕事をした後のような顔で、また人化した4人が寄ってきた。
その頃にはもうその現象は終わっていた。
「何や、どうしたん?」
「いや、天からキラキラしたものが落ちていたでしょ?でも下を見たら何もなくて。」
「ああ、それはやな、人が手に持ったりしていたものは残るんやけど、床や地面に触れたものは即座に消えるんや。」
「そうじゃなかったらものすごく地面に溜まるものね。」
「そうそう!これは4属性竜の長達が揃って祝福を与える時にのみ使える魔法なんだよ!」
「我々もこの歳になって初めて使った魔法だ。」
そんな貴重な魔法なんだ!良かったね、兄さん達!
そう思いながら俺は、2人に笑顔を向ける。
……あれ?
ところでこの手に残っているこれ、一体何なの?宝石なの?
俺は疑問に思ってアースさんに聞いてみると、どうやら魔石の一種らしく、集めたものを強力な魔法使いに頼んで魔道具に加工してもらえば強力なお守りになるそうだ。
それを聞いて、俺とユーリはニンマリとする。
だって俺と抱っこしているユーリの間の隙間には、それこそものすごい大量の『それ』が落ちて溜まっていたからだ。
俺たちは積極的に集めたので、相当な数を確保できた。
どうやらその現象は他のメンバーにもあったらしく、スコットさん達の間にも少しは溜まっていたようだ。
これは是非とも魔道具に加工しなきゃね!
これだけあれば皆に配れるほど作れるかな?
俺はワクワクしながらルーシェさんを見た。
すると彼は不思議そうな顔で俺を見返し、小首を傾げて話しかけてきた。
「あれ?もしかしてそれの加工を僕に頼もうと思っている?」
「ええ、そのつもりでしたが……?」
「でも加工なんてそんな難しくないし、教えてあげるから自分でやってみたらどうかな?魔石の加工は魔力量勝負、みたいな所あるからさ。」
ルーシェさんはそう言ってウインクをしてくる。
なるほど、俺が加工か……。
難しくないならやってみても良いかも?
俺は頷くとルーシェさんに後で加工の仕方を教えてもらえるように約束を取り付けた。
「どうやら彼らの催し物は終了したようですので、皆さんも退場しましょう!今大会は、とても素晴らしい、記憶に残る大会になりました!最後に、残っている観客で両選手に盛大な拍手を!!!」
そうアナウンスが流れると、観客席にまだ残っていた人達からは考えられないほど大きな拍手が沸き起こった。
最初はどうなる事かと不安がいっぱいだったけど、終わってみればとても思い出深い大会だったなと思う。
参加した俺たちも、観戦していた皆も、凄い楽しめた大会だった。
もし……そう、またいつか、皆で大会に出場できたら良いね!
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