異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第4章 ネシア国〜

宿屋、凄いね!

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皆がそれぞれ各自の部屋に荷物を置きに行き、中央のソファーに全員集まった。

「すげぇな、この宿!この人数で割ると、大体2食付銀貨4、5枚ってところだが、設備が凄く良いな!まるで『シエルのいた国』の高級宿屋みたいだぞ!」

集まってすぐに、リッキーがそんな事を言う。

どうやらお風呂やトイレを見てきたようで、凄く興奮していた。……そんな凄いの?後で見てみなきゃ!

「部屋の内装もシックで落ち着くし、この宿は『当たり』だな。紹介してくれた受付の女性には感謝しなきゃ。」

「そうね、明日も会えるだろうし、その時にお礼を言いましょう?」

俺達は日本の記憶があるから使い方などはわかるが、竜の長たちは使い方分かるんだろうか?

ふとそれに気づいてグリーさんたちを見たが首をひねって顎に手を当てているのを見るに、流石のグリーさんでもちょっとよく分からなかったようだ。

「皆さんシャワーやお風呂、トイレ、ベッドなんかの使い方は分かりました?」

「それがやな、まぁベッドはなんとなく寝る場所やというんは分かったんや。けど、他の設備の使い方がよう分からんのや。教えてんか~?」

「分かりました、では一緒に行きますか?」

そう言って俺は竜の4人を連れてまずは個別の部屋に行く。


中に入ると電気の付け方、ベッドの使い方などなど、それぞれの使い方を細かく教えていった。

みんな意外と物覚えが良く、1度で使えるようになったので次はお風呂の方に向かう。


お風呂は俺もさっき見に行ってなかったから驚いた!
お風呂の湯船がめっちゃ広い!

リッキーのところまでとはいわないが、それでも老舗旅館の内風呂並みに大きい。

これは男女別々だが、それぞれ集団で入れるかな?

とりあえずお風呂の入り方は後で一緒に入った時に教えるとして、シャワーの出し方なんかを教えておいた。



最後にトイレを見たが、ここはあまり他の地域と変わらない感じなので、使い方だけ簡単に教えておいた。

日本のとは違うから流石にウォシュレットは無いので、使い方は単純である。


一通り説明を終えるとまたリビング?のところに戻ってきた。

するとリッキーたちはいつの間にか紅茶を飲んでいたのだが、どうやらセバスが用意をしたようだ。

俺たちがソファーに座ると、すかさずカップを用意して紅茶を淹れてくれたよ!ありがとう、セバス!

みんなして紅茶を飲んで一息入れると、おもむろにレッカさんが俺達3人に聞いてきた。

「さっき私たちと別れてからどんな説明があったの?」

「みんなと別れてから明日の試合に出場する選手が集まっているところに行って、試合のルール説明、禁止事項、そして対戦のくじ引きをしていたんだ。」

「なるほど~、せやから遅かったんやな?ただの説明にしてはえらい時間かかりよるなぁ~と思ってましたんや。」

「で、明日はどこまで出るんだ?」

「日数的にも、明日はAグループの試合だけかな?2グループに分かれて優勝者を出し、その優勝者同士で最終決戦をするようですよ。」

俺はそうアースさんに答える。

するとそれを引き継ぐようにリッキーが話し出した。

「で、Aグループには俺とシエルが選ばれたんだが……まぁ俺は2番だったから1番最初の試合だ。シエルは16番だったから最終試合になる。……で、問題は昨日帰りに突っかかってきたクーガーって奴は8番だったから、今回俺が勝ち進むと次で当たるわけだ。シエルとは俺を倒してからの最終戦で当たることになる。」

そこで一旦リッキーは言葉を切って、周りを見渡した。

「まぁここにいる奴は信用できるのと、仲間はみんな知っているから話すが……俺は読もうと思えば人の心や感情が読めるんだ。その事を踏まえてなんだが、今日クーガーを見たら何でか昨日よりどす黒い感情を心に抱いていてな。一体何があったんだろうな?」

そっか、あの時険しい顔してクーガーを見ていたのはそういう事だったのか……。

それ、ホントに何があったんだろうね?

「……それ、もしかして例の国から連れ帰った連中からなんか聞かされたんとちゃいます?」

グリーさんが珍しく険しい顔してそんな事を言った。

あり得るよね、もしクーガーさんのお兄さんも捕まっていたなんて情報がもたらされたんだとしたら……。

俺の中で嫌な予想が駆け巡った。


するとリッキーが急に俺をギュッと抱きしめた。

みんなはそんな俺たちを見てびっくりした顔をしている。

リッキーは抱きしめた後、体を離して「大丈夫か?」と声をかけてきた。

「安心しろ、そっちの予想は違うはずだ。言いたくはなかったが……奴が考えていたのは『どこまでやれば反則負けになるのか』だ。つまり、あの試合にかこつけて俺たちに危害を加えるって事を考えていたわけだ。どんだけ『人族』が嫌いなんだ?奴はそのことばかり考えてやがる。」

……それ、よっぽどだよね。

お兄さん関係の情報でそうなったわけじゃないなら、やっぱりなんか過去にあったんだよ、きっと。


困ったねぇ……クーガーがどのくらい強いのかわからないのに、こっちを害することばかり考えているなんて。


明日からの試合に、一抹の不安を抱いた俺だった。
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