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第3章 スノービーク〜
武器を受け取りに行こう!
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年越しの日から数日が経ち、街もすっかり冬景色へと変わってしまった。
どうやら今年は暖冬予報らしく、あまり雪が積もらないようだ。
俺たちスノーホワイトは年も越した事で、ゴーダさんの所へ武器を受け取りに向かうことにした。
今は、リッキーの家にある俺の部屋にみんなが集まっている。
「この数日、なんかお正月らしくない日々だったな!まぁ、こっちは年越しは祝うけど、年越し後は日常に戻るから違和感あるのは俺らだけなんだけどな。」
「そうよね、お餅やあんこなんてこっちには無いものね。」
それを聞いたリッキーは俺に目線をよこす。
そして俺は目を逸らした。
それに気づいたリリーさんはそれの意味に気づいたようだ。
「……もしかしてシエル、お餅やあんこを持ってるんじゃないの?」
「……うん。」
……俺は昔から姉さんには嘘や誤魔化しが出来ない。
何でなのかはわかんないけど、出来ないのだ。
「え~っ!ひっど~い!私、お正月っていったらお餅とあんこが欠かせないの知ってるじゃない!分けてくれても良いと思うの!」
「ごめん、でも姉さんだけお餅食べてたら不審がられると思ってさ。」
「……こっそりと食べるわよ、シエルに作ってもらって。」
まったぁ~!
そう言うと思ったから、教えたくなかったのにぃ~!
ひどいよ、リッキー!
「まぁ……今度作ってやれよ、シエル?」
甘いな、リッキーは姉さんに甘い!
知ってるだろ、姉さんってお餅とあんこ、めちゃくちゃ食べるの!そんなに在庫ないよ!
「じゃあ、あっちの俺に頼めばいいじゃん?」
「今は山田もまだ正月休みだろ?頼みづらいよ。」
「だからだよ。暇なんだって、あっちの俺。」
……そうまで言うなら、しょうがない。後で頼むか。
「話は終わったのか?ほら、早くゴーダおじさんの所に武器を受け取りに行くぞ。」
「楽しみだわ。私の武器、どうなったかしら?」
「私のも、もっと殴りやすくなったかしら?」
……リリーさん、あれは殴る用じゃない気がする。
とりあえず俺達は、直接ゴーダさんの店に転移することにした。
ゴーダさんの店の中に直接転移すると、カウンターでうとうとしていたゴーダさんが驚いて飛び起きた。
「なんだ!?何があった!?」
「ごめん、おっちゃん。俺達だよ!凄い驚かせたよな。」
リッキーがゴーダさんに謝ると、辺りを見回していたゴーダさんはみんなの顔を見て安心したような、嬉しそうな顔をした。
「おう、リキ坊達か!この前は坊主が1人で来たから、皆の無事な顔を見たかったんだよ。あんなに武器が傷んでいたから心配したが、本当に何ともないようで安心したぞ。」
「そんなに傷んでいたのか?使っているときは夢中だったからよく分からなかったんだけど。」
「確かに、命がけだったからな。武器に構っている暇なんてなかったよ。」
「そうか……そんなにひどい戦闘だったんだな。よくぞ無事でいてくれた。頑張ったな、お前ら。」
リッキーとスコットさんの話を聞いたゴーダさんは、涙ぐみながらそう褒めてくれた。
そうだよね、あれだけの魔物を討伐する、そんな時に『負けてしまう』なんて思っていたらまず生き残れない。
全ての力を出し切る勢いでやらないと、周りの力を信じて『絶対に生き残る!』と信じないと、あの討伐では生き残れなかっただろう。
それをちゃんと理解してくれる人がいるのは嬉しいね。
「じゃあ早速だがみんなに武器を返すぞ。名前呼んだら取りに来いよ?」
涙を拭いたゴーダさんはそう言って、奥の部屋に取りに行った。
その姿をなんとはなしに眺めていると、リッキーが俺に不思議そうな顔で聞いてきた。
「シエルは武器預けなかったのか?」
「ああ、俺は刀に強い魔力コーティングを施していたから刀には何も影響はなかったそうだよ。皆もできると良いよね?スノービークにいる時に練習する?」
「そうだな……俺は少なくても練習するかな。スコットはどうする?魔法は使えなくても、多少魔力はあるんだろ?」
「まぁな、少しはあるよ。でもそれをやったせいで魔力が枯渇するようじゃ意味がないから、俺はパスかな。」
「なるほど、それは一理あるな。」
そんな話をしている間にゴーダさんがまたカウンターに戻ってきていた。
スコットさん、エミリーさん、リッキーさん、リリーさんの順で呼ばれ、各々の武器を受け取る。
今までの武器とそんなに変わったところはないが、何故かみんな揃って少し驚いた顔をしていた。
……何かあるのかな?
「じゃあ店の裏手に行って試し切りをするからついてこいよ!」
そう言われて、裏手へとみんなで向かった。
裏手に行くと、相変わらず藁で作られた棒があちこちにある。
それをそれぞれ1人に一つ振り分け、試し切りをさせた。
みんなの使い方を見て、ゴーダさんは1つ頷く。
「やっぱりな!そんな癖で武器を使っていると思ったぞ。どうだ、使い心地は?」
ゴーダさんに聞かれて、みんな嬉しそうに頷いた。
どうやら、今までとは違ってしっくりくるように作り直してあるらしい。
「なら良かった。また傷んだらすぐ持ってこいよ?」
「分かってるよ、おっちゃん。また傷んだら持ってくるさ!」
「おうよ!もし自分の癖にまた合わなくなった時も持ってこいよ?」
それから俺たちはゴーダさんに代金を払い、今日の宿である、いつもの宿へと向かった。
宿屋の入り口を中へと入ると、これまたカウンターにいた女将さんが驚きつつも嬉しそうに迎えてくれた。
「いらっしゃい!今日はみんな一緒なんだね?シエルくん以外のメンバーも無事で良かったよ。」
「心配かけてすみません。みんな揃って無事に戻りました。……っていっても、今夜だけ泊まったら、またスノービークに戻るんですが。また旅の途中で、こうやって寄らせてもらいますね。」
「ああ、前と違ってシエルくんがいるからすぐ来れるしね。今夜は腕によりをかけて旦那に作ってもらうから、楽しみにしておいでよ?部屋は3部屋で良いかね?」
「はい、それでお願いします!今夜はよろしくお願いします!」
それから俺たちは部屋へと向かう。
……さすがに『元夫婦』での部屋割りはせずに、今まで通りにスコットさんとリッキー、エミリーさんとリリーさん、そして俺達3人の部屋割りになった。
やっぱりそこは、結婚してからだよね!
その晩は宿の食堂で美味しい料理を食べ、お風呂ではユーリも人型だから一緒に入って楽しく過ごし、とても楽しい一夜になった。
どうやら今年は暖冬予報らしく、あまり雪が積もらないようだ。
俺たちスノーホワイトは年も越した事で、ゴーダさんの所へ武器を受け取りに向かうことにした。
今は、リッキーの家にある俺の部屋にみんなが集まっている。
「この数日、なんかお正月らしくない日々だったな!まぁ、こっちは年越しは祝うけど、年越し後は日常に戻るから違和感あるのは俺らだけなんだけどな。」
「そうよね、お餅やあんこなんてこっちには無いものね。」
それを聞いたリッキーは俺に目線をよこす。
そして俺は目を逸らした。
それに気づいたリリーさんはそれの意味に気づいたようだ。
「……もしかしてシエル、お餅やあんこを持ってるんじゃないの?」
「……うん。」
……俺は昔から姉さんには嘘や誤魔化しが出来ない。
何でなのかはわかんないけど、出来ないのだ。
「え~っ!ひっど~い!私、お正月っていったらお餅とあんこが欠かせないの知ってるじゃない!分けてくれても良いと思うの!」
「ごめん、でも姉さんだけお餅食べてたら不審がられると思ってさ。」
「……こっそりと食べるわよ、シエルに作ってもらって。」
まったぁ~!
そう言うと思ったから、教えたくなかったのにぃ~!
ひどいよ、リッキー!
「まぁ……今度作ってやれよ、シエル?」
甘いな、リッキーは姉さんに甘い!
知ってるだろ、姉さんってお餅とあんこ、めちゃくちゃ食べるの!そんなに在庫ないよ!
「じゃあ、あっちの俺に頼めばいいじゃん?」
「今は山田もまだ正月休みだろ?頼みづらいよ。」
「だからだよ。暇なんだって、あっちの俺。」
……そうまで言うなら、しょうがない。後で頼むか。
「話は終わったのか?ほら、早くゴーダおじさんの所に武器を受け取りに行くぞ。」
「楽しみだわ。私の武器、どうなったかしら?」
「私のも、もっと殴りやすくなったかしら?」
……リリーさん、あれは殴る用じゃない気がする。
とりあえず俺達は、直接ゴーダさんの店に転移することにした。
ゴーダさんの店の中に直接転移すると、カウンターでうとうとしていたゴーダさんが驚いて飛び起きた。
「なんだ!?何があった!?」
「ごめん、おっちゃん。俺達だよ!凄い驚かせたよな。」
リッキーがゴーダさんに謝ると、辺りを見回していたゴーダさんはみんなの顔を見て安心したような、嬉しそうな顔をした。
「おう、リキ坊達か!この前は坊主が1人で来たから、皆の無事な顔を見たかったんだよ。あんなに武器が傷んでいたから心配したが、本当に何ともないようで安心したぞ。」
「そんなに傷んでいたのか?使っているときは夢中だったからよく分からなかったんだけど。」
「確かに、命がけだったからな。武器に構っている暇なんてなかったよ。」
「そうか……そんなにひどい戦闘だったんだな。よくぞ無事でいてくれた。頑張ったな、お前ら。」
リッキーとスコットさんの話を聞いたゴーダさんは、涙ぐみながらそう褒めてくれた。
そうだよね、あれだけの魔物を討伐する、そんな時に『負けてしまう』なんて思っていたらまず生き残れない。
全ての力を出し切る勢いでやらないと、周りの力を信じて『絶対に生き残る!』と信じないと、あの討伐では生き残れなかっただろう。
それをちゃんと理解してくれる人がいるのは嬉しいね。
「じゃあ早速だがみんなに武器を返すぞ。名前呼んだら取りに来いよ?」
涙を拭いたゴーダさんはそう言って、奥の部屋に取りに行った。
その姿をなんとはなしに眺めていると、リッキーが俺に不思議そうな顔で聞いてきた。
「シエルは武器預けなかったのか?」
「ああ、俺は刀に強い魔力コーティングを施していたから刀には何も影響はなかったそうだよ。皆もできると良いよね?スノービークにいる時に練習する?」
「そうだな……俺は少なくても練習するかな。スコットはどうする?魔法は使えなくても、多少魔力はあるんだろ?」
「まぁな、少しはあるよ。でもそれをやったせいで魔力が枯渇するようじゃ意味がないから、俺はパスかな。」
「なるほど、それは一理あるな。」
そんな話をしている間にゴーダさんがまたカウンターに戻ってきていた。
スコットさん、エミリーさん、リッキーさん、リリーさんの順で呼ばれ、各々の武器を受け取る。
今までの武器とそんなに変わったところはないが、何故かみんな揃って少し驚いた顔をしていた。
……何かあるのかな?
「じゃあ店の裏手に行って試し切りをするからついてこいよ!」
そう言われて、裏手へとみんなで向かった。
裏手に行くと、相変わらず藁で作られた棒があちこちにある。
それをそれぞれ1人に一つ振り分け、試し切りをさせた。
みんなの使い方を見て、ゴーダさんは1つ頷く。
「やっぱりな!そんな癖で武器を使っていると思ったぞ。どうだ、使い心地は?」
ゴーダさんに聞かれて、みんな嬉しそうに頷いた。
どうやら、今までとは違ってしっくりくるように作り直してあるらしい。
「なら良かった。また傷んだらすぐ持ってこいよ?」
「分かってるよ、おっちゃん。また傷んだら持ってくるさ!」
「おうよ!もし自分の癖にまた合わなくなった時も持ってこいよ?」
それから俺たちはゴーダさんに代金を払い、今日の宿である、いつもの宿へと向かった。
宿屋の入り口を中へと入ると、これまたカウンターにいた女将さんが驚きつつも嬉しそうに迎えてくれた。
「いらっしゃい!今日はみんな一緒なんだね?シエルくん以外のメンバーも無事で良かったよ。」
「心配かけてすみません。みんな揃って無事に戻りました。……っていっても、今夜だけ泊まったら、またスノービークに戻るんですが。また旅の途中で、こうやって寄らせてもらいますね。」
「ああ、前と違ってシエルくんがいるからすぐ来れるしね。今夜は腕によりをかけて旦那に作ってもらうから、楽しみにしておいでよ?部屋は3部屋で良いかね?」
「はい、それでお願いします!今夜はよろしくお願いします!」
それから俺たちは部屋へと向かう。
……さすがに『元夫婦』での部屋割りはせずに、今まで通りにスコットさんとリッキー、エミリーさんとリリーさん、そして俺達3人の部屋割りになった。
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