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第3章 スノービーク〜
ともかく報告だ(ヘイス視点)
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その日、私はくだらない夕食会に出席しなければならない事にうんざりしていた。
だが、いつもは参加しない夕食会も、甥のリッキーが一時的に帰ってきたとなれば参加しないわけにもいかなかった。
なので、どうせならもう2度とこの街に帰って来る気にならないようにしろとしっかりと息子たちに言ってある。
街の皆を使えばどうとでもなるだろう。
それに息子たちが次期領主の座につけば、この街は飛び地とはなるが、神聖法国に捧げる予定になっている。
私は早いこと兄に領主の座を明け渡してもらえるようにいろいろ画策してはいるのだが……それがなかなか上手くいかない。
時間より少し前に夕食会の席に着くと、暫くしてリッキーが友人とやらを連れてやってきた。
私はその者達をひと目見て、私の崇拝している神聖法国の神、テネブル様が探している者ではないかと思った。
テネブル様は『私の予想では銀髪の男の姿をしているはずだ。その者がそなたの前に現れたら、この国へ連れてくるのだ。できることなら穏便に、な。』と私に命じられた。
まぁ……銀髪は珍しいものではあるが他国ではいるかもしれないので、彼らがお探しの人物とは限らないのだが……その時の私は「彼らがそうだ」と感じたのだ。
とりあえず兄の方に出身を聞いてみたのだが……お探しの人物なのかの判断がつかなかった。
なので他にも探りを入れるか、それとも私直々に「彼の国へ連れて行くから一緒に来ないか」と誘うかで悩んだが、結局は後者を私は選んだ。
疑わしい人物は2人。
どちらも子供ではあるが、どちらも連れていけば問題はあるまい。
早速私は2人に神聖法国へ一緒に行かないかと誘う。
兄のウォールにはリッキーの冒険者グループのメンバーだからと反対をされたが、本人が行くと言えば問題なかろう。
平民なんだから、私に頭を下げることはあっても逆らうことはないだろうし、行くことは確定だな。
そう思っていたのだが、しかしシエルとやらは私の予想に反して神聖法国行きを断ってきたのだ。
兄の前では穏やかな人物を演じている私でも、これは頭にきた。
なんで平民が私に対して否と言えるのか。平民が、だぞ!?
頭に血が上った状態でおもわずそれを奴らに向かって叫ぶ。
するとそれに対して兄さんが口を挟んできた。
しまった、ついうっかり兄さんの前で本性を出してしまった。
とりあえず私は誤魔化して席を立つことにした。
帰り際に奴をチラッと見ると、奴もこちらを見ていた。
その顔を見ると先ほどの怒りが湧き上がってきたので、慌てて目をそらす。
奴が神聖法国へと行った後にどうなるかは分からんが、平民のくせに私に逆らったのだから酷い目に遭えばいい。
そう思うことで溜飲を下げる。
私は自分の部屋へと戻ると、早速テネブル様へ連絡を入れるための魔道具を取り出した。
その魔道具を起動してしばらく待つと、魔道具からテネブル様の声が。
『なんかあったのか?そなたからの連絡は珍しい。』
私は先ほどの怒りを抑え込め、落ち着いた声を出す。
「ええ、先程私の甥が久しぶりに街へ帰ってきたということで食事会がありまして。その場に行ったところ、テネブル様がお探しの人物らしき者が2名ほどおりましたのでご連絡を、と。」
『……なるほど、銀髪の人物が2人も、とな?』
「はい。片方はそろそろ成人する年齢で、もう片方はまだ幼児でございます。2人に神聖法国へ行くということを伝えると拒否をされまして。どうしたら穏便にそちらへ連れていけるか考え中でございます。」
私はありのままに伝えた。
すると魔道具の向こうから『ふむ……。』と唸るテネブル様の声が聞こえた。
暫くしてテネブル様から『追って、またこちらから連絡をやるのでこのまま起動しておけ』と言われて連絡が途絶えた。
向こうの方で少し方法を考えるのだろう。
私は時間を潰すのに食後のお茶を飲むことにして、メイドに持ってくるよう命じた。
程なくして用意されたお茶を飲んていると、魔道具からテネブル様の声が聞こえた。
『ヘイスはおるか?』
「はい、ここに。」
『その者たちをこちらへ連れてくる手段だが、睡眠薬などはたぶん効かぬゆえ、何かしら考えなければならぬ。しばらくその者たちの弱点を探るがよい。それを使って連れてくるのだ。』
「なるほど、弱点を探ればよろしいのですね?了解いたしました。」
『……最終手段としてではあるが、そなたに1つの魔道具を渡しておこう。』
テネブル様がそう言うと、私の目の前に小さな光が現れた。
私がその光に手を差し伸べると、それは光をなくし、私の手の上に落ちてきた。
見た目は丸い、手のひらに乗るほどの小さな黒い球だった。
「これは何ですか?」
『それはいざという時に使うとよい。そうさなぁ……使う時はそなたの魔力をたっぷりと注ぐのだ。そうすれば起動する。今はそれだけ覚えておけばよい。』
なんだか良く分からなかったが、テネブル様がそう言うのなら今はそれだけ覚えておけば良いのだろう。
私はテネブル様の『肌身放さず、常に持っておれ。』という言葉の通りに常に持つことにした。
そうして私はテネブル様と連絡を一旦切った。
また何か分かったら連絡することを約束したのだ。
明日からは息子たちにも、リッキーへの嫌がらせと一緒に奴を探らせるとするか。
私はそう考えながら、神聖法国のある方向を向き、祈りを始めた。
だが、いつもは参加しない夕食会も、甥のリッキーが一時的に帰ってきたとなれば参加しないわけにもいかなかった。
なので、どうせならもう2度とこの街に帰って来る気にならないようにしろとしっかりと息子たちに言ってある。
街の皆を使えばどうとでもなるだろう。
それに息子たちが次期領主の座につけば、この街は飛び地とはなるが、神聖法国に捧げる予定になっている。
私は早いこと兄に領主の座を明け渡してもらえるようにいろいろ画策してはいるのだが……それがなかなか上手くいかない。
時間より少し前に夕食会の席に着くと、暫くしてリッキーが友人とやらを連れてやってきた。
私はその者達をひと目見て、私の崇拝している神聖法国の神、テネブル様が探している者ではないかと思った。
テネブル様は『私の予想では銀髪の男の姿をしているはずだ。その者がそなたの前に現れたら、この国へ連れてくるのだ。できることなら穏便に、な。』と私に命じられた。
まぁ……銀髪は珍しいものではあるが他国ではいるかもしれないので、彼らがお探しの人物とは限らないのだが……その時の私は「彼らがそうだ」と感じたのだ。
とりあえず兄の方に出身を聞いてみたのだが……お探しの人物なのかの判断がつかなかった。
なので他にも探りを入れるか、それとも私直々に「彼の国へ連れて行くから一緒に来ないか」と誘うかで悩んだが、結局は後者を私は選んだ。
疑わしい人物は2人。
どちらも子供ではあるが、どちらも連れていけば問題はあるまい。
早速私は2人に神聖法国へ一緒に行かないかと誘う。
兄のウォールにはリッキーの冒険者グループのメンバーだからと反対をされたが、本人が行くと言えば問題なかろう。
平民なんだから、私に頭を下げることはあっても逆らうことはないだろうし、行くことは確定だな。
そう思っていたのだが、しかしシエルとやらは私の予想に反して神聖法国行きを断ってきたのだ。
兄の前では穏やかな人物を演じている私でも、これは頭にきた。
なんで平民が私に対して否と言えるのか。平民が、だぞ!?
頭に血が上った状態でおもわずそれを奴らに向かって叫ぶ。
するとそれに対して兄さんが口を挟んできた。
しまった、ついうっかり兄さんの前で本性を出してしまった。
とりあえず私は誤魔化して席を立つことにした。
帰り際に奴をチラッと見ると、奴もこちらを見ていた。
その顔を見ると先ほどの怒りが湧き上がってきたので、慌てて目をそらす。
奴が神聖法国へと行った後にどうなるかは分からんが、平民のくせに私に逆らったのだから酷い目に遭えばいい。
そう思うことで溜飲を下げる。
私は自分の部屋へと戻ると、早速テネブル様へ連絡を入れるための魔道具を取り出した。
その魔道具を起動してしばらく待つと、魔道具からテネブル様の声が。
『なんかあったのか?そなたからの連絡は珍しい。』
私は先ほどの怒りを抑え込め、落ち着いた声を出す。
「ええ、先程私の甥が久しぶりに街へ帰ってきたということで食事会がありまして。その場に行ったところ、テネブル様がお探しの人物らしき者が2名ほどおりましたのでご連絡を、と。」
『……なるほど、銀髪の人物が2人も、とな?』
「はい。片方はそろそろ成人する年齢で、もう片方はまだ幼児でございます。2人に神聖法国へ行くということを伝えると拒否をされまして。どうしたら穏便にそちらへ連れていけるか考え中でございます。」
私はありのままに伝えた。
すると魔道具の向こうから『ふむ……。』と唸るテネブル様の声が聞こえた。
暫くしてテネブル様から『追って、またこちらから連絡をやるのでこのまま起動しておけ』と言われて連絡が途絶えた。
向こうの方で少し方法を考えるのだろう。
私は時間を潰すのに食後のお茶を飲むことにして、メイドに持ってくるよう命じた。
程なくして用意されたお茶を飲んていると、魔道具からテネブル様の声が聞こえた。
『ヘイスはおるか?』
「はい、ここに。」
『その者たちをこちらへ連れてくる手段だが、睡眠薬などはたぶん効かぬゆえ、何かしら考えなければならぬ。しばらくその者たちの弱点を探るがよい。それを使って連れてくるのだ。』
「なるほど、弱点を探ればよろしいのですね?了解いたしました。」
『……最終手段としてではあるが、そなたに1つの魔道具を渡しておこう。』
テネブル様がそう言うと、私の目の前に小さな光が現れた。
私がその光に手を差し伸べると、それは光をなくし、私の手の上に落ちてきた。
見た目は丸い、手のひらに乗るほどの小さな黒い球だった。
「これは何ですか?」
『それはいざという時に使うとよい。そうさなぁ……使う時はそなたの魔力をたっぷりと注ぐのだ。そうすれば起動する。今はそれだけ覚えておけばよい。』
なんだか良く分からなかったが、テネブル様がそう言うのなら今はそれだけ覚えておけば良いのだろう。
私はテネブル様の『肌身放さず、常に持っておれ。』という言葉の通りに常に持つことにした。
そうして私はテネブル様と連絡を一旦切った。
また何か分かったら連絡することを約束したのだ。
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私はそう考えながら、神聖法国のある方向を向き、祈りを始めた。
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