異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
上 下
103 / 196
第2章 エルフの隠れ里〜

エルフの里を出発!

しおりを挟む
あれから半月と少しの間、俺たちの魔法の特訓は続いた。

俺は相変わらず4属性竜の長たちのところへ行き、いろいろな方法で魔法の強化を行った。

おかげで4属性に関してはオール7レベルまで上昇した。

他の神聖魔法と闇魔法、光魔法に関しては地道に使い続けて、なんとかレベル5には上げられた。

特に神聖魔法に関しては回復魔法に重点を置いて頑張ったから、かなりの重傷でも一瞬で治せるくらいには成長したんだよ!

俺以外のみんなもルーシェさんとラーシェさんの2人に扱かれて、少なくてもスコットさん以外は切り札となる必殺魔法を1つや2つ扱えるようにはなったとリッキーから教えてもらったよ。

ちなみにスコットさんはほとんど魔力がないので、日常生活を送るための魔法しか扱えないのだと教えてもらった。

だからみんなが習っている横で、1人だけ黙々と鍛錬を行っていたらしい。

そのおかげ?か、以前よりもマッチョ度が上がったのが見て分かる。

スコットさんが兄さんなんだと思うと、なんか……複雑だよねぇ。


あと、ここにいる間にまた兄さんと姉さんが遊びに来たんだよね。

もしかすると顔を合わせた途端にリッキーと同じことになる可能性があるから、スコットさんとリリーさんには万が一の鉢合わせもないようにリッキーとタッグを組んで、里の案内をした。

やはりというか、人族以外の人種を見て兄姉は興奮しまくっていた。
見ているこっちが引くほどだ。

でも多分、俺も初めていろんな人種を見た時はあんな……いや、あそこまではなかったような……?……おっほん!

とりあえず興奮はしていたはずだから、人のことはいえないだろう。

里の中を散策して2人はまたもや土産をたくさん買い込み、満足して帰宅していったよ。


そしてここにいる間、俺たちはさんざんラーシェさんにお世話になったので、最後の1日はお家の掃除やラーシェさんにマッサージをしたりして感謝の気持ちをみんなで伝えたよ!


そして出発当日。

今、俺たちはラーシェさんの家の前で整列している。

「ラーシェさん、本当にお世話になりました。俺達はこの後、世界中を旅する予定です。あちこちの土産を持って、また遊びに来ますね。」

代表してスコットさんが挨拶をする。
するとラーシェさんは少し寂しそうな顔をして、俺たちを見た。
やはりひと月近く一緒に過ごしたので、また一人になると思って寂しく感じてしまったのだろう。

「そうじゃの、君たちはここへ魔法を習いに来たんじゃからな。いつかは旅立つ日が来る。今までが賑やかだった分、とても寂しくなるのぅ……。」

「おじいちゃん、これからは仕事が終わったら俺が夜には帰ってくるよ。」

「……本当かの?約束じゃよ?」

慰めてくれたルーシェさんの顔を見て、ラーシェさんは少し嬉しそうだ。

誰もいないこの広い屋敷に1人でいるのは相当寂しいだろうけど、それでも食事は朝と晩は1人じゃなくなるからね。

それから俺たちはルーシェさんに連れられて、4属性竜の長たちの所へ向かった。


あちらへ着くと、どうやら前もってラーシェさんから連絡があったのか、みんな揃って立って待っていた。

俺の姿を目にすると、一目散にユーリが俺の胸に飛び込んだ。

ユーリに付き従っていたセバスも一緒に歩いてこちらへやってきた。

俺はユーリを撫でながら「おはよう、ユーリ」と言うと、ユーリも『おはよう、ママ!』と顔を擦り付けてくる。くぅ~、可愛いな!

俺とユーリがそんなスキンシップをしている間、スノーホワイトの皆は「4属性竜の長」がいると聞いていたからてっきり竜の姿でいると思っていたようで、辺りをしきりにキョロキョロしている。

「違うよ、スコットさん達。今、目の前にいる人達が、4属性竜の長達だよ。人化しているんだ。」

それを聞くと驚く4人。
今度はレッカさん達を観察し始めたようだ。
そんな事しなくても挨拶してもらえるから、こっちから挨拶しようよ?

俺がそう促すとみんなハッとした顔になり、ようやくスコットさんが話しかけた。

「は、初めまして。俺たちはシエルの所属している冒険者チーム『スノーホワイト』のメンバーで、俺がスコット、隣がエミリー、その隣がリッキー、最後がリリーといいます。」

スコットさんが名前を言うと、それに合わせて会釈をするエミリーさん達。

こちらからの挨拶が終わるとレッカさん達が挨拶を始めた。

「そうね、初めましてだもの、挨拶は必要よね。こちらは私が紹介するわ。私が火の竜の長『レッカ』というわ。私の隣が風の竜の長『グリー』、その隣が土の竜の長『アース』、最後が水の竜の長『アクア』よ。」

こちらも挨拶で名前を呼ばれるとそのタイミングで会釈をする。
グリーさんだけが「よろしくな~。」と手をひらひら振っていた。

皆の挨拶が終わると、突然グリーさんが皆に聞こえる大きな声でユーリに話しかけた。

「ユーリ様~、とうとう完璧にできるようになったんやろ~?みんなに披露してはどないでっか~?」

『……。』

「それに新しい街に行くんでっしゃろ?そこでシエルさんと一緒にいたいんとちゃいますか~?」

『……わかった、皆に見せるよ。』

そう言ってユーリがため息をつく。

それとは逆に、グリーさんは「してやったり」といった表情だ。

……この前少し「もしかして?」と思っていた『人化』の事かな?

もしかして……話の内容からすると、完全な人型になることが出るようになったのかな?
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞
ファンタジー
 聖女のお仕事は、精霊のみなさまに助けてもらって国を守る結界を展開することです。 この世界に転生した聖女のエリーゼは、公爵家の子息と婚約しています。  精霊から愛されているエリーゼは、聖女としての能力も高く、国と結界を維持する組織にとって重要な立場にいます。    しかし、ある夜。エリーゼは、婚約破棄されます。 しかも婚約者様が、勝手に聖女の任を解いてしまうのです。 聖女の任を解かれたエリーゼは「ラッキー」と喜ぶのですが…… この国『ガイスト王国』は、どの様なことになるのでしょう。 ――――――――――――――――  この物語を見つけていただきありがとうございます。 少しでも楽しんでいただければ、嬉しいです。

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~

銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。 少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。 ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。 陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。 その結果――?

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

異世界転移~治癒師の日常

コリモ
ファンタジー
ある日看護師の真琴は仕事場からの帰り道、地面が陥没する事故に巻き込まれた。しかし、いつまでたっても衝撃が来ない。それどころか自分の下に草の感触が… こちらでは初投稿です。誤字脱字のご指摘ご感想お願いします なるだけ1日1話UP以上を目指していますが、用事がある時は間に合わないこともありますご了承ください(2017/12/18) すいません少し並びを変えております。(2017/12/25) カリエの過去編を削除して別なお話にしました(2018/01/15) エドとの話は「気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ」にて掲載させてもらっています。(2018/08/19)

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...