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第2章 エルフの隠れ里〜
エルフの里を出発!
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あれから半月と少しの間、俺たちの魔法の特訓は続いた。
俺は相変わらず4属性竜の長たちのところへ行き、いろいろな方法で魔法の強化を行った。
おかげで4属性に関してはオール7レベルまで上昇した。
他の神聖魔法と闇魔法、光魔法に関しては地道に使い続けて、なんとかレベル5には上げられた。
特に神聖魔法に関しては回復魔法に重点を置いて頑張ったから、かなりの重傷でも一瞬で治せるくらいには成長したんだよ!
俺以外のみんなもルーシェさんとラーシェさんの2人に扱かれて、少なくてもスコットさん以外は切り札となる必殺魔法を1つや2つ扱えるようにはなったとリッキーから教えてもらったよ。
ちなみにスコットさんはほとんど魔力がないので、日常生活を送るための魔法しか扱えないのだと教えてもらった。
だからみんなが習っている横で、1人だけ黙々と鍛錬を行っていたらしい。
そのおかげ?か、以前よりもマッチョ度が上がったのが見て分かる。
スコットさんが兄さんなんだと思うと、なんか……複雑だよねぇ。
あと、ここにいる間にまた兄さんと姉さんが遊びに来たんだよね。
もしかすると顔を合わせた途端にリッキーと同じことになる可能性があるから、スコットさんとリリーさんには万が一の鉢合わせもないようにリッキーとタッグを組んで、里の案内をした。
やはりというか、人族以外の人種を見て兄姉は興奮しまくっていた。
見ているこっちが引くほどだ。
でも多分、俺も初めていろんな人種を見た時はあんな……いや、あそこまではなかったような……?……おっほん!
とりあえず興奮はしていたはずだから、人のことはいえないだろう。
里の中を散策して2人はまたもや土産をたくさん買い込み、満足して帰宅していったよ。
そしてここにいる間、俺たちはさんざんラーシェさんにお世話になったので、最後の1日はお家の掃除やラーシェさんにマッサージをしたりして感謝の気持ちをみんなで伝えたよ!
そして出発当日。
今、俺たちはラーシェさんの家の前で整列している。
「ラーシェさん、本当にお世話になりました。俺達はこの後、世界中を旅する予定です。あちこちの土産を持って、また遊びに来ますね。」
代表してスコットさんが挨拶をする。
するとラーシェさんは少し寂しそうな顔をして、俺たちを見た。
やはりひと月近く一緒に過ごしたので、また一人になると思って寂しく感じてしまったのだろう。
「そうじゃの、君たちはここへ魔法を習いに来たんじゃからな。いつかは旅立つ日が来る。今までが賑やかだった分、とても寂しくなるのぅ……。」
「おじいちゃん、これからは仕事が終わったら俺が夜には帰ってくるよ。」
「……本当かの?約束じゃよ?」
慰めてくれたルーシェさんの顔を見て、ラーシェさんは少し嬉しそうだ。
誰もいないこの広い屋敷に1人でいるのは相当寂しいだろうけど、それでも食事は朝と晩は1人じゃなくなるからね。
それから俺たちはルーシェさんに連れられて、4属性竜の長たちの所へ向かった。
あちらへ着くと、どうやら前もってラーシェさんから連絡があったのか、みんな揃って立って待っていた。
俺の姿を目にすると、一目散にユーリが俺の胸に飛び込んだ。
ユーリに付き従っていたセバスも一緒に歩いてこちらへやってきた。
俺はユーリを撫でながら「おはよう、ユーリ」と言うと、ユーリも『おはよう、ママ!』と顔を擦り付けてくる。くぅ~、可愛いな!
俺とユーリがそんなスキンシップをしている間、スノーホワイトの皆は「4属性竜の長」がいると聞いていたからてっきり竜の姿でいると思っていたようで、辺りをしきりにキョロキョロしている。
「違うよ、スコットさん達。今、目の前にいる人達が、4属性竜の長達だよ。人化しているんだ。」
それを聞くと驚く4人。
今度はレッカさん達を観察し始めたようだ。
そんな事しなくても挨拶してもらえるから、こっちから挨拶しようよ?
俺がそう促すとみんなハッとした顔になり、ようやくスコットさんが話しかけた。
「は、初めまして。俺たちはシエルの所属している冒険者チーム『スノーホワイト』のメンバーで、俺がスコット、隣がエミリー、その隣がリッキー、最後がリリーといいます。」
スコットさんが名前を言うと、それに合わせて会釈をするエミリーさん達。
こちらからの挨拶が終わるとレッカさん達が挨拶を始めた。
「そうね、初めましてだもの、挨拶は必要よね。こちらは私が紹介するわ。私が火の竜の長『レッカ』というわ。私の隣が風の竜の長『グリー』、その隣が土の竜の長『アース』、最後が水の竜の長『アクア』よ。」
こちらも挨拶で名前を呼ばれるとそのタイミングで会釈をする。
グリーさんだけが「よろしくな~。」と手をひらひら振っていた。
皆の挨拶が終わると、突然グリーさんが皆に聞こえる大きな声でユーリに話しかけた。
「ユーリ様~、とうとう完璧にできるようになったんやろ~?みんなに披露してはどないでっか~?」
『……。』
「それに新しい街に行くんでっしゃろ?そこでシエルさんと一緒にいたいんとちゃいますか~?」
『……わかった、皆に見せるよ。』
そう言ってユーリがため息をつく。
それとは逆に、グリーさんは「してやったり」といった表情だ。
……この前少し「もしかして?」と思っていた『人化』の事かな?
もしかして……話の内容からすると、完全な人型になることが出るようになったのかな?
俺は相変わらず4属性竜の長たちのところへ行き、いろいろな方法で魔法の強化を行った。
おかげで4属性に関してはオール7レベルまで上昇した。
他の神聖魔法と闇魔法、光魔法に関しては地道に使い続けて、なんとかレベル5には上げられた。
特に神聖魔法に関しては回復魔法に重点を置いて頑張ったから、かなりの重傷でも一瞬で治せるくらいには成長したんだよ!
俺以外のみんなもルーシェさんとラーシェさんの2人に扱かれて、少なくてもスコットさん以外は切り札となる必殺魔法を1つや2つ扱えるようにはなったとリッキーから教えてもらったよ。
ちなみにスコットさんはほとんど魔力がないので、日常生活を送るための魔法しか扱えないのだと教えてもらった。
だからみんなが習っている横で、1人だけ黙々と鍛錬を行っていたらしい。
そのおかげ?か、以前よりもマッチョ度が上がったのが見て分かる。
スコットさんが兄さんなんだと思うと、なんか……複雑だよねぇ。
あと、ここにいる間にまた兄さんと姉さんが遊びに来たんだよね。
もしかすると顔を合わせた途端にリッキーと同じことになる可能性があるから、スコットさんとリリーさんには万が一の鉢合わせもないようにリッキーとタッグを組んで、里の案内をした。
やはりというか、人族以外の人種を見て兄姉は興奮しまくっていた。
見ているこっちが引くほどだ。
でも多分、俺も初めていろんな人種を見た時はあんな……いや、あそこまではなかったような……?……おっほん!
とりあえず興奮はしていたはずだから、人のことはいえないだろう。
里の中を散策して2人はまたもや土産をたくさん買い込み、満足して帰宅していったよ。
そしてここにいる間、俺たちはさんざんラーシェさんにお世話になったので、最後の1日はお家の掃除やラーシェさんにマッサージをしたりして感謝の気持ちをみんなで伝えたよ!
そして出発当日。
今、俺たちはラーシェさんの家の前で整列している。
「ラーシェさん、本当にお世話になりました。俺達はこの後、世界中を旅する予定です。あちこちの土産を持って、また遊びに来ますね。」
代表してスコットさんが挨拶をする。
するとラーシェさんは少し寂しそうな顔をして、俺たちを見た。
やはりひと月近く一緒に過ごしたので、また一人になると思って寂しく感じてしまったのだろう。
「そうじゃの、君たちはここへ魔法を習いに来たんじゃからな。いつかは旅立つ日が来る。今までが賑やかだった分、とても寂しくなるのぅ……。」
「おじいちゃん、これからは仕事が終わったら俺が夜には帰ってくるよ。」
「……本当かの?約束じゃよ?」
慰めてくれたルーシェさんの顔を見て、ラーシェさんは少し嬉しそうだ。
誰もいないこの広い屋敷に1人でいるのは相当寂しいだろうけど、それでも食事は朝と晩は1人じゃなくなるからね。
それから俺たちはルーシェさんに連れられて、4属性竜の長たちの所へ向かった。
あちらへ着くと、どうやら前もってラーシェさんから連絡があったのか、みんな揃って立って待っていた。
俺の姿を目にすると、一目散にユーリが俺の胸に飛び込んだ。
ユーリに付き従っていたセバスも一緒に歩いてこちらへやってきた。
俺はユーリを撫でながら「おはよう、ユーリ」と言うと、ユーリも『おはよう、ママ!』と顔を擦り付けてくる。くぅ~、可愛いな!
俺とユーリがそんなスキンシップをしている間、スノーホワイトの皆は「4属性竜の長」がいると聞いていたからてっきり竜の姿でいると思っていたようで、辺りをしきりにキョロキョロしている。
「違うよ、スコットさん達。今、目の前にいる人達が、4属性竜の長達だよ。人化しているんだ。」
それを聞くと驚く4人。
今度はレッカさん達を観察し始めたようだ。
そんな事しなくても挨拶してもらえるから、こっちから挨拶しようよ?
俺がそう促すとみんなハッとした顔になり、ようやくスコットさんが話しかけた。
「は、初めまして。俺たちはシエルの所属している冒険者チーム『スノーホワイト』のメンバーで、俺がスコット、隣がエミリー、その隣がリッキー、最後がリリーといいます。」
スコットさんが名前を言うと、それに合わせて会釈をするエミリーさん達。
こちらからの挨拶が終わるとレッカさん達が挨拶を始めた。
「そうね、初めましてだもの、挨拶は必要よね。こちらは私が紹介するわ。私が火の竜の長『レッカ』というわ。私の隣が風の竜の長『グリー』、その隣が土の竜の長『アース』、最後が水の竜の長『アクア』よ。」
こちらも挨拶で名前を呼ばれるとそのタイミングで会釈をする。
グリーさんだけが「よろしくな~。」と手をひらひら振っていた。
皆の挨拶が終わると、突然グリーさんが皆に聞こえる大きな声でユーリに話しかけた。
「ユーリ様~、とうとう完璧にできるようになったんやろ~?みんなに披露してはどないでっか~?」
『……。』
「それに新しい街に行くんでっしゃろ?そこでシエルさんと一緒にいたいんとちゃいますか~?」
『……わかった、皆に見せるよ。』
そう言ってユーリがため息をつく。
それとは逆に、グリーさんは「してやったり」といった表情だ。
……この前少し「もしかして?」と思っていた『人化』の事かな?
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