異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
上 下
75 / 196
第1章 出会い〜旅の始まり

出発前日 2

しおりを挟む

しばらくするとみんなが頼んだ品が続々と運ばれてきた。

俺と同じメニューを頼んだのはエミリーさんとリリーさんの2人だけ。
残りの男性陣は全てブルステーキを頼んでいたよ!
確かにステーキも美味そうだ……!

とりあえずステーキは次に頼もうと思うが、まずは目の前のブルシチューだね!

美味しかったらこそっとユーリにも持って帰ってやろうかな?

俺はブルシチューをひと匙すくって口に入れる。

ん~~!!なんてコクがあって旨いんだ!

今までもオークや他の牛系の肉のシチューを食べてきたけど、これが一番美味しいよ!

ものすごく濃厚な味で、すぐにパンが欲しくなるなぁ。

絶対パンにのせるととっても美味しいと思うんだ!

一緒に煮込んである人参やじゃがいもも、とても味が染みていて美味しいよ。

俺がブルシチューを堪能している間に男性陣はブルステーキを食べ終わってしまったようだ。食べるの、めっちゃ早くない!?

結局俺はブルシチューとブルステーキの2品だけしか腹に入らなかったよ。

ステーキ、もう少し小さくしてもらえば良かったなぁ。

皆は俺と違って胃袋がでかいらしく、俺と同じ時間で4品も5品も食べている猛者もいたよ!

俺はユーリの為にブルシチューを新たに別容器を渡して頼み、ステーキは三分の一ほど先に取り分けて別皿に移して鞄に入れておいたから、部屋に帰ったらご飯と一緒に出してあげようっと。

どうやら皆は食後にお酒を飲むらしく、シチューを受け取ったら俺だけ先に部屋に戻った。

部屋に着くとソファーに座る前に鞄からユーリが飛び出てきた。

いつも思うけど、タイミングが良いよね~?
やっぱり顔、出してる?

とりあえずお腹空いているだろうから、ユーリにさっき食堂で貰ってきたシチューとステーキを出してやる。

テーブルの上に置いて、シチューは皿にご飯を盛った上にカレーみたいにかけて、ステーキは食べやすいように一口大に切り分けてあげたよ。

準備が完了すると、喜んだユーリがテーブルまで飛んでいった。

……なんか、既視感あるんだけど?

ユーリが美味しいって言いながら食べている間に、俺は山田から連絡来てないかのチェックをした。

どうやらまだ見てはいないらしく、既読がついていなかった。

そうなると途端に暇になる。

何してよっかなぁ~……。

……。

………。

…………。

ハッ!

あまりに暇なのと満腹なのもあって、つい寝てしまった!

今日も朝からブル狩りやギルドに行ったり、パン屋さんに行ったり、そしてまたギルドに行き、最後に酒屋さんに行ったりで、相当体を使ったからなぁ。

こうやって1日何したのか振り返るとめちゃくちゃ忙しかったんだね。

通りで疲れてるわけだ!

……お風呂入ってもう寝ようかな?

俺がそう思って準備をし始めた時、俺の部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「……誰ですか?」

するとドアの外からはリッキーさんの声が聞こえた。

「俺だ、リッキーだ。みんなで酒を飲んでいたんだが、シエルがお風呂入ってなかったことに気がついて、俺だけ先に抜けてきたんだ。一緒に行くか?」

「はい、行きます!」

俺はそう返事をするとすぐにお風呂道具を持ち、夕飯を食べ終わったユーリには鞄に入っているように伝えて鞄に戻ってもらった。

それから俺達は揃ってお風呂に向かう。

風呂場は時間が遅いのもあり、誰もいなかった。

服を脱いで浴室に入り、いつものようにシャワーを浴びようと思ったが、ここでふと思い出した。

「そうだよ、俺、シャンプーやボディーソープ、体洗うタオル持っていた!」と。

急いで脱衣場に戻って鞄からその3点を取り出し、また浴室に戻った。

「どうした、シエル?なんか持ってきたようだけど、それ何だ?」

リッキーさんは不思議そうな顔でシャンプーとかを見ている。

「これは俺の国で使っていた頭を洗う石鹸?と体を洗う液体石鹸です。使ってみます?」

俺はお湯で濡らした髪にシャンプーをつけてからリッキーさんに渡した。

リッキーさんは不思議そうながら俺を真似て髪につけて洗っている。

「……なんか変な感じだな。色は黒いし、匂いはなんだか炭っぽい匂いするし。」

「ああ、これは頭皮がしっかり洗えるように炭配合のシャンプー……液体石鹸なんです。」

それからシャンプーをお湯で流し終わると髪はサラサラに。

驚いたリッキーさんが俺を見る。

そう、このシャンプーはリンスが入っているから、洗うと髪がサラサラになるんだよね!

こっちの石鹸で洗うのに慣れてしまったのもあって、俺も少し驚いていたりする。こんなに違うんだ!

「凄いな、これ!髪がサラサラだ!」

「そうなんですよ、これ、髪がサラサラになるものが入っているんですよね。乾かすともっとわかりますよ?」

「それは楽しみだな!」

それから2人で色々な話をしつつ湯船に浸かり、お風呂から上がった。

風呂上がりにドライヤーで髪を乾かすとものすごくサラサラになった。

これまたリッキーさんは驚いていたが、自分の髪を触りながら「これは明日、大変なことになるな……。」と呟いた。

ん?大変なことってなんだ???

それから2人で部屋まで戻る。

どうやら皆はまだ食堂で飲んでいるようで、部屋にはいないみたい。

みんな飲みすぎないようにね!

俺はそう思いつつ、リッキーさんと別れて部屋に入る。

部屋に入るとまたもやユーリが鞄から飛び出てきた。

そしていつもの定位置にくっつくと、俺はそのままベッドへと向かった。

鞄をソファーの上に置き、スマホだけ枕元に持ってきて、ベッドにユーリごと横になる。

一応スマホチェックをすると山田からは「じゃあ次の休みの時にまたお前の兄姉と会うから、その時に買って入れておくよ。」と返事が来ていた。

俺はなんとか睡魔に抗いながら山田にお礼の返事を書くと、そのままスマホを持ったまま深い眠りへと落ちてしまった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

処理中です...