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第一章 出会い〜旅の始まり

ブラックブルの肉はどう?

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俺たちは東門からまたもや草原へとやってきた。

今回も東門が小さく見える所でバーベキューをすることにした。

今回は最初からユーリに結界を張ってもらい、万全を期す!

「じゃあお昼を食べる前に準備をしなければならないので、野菜や肉を切るのを手伝ってもらえませんか?」

俺はテーブルを出しつつ、そう声をかけた。

するとエミリーさんとリッキーさんがお手伝いをしてくれることに。

スコットさんには俺が鞄から出して組み立てたバーベキュー台で炭を使って火起こしをお願いし、リリーさんには玉ねぎの皮むきやピーラーで人参の皮むきをお願いした。

……これならできると思うんだよね。

とりあえずみんなで作業を開始する。

最初に俺、エミリーさん、リッキーさんの3人はブル肉を一口大の大きさに切っていく事に。

俺は鞄から、さっき解体してもらったばかりの新鮮なブル肉を取り出す。

ブル肉は見事なサシが入ってはいるが、日本の黒毛和牛の高ランク肉と違ってそこまでのサシではない。

部位によってはちゃんと赤身も味わえる、良い肉のようだ。

3人でそれぞれに切っては皿に盛り、山盛りになったらラップをして鞄の中へとしまう。

そうしているうちにリリーさんが玉ねぎや人参の皮を剥き終わったので、リリーさんにはスコットさんのお手伝いをお願いした。

野菜もキャベツやピーマンを追加で出し、キャベツは大きめに刻み、ピーマンは半分に切ってから手でヘタと種を取る。

玉ねぎは一センチの輪切りに、人参も5ミリ厚ほどの輪切りにして、それぞれ刻んでは皿に盛ってラップして収納する。

「お~いシエル、こっちの方は準備できたぞ~!」

ちょうど肉も野菜も切り終わった頃、バーベキュー台の方も準備ができたようだ。

俺はさっきまで野菜とかを刻んでいたテーブルを収納し、俺達は揃ってバーベキュー台の方に歩いていった。

バーベキュー台の近くに行くとすっかり焼き台の準備ができていたので、その近くにまたテーブルを出して先ほど切った食材を次々と出していく。

「みんな用意ができたので、さっそく食べますか!この料理?の食べ方は、その炭の上の網に肉や野菜を乗せて焼いて、このタレを付けて食べます。」

そう言いながら数種類の焼肉のタレ等をテーブルの上に置いた。

俺が日本で使っていたのは定番の味2種類の他に塩味、しゃぶしゃぶ用の胡麻ダレ、サラダ用の青じそドレッシングだ。

特に年齢が上がってからはさっぱりとした味が好きになり、青じそドレッシングで食べるのが好きだったんだよな~。

まぁ、どれも美味しいから少しずつ楽しめるように小皿も多めに出しておくか!
みんなもテーブルに集まってきてタレを見ている。

「シエルのおすすめはどれだ?」

「俺はこのドレッシングで食べるのが好きですが、一通り食べ比べるのもいいと思います。小皿も多めに用意してあるので、味を混ぜないで食べられますよ。」

「なるほど、全部試せるんだな?それは楽しみだな。」

スコットさん達はいい笑顔で最初につけるタレを選んでいる。

俺はお手本のためにも網の上にトングでお肉や野菜をいっぱい並べた。
そして焼けてきたものからひっくり返し、みんなに声をかける。

「最初は食べ方がわからないかと思いますのでやってみせましたが、この上に並んでいる食材がなくなったら各自で焼いてくださいね!」

「なるほど、こうやって焼いてこのタレにつけて食べるんだな?」

「すっごいいい匂いがする!美味しそうだわ!」

「もう焼けているのか?食べても良いのか?」

「……ジュルリ。早く食べたいわ!」

スコットさん、エミリーさん、リッキーさん、リリーさんも早く食べたいようだ。俺も早く食べたい!

どうやらユーリも先ほどから俺の腹にしがみつきながら、しきりに涎を舐めているからお腹が空いているんだろう。

肉や野菜が焼けたものから次々と皆で取っていく。

俺は食べながらユーリにも食べさせつつ、その合間に網の上に肉と野菜を並べていた。

皆も自分が食べるものを各自で網に並べている、

「ちょっとぉ!そのお肉、私のなんですけど!」

「そうだったか?悪ぃ!」

「んもぅ、気をつけてよね!」

リリーさんとリッキーさんがお肉のことで言い争っている……。

良いじゃないの、リリーさん。
あなたも俺の肉を食べてるんだし。

俺はそう言いたいところをぐっと我慢して、食べずにひたすら焼き続けている。

さっきから俺が焼いているものを焼き上がったものからすぐに、横からリリーさんが持っていくのだ。

『ねぇ、リリーさんだったっけぇ?僕たちのお肉や野菜、持っていかないでよぉ。自分だって勝手に持っていくんだからぁ、リッキーさんに文句言えなくない?』

おぉ~、俺の代わりにユーリが代弁してくれた!

やっぱりユーリもまだまだお腹空いているからどんどん食べたいんだろう。
ごめんよ、頼りない親で。
なんでかリリーさんには強くいえないんだよ。


それからみんながお腹いっぱいになるまで焼肉を堪能した。

結局ユーリがそう言ったことでみんなが気づき、リリーさんは皆から怒られていた。

俺達のを食べていた自覚のあるリリーさんは素直に「ごめんなさい。」と謝ってきたが、なんだかあまり反省してない気がする。たぶんね。

食べ終わった俺達はすぐにバーベキュー台とかを片付ける。

洗い物は俺の水魔法と日本の食器洗剤で簡単に終わったよ!

洗剤入りのかなり大きめな水球を浮かべ、少し火魔法で温めつつその中に食器を投入。

あとは中で水を軽く回しながら洗っていくのだ。

最後は別に浮かべた別な水球で綺麗にすすぎ、完了!

この魔法の使い方、もっと早く思いつけばよかったよ。
そうすれば洗濯がもっと楽になったかもしれないのに!残念!

片付けが終わった俺達は街へと向かった。

ちょうど今は昼ご飯を食べ終わった頃の時間帯だ。
もうパンはできているかな?

そう期待しながら東門をくぐって街の中へと入った。
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