異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
上 下
70 / 196
第1章 出会い〜旅の始まり

ブル狩りをしよう!

しおりを挟む

みんな、スコットさんを見ている。

あまりに俺達が何もしないからか、ちらほら見ていたブルももうこちらを見ている個体がいなくなった、その瞬間に合図が出された。

俺はその瞬間、近場にいるブルを躊躇なく首をはねて瞬殺し、それをかわきりに次々と首をはねていく。

この刀を使用すると、まるで豆腐を切っているかのようにあまり手応えなく切れていく。

一気に10頭ほど倒した後に周りを見ると、みんなも同じく数頭ずつ倒していた。

他のブル達はこの戦いを見て自分だけでも逃げようと思っているのか、同じ方向に逃げるのではなく散り散りに逃げていった。

俺達はブルの反撃に遭わないことを確認してから、自分たちの成果を各々のマジックバッグに入れていく。

俺も鞄の中にブルをしまっていく。

首を切ったからか意外と血抜きがされていたようだ。

「この後はギルドに行くか?さすがにブルはうちらで解体するには大きすぎる。」

「でも全部解体してもらうには時間が足りなくないか?」

「まぁ、それは解体人数にもよるが、明日出発するまでにできる数だけ置いていこう。じゃあちょっと早かったがもう戻るか。」

スコットさんのその言葉で皆は西門に向かった。

門のところでは門番さんに「かなり早かったけど何かあったのか?」と言われたが、スコットさんが代表して「いや、目当てのものが手に入ったから帰ってきただけだよ。」と答えてくれた。

それを聞いた門番さんは頷いて俺たちを中に通してくれた。

中に入ると真っ先にギルドへ向かう。

まだ早い時間なのもあり、ギルド内には冒険者が結構いた。

俺達は解体受付に向かい、解体をしてもらうためにまたもや裏にある倉庫へと向かう。

倉庫前に行くとドアは開け放たれていたので、そこから中に声を掛けると何時ものおじさんがこちらへ来た。

「おう、今日はどうした?また何か持ってきたのか?」

「ああ、実はさっき西門から出た牧草地でブラックブルを狩ってきたから解体してもらいたくてな。明日、俺たちはこの街を出発する予定だから、それまでにできる数だけ置いていきたいんだが、どのくらいできそうだ?」

それを聞いておじさんはびっくりした顔をした。

「明日出発だってぇ!?えらい近々な出発だなぁ!とりあえず今日は持ち込みの依頼が少ねぇからほぼ総出で解体できるからかなりの数を受けられるぞ。どのくらいあるんだ?ここに出してみろや。」

おじさんはそう言って解体場の一角を指さす。

それから俺達は自分の鞄からブラックブルを次々出していく。

俺は自分のも合わせて出していったブルを数えていたが、合計で40頭だった。

それを見ていたおじさんはさすがにその数は無理だと、30頭だけ引き取って、残りは俺の収納にしまうことに。

それからおじさんに「肉は買取に出さず、全てこちらに戻してもらいたい」事を伝えた。

「これ全部をかぁ!?少しぐれぇこっちにも回してくんねぇかな?こんなにあるんだしよぉ?」

「あ、ならまだ解体していない10頭を時間停止のマジックバッグに入れて、後から解体するのではだめですか?」

「ああ、そういやぁそういう事もできらぁな!よし、じゃあそれで手を打とうじゃねぇか!おう、オメェら、気合い入れてこれを解体するぞ!!」

「「「「「おうっ!!」」」」」

おじさんがそう言うと、いつの間にかそばにいた解体職人の人たちが声を揃えて気合を入れた返事をした。

それからは凄かった!

みんなで手分けして5台ある解体台の上に1頭ずつ乗せていき、1頭につき2人で解体を始めたのだ。

ものすごく慣れた手つきで素早く解体を進めていく解体職人たち。

あまりにも見事な解体に見入っていると、あっという間に最初の2頭が解体されてきた。なんて早いんだ!

「おらよ!最初の2頭が出来上がったぞ?大体の部位で切り分けてあるからな。解体料金は買取料金と相殺しきれなかったら請求するが、30頭分の肉以外の部位は買い取るから、多分うちが支払うことになると思うがな!まぁ、明日来た時に分からぁな!」

おじさんはガハハと笑いながらスコットさんの背中をバンバンと叩いている。……い、痛そうだな。

俺がブルの肉を鞄にしまったら、俺達はギルドをあとにする。

ギルドを出るととりあえず屋台広場へ向かった。

朝ごはんにはちょっと遅いかなと思われる時間なので、広場のテーブルには簡単に座れた。

「さて、思った以上に早く予定が終わってしまったが、この後何をしようか?」

スコットさんにそう言われてみんなで考える。

う~ん……買い物ももうある程度買ったからなぁ……?

俺はぼんやりと屋台の方を見ていたが、ふと思い出した。
そうだ、パンの在庫がない!

「もしだったらパンを買いに行ってもいいですか?俺は米があれば全然いいんですが、皆さんはパンも食べますよね?」

「そうだな、確かにパンも食べたい時もあるよな。それに、次に行くのはエルフの隠れ里だし、こうやって売っているとは限らないからな。シエルの鞄に在庫をたっぷり増やしておいたほうがいい気がするんだが、みんなはどう思う?」

リッキーさんがみんなに向かってそう言うと、みんな頷いて「買いに行こう!」と口々に言う。

みんなもパンが必要だということで、リッキーさんの案内で美味しいパン屋さんに向かった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

処理中です...