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第1章 出会い〜旅の始まり
街へ行こう!2
しおりを挟むとりあえず今のところ知りたいことは知ったし、もしかするとネットのほうがもっといろいろ調べられるかもしれないので、今回はこんなところで図書館を出る。
ちなみに俺が異世界人とドラゴンのことを調べている間、2人は仲良く一緒に何かの本を読んでいたようだ。
ホント、スノーホワイトのメンバーは仲がいいなぁ。
図書館を出ると外は昼をとっくに過ぎていたようだ。
どおりでお腹が空いたと感じるわけだ。
「なぁ、お腹すかないか?屋台でなんか食べようぜ?」
リッキーさんのその一言で屋台が立ち並ぶ広場へ行くことに。
俺はこの街は初めてだから2人についていくしかない。
だから2人が先を歩き、屋台のどこの店で食べるのか話し合っている。
「やっぱりあの肉の塊を豪快に焼いてる店は外せないと思わないか?」
「あの巨大な塊肉を回転させながら焼いているお店?」
「そう、その肉をそぎ取ってパンに野菜と一緒に挟んであるやつだよ。」
「そうね、それはすごく美味しいから外せないわね!あとは…鶏肉と野菜を煮込んてあるスープ屋さんも良いと思わない?」
「それなら串焼き肉も食べ盛りだろうシエルには食べさせたいな!」
…なんだか俺の意見は取り入れず、2人だけで買いまわる店を決められている感じがするが、どれも美味しそうだから問題なし!
とりあえず俺はリッキーさんたちの後ろをついていきながらいろんな屋台を見ていく。
串焼きの店がかなりあるが、スープを売ってる店やパンっぽいものを売ってる店、ジュースを売ってる店、何かのお肉と野菜を炒めている店など、いろんな種類がある。
まるで日本のお祭りみたいだ。
見ているだけでなんだか気分がウキウキしてくるな!
しばらく人混みの中を進むと行列のできている屋台があり、俺たちもその屋台に並んだ。
そこはどうやらさっきリッキーさんが言っていた肉の塊を焼いている店みたいだ。
店内からはとても美味しそうな匂いが漂ってくる。
かなり長い行列だったが、意外と早く順番が来た。
選ぶのはソースだけだから早くさばけるんだろう。
俺たちもそれぞれ購入して別な店へ。
リッキーさんなんて自分用に2つも買っていたよ!
その後リリーさんの言っていたスープ屋さんによったり、串焼きも結構な数を購入して広場の中央にあるテーブルにむかった。
どうも屋台はこの広場の外縁の道の両サイドをぐるっと輪になるように並んでいるようだ。
屋台の輪の内側にはたくさんのテーブルが有り、屋台で買った人がそこで食べられるようになっている。
まるでスーパーとかであるフードコートみたいだ。
俺達もそのテーブルの1つに座り、買ってきたものを広げる。
「美味しそうだろ、シエル?特にこの肉を挟んだパンっぽいのは美味いぞ?」
そう言いながらリッキーさんはパンにかぶりつく。
とても美味しかったのかいい笑顔でサムズアップしてくる。
それを見て俺とリリーさんは顔を見合わせて笑い、食べ始めた。
俺もリッキーさんおすすめのパンにかぶりつく。
肉はとても柔らかいのに肉の旨味がしっかりと感じられる赤身肉で、野菜との相性はバッチリだった。
俺は甘辛いタレを選んでいたが、リッキーさんは2種類購入していた。
1つは俺と同じものでもう1つは違う味。
リッキーさんはまだ食べてない違う味の方を「こっちも美味しいから一口どうだ?」と差し出してくる。
お礼を言ってありがたく一口もらう。
これもまた、ピリッと黒こしょうが効いていてとても美味しかった。
あの店はお金が手に入ったら買い込んでおこう!
リッキーさんはそのパンを三分の二ほど食べたらリリーさんにあげた。
リリーさんはいつもの事なのか、ありがとうと言って受け取って食べ始める。
…まるでデート中のカップルか、仲良し夫婦のような感じだ。
「…もしかしてなんですが、お2人ってお付き合いしているんですか?」
すると2人は顔を見合わせてから俺の方を見る。
「ん~~、俺達は幼馴染だが付き合ってはいないし、そんな目で見たことはないなぁ。どちらかというと兄妹のような感じかな?」
「そうね、確かに4人とも仲はいいわよ?だって4人とも同じ街出身の幼馴染だもの。」
笑顔でリリーさんがそう言うとリッキーさんも頷く。
詳しく聞いてみると、どうやら4人とも見た目ほどそんな年齢が違うわけではなかったようで、スコットさんとエミリーさんは同い年、リッキーさんは2人より4歳下、リリーさんはリッキーさんより1つ下らしい。
リッキーさんが冒険者になる!と言って街を1人で出ていったから、友達だった3人はそんなリッキーさんを追いかけて一緒のパーティーを結成。
で、今に至る…と。なるほどねぇ~。
『スノーホワイト』っていうチーム名も北の地方の雪深い街出身だかららしい。
現在は4人で世界を旅しながらいろいろなことを経験している最中らしい。
そのうち4人で、気に入った街で住むのが夢なんだそうな。
それから俺達は薄暗くなるまで街を散策し、宿に戻る。
宿ではちょうど夕飯時らしく、スコットさんとエミリーさんが食堂で仲良さそうに談笑していた。
(う~ん、俺、みんなにこんなに甘えてしまっていて良いのかなぁ…。
みんなの旅の邪魔をしていないのかなぁ。)
そんな気持ちが顔に出ていたのか、リッキーさんが俺の顔を覗きながら頭を撫でてくる。
「気にするなよ、シエル。俺達は自分たちの意思でお前と一緒に行動しているんだから。」
「…ありがとうございます。」
どうやらリッキーさんにはお見通しだったようだ。
そんなやり取りをしていたらスコットさんが気づいたらしく、手招きしてくる。
俺達は2人の座ってるテーブルに向かって歩いていった。
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