異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第1章 出会い〜旅の始まり

卵について2

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「それにしても可愛いわねぇ~♪私も欲しいわぁ~。」

リリーさんはそう言うと卵を撫でようと手を近づけた。

すると卵に手を触れた途端にビリッと電気が走り、リリーさんは「キャッ!」と小さく叫び、すぐに手を離した。

「えっ?今の、何?触っただけで電気が走った感じだったわ!?ドラゴンの卵って触るとビリッてなるの!?」

「ん~、他のドラゴンの卵はどうなのかわかりませんが、鑑定結果によるとこの卵は俺専用らしいです。多分卵を受け取った時に何かしらの登録がなされたんじゃないかな?と思います。」

「えっ!?この卵、シエルくん専用なの!?なんて羨ましい!私もそんかドラゴンの卵がほ~し~い~!!」

リリーさんはそう言いながら駄駄っ子みたいに足を踏み鳴らしている。

他のメンバーも俺の話を聞いて少し驚いた顔をした。

「卵をシエルが受け取って育てることになったのは聞いていたが、まさかお前専用の登録みたいなのがされているとは思わなかったな。とりあえずこれで卵は奪われる可能性は減ったが、逆にお前が捕らえられる可能性が高まったわけだ。」

「そうね、なんとかこの事を周りには知られないようにしないと危険ね。」

「とりあえずシエルが自分で自分や従魔を守れるくらい強くなって、周りにうまく立ち回れるようになるまでは守ってやろうぜ!」

「そうだな、それがこの世界に来たシエルが一番最初に遭遇した者の責任かもな。」

リリーさん以外のメンバーは俺の今後のことを考えてくれている。

ホント、この世界に来て最初の人達がスノーホワイトのメンバーで良かったと改めて思った。

「他には何か鑑定に載ってなかった?」

リリーさんにそう言われたけど、さすがに創造神から託されたことは言えないので、他のことを話すことにした。

「この卵はどうも俺以外の魔力は受け付けないそうで、拒絶するらしいです。あとは魔力を吸うとどんどん大きくなっていくらしく、鞄の中に入れておいても孵る間際になったらなにか合図?があるようなので卵を出せる場所まで移動してから孵化をさせてくれと書いてありました。」

「なるほどねぇ~、シエルくん専用ってそういうことなのね。最初からシエルくんの従魔になるようにお婆さんが渡したってわけね。それにしてもこの卵、もっと大きくなるってことよね?どれだけ大きくなるのかしら…」

「それは俺にもわかりませんが、相当大きくなるんじゃないですかね。」

「明日の朝が楽しみね!どれだけ大きくなっているのか見てみたいわ♪」

そうルンルン気分で答えるリリーさん。

彼女を見てため息をついてるのは同室のエミリーさん。

多分興奮している彼女からドラゴンの話を聞かされるのがわかっているからのため息なんだろうなぁ。

「とりあえず今夜はもう遅いからそれぞれの部屋で休もう。明日の朝は下の食堂で食べるか?」

スコットさんがみんなにそう聞くとみんなからYESの返事。

もちろん俺も一緒に食べると返事したよ。

「じゃあ、防犯のために部屋の鍵はしっかりかけて、よく眠れよ?」

そう言ってリッキーさんは俺の頭を撫でてから部屋に戻った。

他のメンバーも俺の横を通る時に頭を撫でていく。

…俺、そこまで子供じゃないんだけどなぁ。

部屋に1人になったので、まずは日本での持ち物チェックをしてみようと思う。

なんか使えるものを持っているかもしれないしな!

とりあえず鞄の中からスーツとバッグを取り出す。

スーツの中からは携帯を、バッグの中身はベッドの上にみんな出してみる。

「今あるものは…スマホ、弁当箱、ハンカチ、ティッシュ、筆記用具、補助充電器だな。さすがにスマホは使えないだろうなぁ~、異世界だし。」

そんな気軽な気持ちでスマホを見てみると…なんと電波はMAXだった!

「はぁ!?なんで電波入るの、ここ!?異世界だよ!?」

俺は驚きつつもスマホを起動していろんなアプリを見てみる。

ほとんどのアプリは使えなかったが、なぜかSNS関係とインターネットは使えるようだ。

まぁ、インターネットといっても前の世界の一部の情報を知ることができたり、何故かこの世界のことも検索できるようだった。

「…もしかして、俺のスキルのせいか?」

そう、俺は『インターネット』というよくわからないスキルを持っている。

もしかしてそのスキルはこのスマホのことなのかもしれないとふと思った。

「ん?スマホに山田から連絡があったようだな。」

SNSを開くとそこには山田からのメッセージが。

『おい、シエル、一体今どこにいるんだ!?会社に無断欠勤なんてしやがって!これ見たら連絡よこせよ!』

「…いや、連絡よこせって、異世界にいるからそっちに戻れないんだけど!いや、せめて出勤できない理由でも書いておくか…」

俺はダメ元で山田に『頭おかしいんじゃないかと思われるの覚悟で言うが、実は今、異世界に飛ばされてそっちには戻れない。すまないがそっちに戻る方法もわからないから代筆でもかまわないから辞表を提出してくれないか?ホント、申し訳ない。』と連絡した。

とりあえずスマホで久々にネットを見ているが、元の世界のリアルな情報は検索できず、料理や工作なんかのいわゆる『ものづくり』みたいなのは調べられるようだ。

これなら食べたい料理なんかは材料があれば作れるし、その材料も味噌や醤油なんかは自分で作れそうな感じだ。

そういう意味ではネットで検索できるのは良いなとは思う。手間はかかるけど。
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