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第1章 出会い〜旅の始まり
ギルドマスターはどんな人?
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スコットさんは2階に上がると迷わずに1番奥の部屋へ向かっていき、ドアをノックした。
中から「入っていいですよ~。」という若い男性の声がして、スコットさんは「邪魔するぞ~。」と声をかけてからドアを開けた。
中には、窓際の机に座った男性が1人。多分この人がギルマスなのだろう。
見た目はとても若い痩せ型の男性で、長い金髪を片側だけ編み込んで後ろで束ねている髪型をしている。
顔は一見すると男性なのか女性なのかわからない中性的な造りをしているが、とても綺麗な顔なのは間違いない。
あと特徴的なのは人よりも長くて尖った耳をしている。
多分リッキーさんが言っていた『300年は生きているギルドマスター』とはこのエルフなのだろう。
彼は何か書き物をしていたが、俺たちがぞろぞろと中に入ると驚いたように顔を上げた。
「なんだ、スコットだけじゃなくてみんな揃って顔を出したんだね。もしかして例の依頼から帰ったばかりなのかな?それに知らない顔の子もいるみたいだね?」
「あぁ、この子供は俺達がグレートウルフと戦っている時に森の中から出てきたんだ。名前はシエルだ。俺達はさっき街についてその足でギルドに来たんだ。で、解体の依頼をしたあとにちょっと耳に入れておきたい内容があってこっちに…な。」
「何だ何だ、スコットがそんな事を言うなんて、なんか良くないことでもあったの?」
ギルマスはそんな事を言いながら皆にソファーに座るよう勧めてきた。
皆がソファーに座ると、ギルマスは俺に向かって「元Aランク冒険者で、今はこの街の冒険者ギルドでギルドマスターをしているルーシェという。よろしくね!」と軽く挨拶してきた。
その後、目でスコットさんに話の続きをするように促した。
「実は今回の依頼の帰り道にかなりの数のオークが森の浅いところに多数いてな。森の奥からグレートウルフに追われて来ただけなら良いんだが、それなら脅威がいなくなればまた森の奥に戻るから心配ない。だがそれにしては遭遇する数が多すぎるんだ。」
「俺達は別に探しながら歩いていたわけじゃないんでね。それなのにかなりの数のオークがいたってことは、もしかしたら街の近場に巣ができているんじゃないかっていうことも考えられるって話さ。」
スコットさんに続きリッキーさんも話に加わった。
エミリーとリリー、俺は一切口を挟まず黙って話の成り行きを見守る。
「なるほどねぇ~…そんな事があったのかぁ。」
するとそれを聞いたルーシェさんは腕を組んで思案しだした。
「とりあえず、帰ってきたばかりなんだから2、3日はゆっくりしなよ?私の方はその間に今回の件の今後の方針を決めておくから、改めて依頼を出すかもしれない。その時はよろしく頼むね。それはそうと、今回の依頼の報酬は忘れずに渡さなきゃね!討伐した魔物の料金に関しては解体が終わってからになるけど、通常の依頼報酬は金貨24枚になるよ。」
そう言うとルーシェさんはジャラジャラ音をさせながら小袋をスコットさんに手渡した。
スコットさんは中を軽く確認してとりあえず自分の鞄にしまった。
みんなには後で分けるんだと思う。
「じゃあ今日はこんなところで帰るよ。何かあったらいつもの宿まで連絡よろしくな!」
「あぁ、こちらこそよろしくね。」
スコットさんとルーシェさんはお互いにそう交わして、俺達はギルドマスターの部屋から出た。
「じゃあもう夕飯の時間だし、俺達のギルドの入口に泊まっている宿屋に向かうか!早くいかないと宿自慢の美味しい夕飯が食べれなくなるぞ!」
リッキーさんがギルドの入口に向かって走り出しながら振り向いてそう叫んだ。
「待って~!あんたが走り出すと私とリリーが追いつけないのわかっているでしょ!?」
「そうですよぉ~!せめて私たちのペースに合わせてゆっくり走ってくださいな!」
「そうだぞ!俺はついていけるが、3人ともそんなに速くないんだからな!」
みんなは口々にリッキーさんに対して声をかけつつ、笑いながら走っていくリッキーさんに続き、急いで宿に向かって小走りに走って向かった。
中から「入っていいですよ~。」という若い男性の声がして、スコットさんは「邪魔するぞ~。」と声をかけてからドアを開けた。
中には、窓際の机に座った男性が1人。多分この人がギルマスなのだろう。
見た目はとても若い痩せ型の男性で、長い金髪を片側だけ編み込んで後ろで束ねている髪型をしている。
顔は一見すると男性なのか女性なのかわからない中性的な造りをしているが、とても綺麗な顔なのは間違いない。
あと特徴的なのは人よりも長くて尖った耳をしている。
多分リッキーさんが言っていた『300年は生きているギルドマスター』とはこのエルフなのだろう。
彼は何か書き物をしていたが、俺たちがぞろぞろと中に入ると驚いたように顔を上げた。
「なんだ、スコットだけじゃなくてみんな揃って顔を出したんだね。もしかして例の依頼から帰ったばかりなのかな?それに知らない顔の子もいるみたいだね?」
「あぁ、この子供は俺達がグレートウルフと戦っている時に森の中から出てきたんだ。名前はシエルだ。俺達はさっき街についてその足でギルドに来たんだ。で、解体の依頼をしたあとにちょっと耳に入れておきたい内容があってこっちに…な。」
「何だ何だ、スコットがそんな事を言うなんて、なんか良くないことでもあったの?」
ギルマスはそんな事を言いながら皆にソファーに座るよう勧めてきた。
皆がソファーに座ると、ギルマスは俺に向かって「元Aランク冒険者で、今はこの街の冒険者ギルドでギルドマスターをしているルーシェという。よろしくね!」と軽く挨拶してきた。
その後、目でスコットさんに話の続きをするように促した。
「実は今回の依頼の帰り道にかなりの数のオークが森の浅いところに多数いてな。森の奥からグレートウルフに追われて来ただけなら良いんだが、それなら脅威がいなくなればまた森の奥に戻るから心配ない。だがそれにしては遭遇する数が多すぎるんだ。」
「俺達は別に探しながら歩いていたわけじゃないんでね。それなのにかなりの数のオークがいたってことは、もしかしたら街の近場に巣ができているんじゃないかっていうことも考えられるって話さ。」
スコットさんに続きリッキーさんも話に加わった。
エミリーとリリー、俺は一切口を挟まず黙って話の成り行きを見守る。
「なるほどねぇ~…そんな事があったのかぁ。」
するとそれを聞いたルーシェさんは腕を組んで思案しだした。
「とりあえず、帰ってきたばかりなんだから2、3日はゆっくりしなよ?私の方はその間に今回の件の今後の方針を決めておくから、改めて依頼を出すかもしれない。その時はよろしく頼むね。それはそうと、今回の依頼の報酬は忘れずに渡さなきゃね!討伐した魔物の料金に関しては解体が終わってからになるけど、通常の依頼報酬は金貨24枚になるよ。」
そう言うとルーシェさんはジャラジャラ音をさせながら小袋をスコットさんに手渡した。
スコットさんは中を軽く確認してとりあえず自分の鞄にしまった。
みんなには後で分けるんだと思う。
「じゃあ今日はこんなところで帰るよ。何かあったらいつもの宿まで連絡よろしくな!」
「あぁ、こちらこそよろしくね。」
スコットさんとルーシェさんはお互いにそう交わして、俺達はギルドマスターの部屋から出た。
「じゃあもう夕飯の時間だし、俺達のギルドの入口に泊まっている宿屋に向かうか!早くいかないと宿自慢の美味しい夕飯が食べれなくなるぞ!」
リッキーさんがギルドの入口に向かって走り出しながら振り向いてそう叫んだ。
「待って~!あんたが走り出すと私とリリーが追いつけないのわかっているでしょ!?」
「そうですよぉ~!せめて私たちのペースに合わせてゆっくり走ってくださいな!」
「そうだぞ!俺はついていけるが、3人ともそんなに速くないんだからな!」
みんなは口々にリッキーさんに対して声をかけつつ、笑いながら走っていくリッキーさんに続き、急いで宿に向かって小走りに走って向かった。
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