異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第1章 出会い〜旅の始まり

解体現場にて

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スノーホワイトのメンバーが次々と魔物を積んでいくのを、解体の受付をしてくれたおじさんは腕を組みながら眺めている。

「こいつぁ~スゲェや!かなりの数がいたんだな。それにグレートウルフの亜種もいらぁ!全く、依頼を受けたのが並みの冒険者じゃなくて良かったとしか言えねぇなぁ。」

「あぁ、確かに俺達が街にいる時で良かったよ。そうじゃなければ低ランクの奴らに被害があっただろうな。」

「確かにそうだな。…ん?そ~いやぁ、なんか妙にオークが多くねぇか?」

「あぁ、そうなんだ。行きはそんなでもなかったんだが、帰りは結構な頻度でオークが出てきてな。こいつのも俺たちとは別に買い取りしてもらいたいんだが、全部オークなんだよ。」

俺はそう言われたので、皆の出した所と離して魔物を出した。

「…確かに全部オークだな。もしかしてグレートウルフに追われて森の浅いところに来ていたのか、それとも巣があるのか…」

「そこら辺は後でギルマスに報告しようと思っていたところだ。」

「そうだな、それが良い。もしかすると新たな依頼があるかもしれないしな。」

「帰ってきたばかりだから少しは休みたいけどな!」

「まぁ、今回は解体の数が多いから日数もかかりそうだ。だから支払いも2日後くらいになるんじゃないか?その間はゆっくり休めばいいさ!」

「そうだな、シエルに街の中を案内したりしなくちゃだからちょうどいい。」

笑顔でスコットさんはそう言うと、俺たちと一緒にまた受付へと向かった。

受付に向かうと先程の受付嬢から声をかけられたのでそちらへ向かう。

「シエルさん、ギルドカードの準備ができましたので早速登録しますね!その後、冒険者ギルドのランクなどの説明をいたします。」

俺はギルドカードを受け取るとまじまじと眺めた。

カードは赤茶色の薄い何らかの金属でできている。

色の感じから考えると新品の10円玉みたいだから銅じゃないかな?

そのカードには何も書かれていない。

「そのカードをこの板に置き、空いている場所にどちらの手でも構いませんから置いてください。」

俺は言われたとおりにカードを置いて右手を置いた。

するとカードが光りだし文字が浮かんできて、俺の名前とランクが記入された。

「はい、もう良いですよ。カードをお取りください。これでシエルさんのギルドカードはできました。今は名前とランクだけですが、従魔ができたらここに載ります。倒した魔物や攻略したダンジョンなどの情報は自動的にカード内部に記録され、こうやって板にカードをかざすと情報を見ることができます。あ、今までの討伐した魔物は載りませんので、そこは申し訳ないですが…」

「…なるほど、わかりました!載らないのは別にいいです。」

「あとはランクの説明ですかね。冒険者ランクは下はFランクから、通常の最高ランクはAランクで、その上にSランクというものがありますが、それは3名以上のギルドマスターの推薦とそれ相応の魔物を倒すなどの実績がある者に与えられるランクです。あと、ランクは低ランクであるほど有効期限が短く、Fランクは1か月、Eランクは3ヶ月、Dランクは1年、Cランクは5年、Bランクは10年、Aランクは30年、Sランクは無期限となります。この有効期限は全く冒険者活動をしていない期間のことで、最後に依頼を達成した記録からの期間になります。実質AランクとSランクは一生涯そのランクというところですかね。あとは…Dランクまでは昇格試験がなく、DからCランクへ上がる時から試験が始まります。それぞれ上がる時には規定の点数の他に特定の魔物を試験官と一緒に行って討伐してください。」

「…わかりました。とりあえず俺はまずFランクからEランクへと上げないといけないんですね!」

「はい、点数や必要ランクなどに関しては依頼書のところに記載がありますので参考にしてください。あとは何か質問はありますか?」

受付嬢が説明をし終わって聞いてきたが、特に聞きたいことは思いつかなかった。

すると後ろにいたスコットさんから「依頼書の見方なんかは後で俺たちが教えるから大丈夫。」と言われたので、何かわからないことがあったら先輩冒険者であるスノーホワイトのメンバーに聞くことにしよう!

「じゃあこれでシエルの要件は終わりか?あと俺たちからギルマスに今回の討伐で気になったことがあるから伝えたいんだが、時間取れそうか?」

「そうですね、今の時間ならまだギルドマスターの部屋にいると思いますのでこちらからどうぞ!あと、例の森の依頼報酬はギルドマスターから直接貰ってください。」

そう言ってカウンターの端の部分を持ち上げて階段のある方へ通してもらった。
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