8 / 196
第1章 出会い〜旅の始まり
解体現場にて
しおりを挟むスノーホワイトのメンバーが次々と魔物を積んでいくのを、解体の受付をしてくれたおじさんは腕を組みながら眺めている。
「こいつぁ~スゲェや!かなりの数がいたんだな。それにグレートウルフの亜種もいらぁ!全く、依頼を受けたのが並みの冒険者じゃなくて良かったとしか言えねぇなぁ。」
「あぁ、確かに俺達が街にいる時で良かったよ。そうじゃなければ低ランクの奴らに被害があっただろうな。」
「確かにそうだな。…ん?そ~いやぁ、なんか妙にオークが多くねぇか?」
「あぁ、そうなんだ。行きはそんなでもなかったんだが、帰りは結構な頻度でオークが出てきてな。こいつのも俺たちとは別に買い取りしてもらいたいんだが、全部オークなんだよ。」
俺はそう言われたので、皆の出した所と離して魔物を出した。
「…確かに全部オークだな。もしかしてグレートウルフに追われて森の浅いところに来ていたのか、それとも巣があるのか…」
「そこら辺は後でギルマスに報告しようと思っていたところだ。」
「そうだな、それが良い。もしかすると新たな依頼があるかもしれないしな。」
「帰ってきたばかりだから少しは休みたいけどな!」
「まぁ、今回は解体の数が多いから日数もかかりそうだ。だから支払いも2日後くらいになるんじゃないか?その間はゆっくり休めばいいさ!」
「そうだな、シエルに街の中を案内したりしなくちゃだからちょうどいい。」
笑顔でスコットさんはそう言うと、俺たちと一緒にまた受付へと向かった。
受付に向かうと先程の受付嬢から声をかけられたのでそちらへ向かう。
「シエルさん、ギルドカードの準備ができましたので早速登録しますね!その後、冒険者ギルドのランクなどの説明をいたします。」
俺はギルドカードを受け取るとまじまじと眺めた。
カードは赤茶色の薄い何らかの金属でできている。
色の感じから考えると新品の10円玉みたいだから銅じゃないかな?
そのカードには何も書かれていない。
「そのカードをこの板に置き、空いている場所にどちらの手でも構いませんから置いてください。」
俺は言われたとおりにカードを置いて右手を置いた。
するとカードが光りだし文字が浮かんできて、俺の名前とランクが記入された。
「はい、もう良いですよ。カードをお取りください。これでシエルさんのギルドカードはできました。今は名前とランクだけですが、従魔ができたらここに載ります。倒した魔物や攻略したダンジョンなどの情報は自動的にカード内部に記録され、こうやって板にカードをかざすと情報を見ることができます。あ、今までの討伐した魔物は載りませんので、そこは申し訳ないですが…」
「…なるほど、わかりました!載らないのは別にいいです。」
「あとはランクの説明ですかね。冒険者ランクは下はFランクから、通常の最高ランクはAランクで、その上にSランクというものがありますが、それは3名以上のギルドマスターの推薦とそれ相応の魔物を倒すなどの実績がある者に与えられるランクです。あと、ランクは低ランクであるほど有効期限が短く、Fランクは1か月、Eランクは3ヶ月、Dランクは1年、Cランクは5年、Bランクは10年、Aランクは30年、Sランクは無期限となります。この有効期限は全く冒険者活動をしていない期間のことで、最後に依頼を達成した記録からの期間になります。実質AランクとSランクは一生涯そのランクというところですかね。あとは…Dランクまでは昇格試験がなく、DからCランクへ上がる時から試験が始まります。それぞれ上がる時には規定の点数の他に特定の魔物を試験官と一緒に行って討伐してください。」
「…わかりました。とりあえず俺はまずFランクからEランクへと上げないといけないんですね!」
「はい、点数や必要ランクなどに関しては依頼書のところに記載がありますので参考にしてください。あとは何か質問はありますか?」
受付嬢が説明をし終わって聞いてきたが、特に聞きたいことは思いつかなかった。
すると後ろにいたスコットさんから「依頼書の見方なんかは後で俺たちが教えるから大丈夫。」と言われたので、何かわからないことがあったら先輩冒険者であるスノーホワイトのメンバーに聞くことにしよう!
「じゃあこれでシエルの要件は終わりか?あと俺たちからギルマスに今回の討伐で気になったことがあるから伝えたいんだが、時間取れそうか?」
「そうですね、今の時間ならまだギルドマスターの部屋にいると思いますのでこちらからどうぞ!あと、例の森の依頼報酬はギルドマスターから直接貰ってください。」
そう言ってカウンターの端の部分を持ち上げて階段のある方へ通してもらった。
782
お気に入りに追加
1,362
あなたにおすすめの小説

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる