異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
上 下
3 / 196
第1章 出会い〜旅の始まり

ここは、どこ?

しおりを挟む
「おい、大丈夫だったか?」

大剣を肩に担ぎながら大柄な男が俺に声をかけてきた。

「はい、ありがとうございました!おかげで助かりました!」

俺が男にお礼を言うと、男はにかっと笑って俺の頭をグシャグシャと撫でてくる。

「ホント、グレートウルフの亜種が君の方に走っていった時は肝を冷やしたわよ。無事で良かったわ!」

そう言いながら妖艶な雰囲気の女性が俺の側まで歩いてきた。

他の2人もゆっくりと歩いてくる。

4人が俺の周りに集まったところで自己紹介が始まった。

「俺達は『スノーホワイト』っていうBランクの冒険者のチームだ。俺はリーダーのスコット。よろしくな!」

まずは一番大柄な大剣使いの男が挨拶をしてきた。

彼はとても大きく、俺の目線が彼の腰の少し上くらいの位置にあるほどだ。

髪型は短髪で、額にバンダナを巻いている。

金髪、碧眼でワイルドな感じのイケメンだ。

「私は攻撃魔法担当のメアリーよ。よろしくね。」

次に挨拶してきたのは先程スコットさんの次に声をかけてきた妖艶な雰囲気の女性だった。

長い黒髪を後ろで三つ編みにしたちょっとキツめの顔の美人だが、雰囲気とは違い笑顔がとても優しそうだ。

「俺は斥候担当のリッキーだ。ホント、お前運がいいな!グレートウルフが攻撃を外すなんてな!そうじゃなかったら俺たちが追いつく前にやられていたぜ?」

そう言ってウインクしてきたのはメアリーさんより背が高くて細マッチョな体型の男だった。

見た目はなんだか軽そうな感じで、薄い茶色の長髪を両脇だけ後ろで結んでいる。

目の色は髪色より濃い茶色だ。

彼はどうもこのチームのムードメーカー的存在なのか、とてもフレンドリーな人のようだ。

「えっと、私は、回復魔法担当で、リリーって言いますっ!よろしくですっ!あっ、もしゲガをしているなら言ってくださいね、すぐに治しますからっ!」

慌てたように声をかけてきたのは見た目はとてもおっとりとした雰囲気の、ふわふわのウェーブがかった薄い金髪を肩で切りそろえた可愛い感じの女性だった。

話し方からするともしかすると軽く人見知りをするタイプなのかな?

「俺の名前は『沖 紫惠琉』っていいます。シエルって呼んでください。」

最後に俺が自己紹介をした。

それにしても彼らはそれぞれ高い低いはあるが、4人揃って俺よりも背が高い。

1番低いリリーさんでさえも俺の目線より少し上に顔がある。

この世界の人たちはみんな背が高いのだろうか…

「それにしても君はまだまだ子どもなのに、こんな危険な森に1人で一体何をしていたんだい?」

そうスコットさんが言ってきたので軽くショックを受けた。

やはり身長が低いから子どもだと思われたんだろうか。

「それになんだか見たことのない服装をしているわね。しかもサイズが合ってないみたいだし。」

そう言われて俺は自分の体を見下ろした。

確かに言われてみればなんだか少しぶかぶかだ。

日本にいたときにはくるぶしくらいだったパンツの丈が地面に擦っているようだし、上着の肩幅や身幅なんかも全然合ってない。

靴も多少大きくても履けていたので気づかなかった。

一体どうしたんだろうか…?

まさか、身長が縮んだ…?

俺が軽くパニックになっている間にスコットさんとリッキーさんは全ての倒したグレートウルフを回収してきたようだ。

2人の持っている鞄は俺が持っている肩掛け鞄のように一部を中に入れるとスルスルと吸い込まれる性質を持っているようだ。

それにあんなに大きなものを入れたにも関わらず、全く見た目の大きさなんかも変わらないようだ。

「…言っても信じてはもらえないでしょうが、俺、どうも違う世界からここへ来たようで…。元にいた世界で落とし穴みたいなものに落ちたと思ったらこの森にいたんです。」

俺が正直にそう告げると、4人は驚きに目を見開いた。

「…たしかに過去にもそんな人物がいたと文献にも載っていましたね。とても珍しくて、1番最後に発見されたのは確か100年前くらいだったはず。」

そんなことをリリーさんが言ってきた。

良かった、過去にも一応前例としてあって。

それなら疑われなくてもすみそうだ。

「だからそんな変な格好をしているのね。あっ、そういえば確か『落ち人』はいろいろなスキルなんかを持っているって聞いたことあるわね!」

「そうなんですか?それはどうやって確認できるんですか?」

「確認はステータスボードを出してみることができるわよ!声で『ステータスオープン』って言えば目の前にステータスが出るわ。ただし、それを見ることができるのは本人のみよ。」

「なるほど!じゃあ早速見てみます!『ステータスオープン』」

メアリーさんがやり方を教えてくれたので、早速やってみた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~

銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。 少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。 ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。 陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。 その結果――?

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

異世界転移~治癒師の日常

コリモ
ファンタジー
ある日看護師の真琴は仕事場からの帰り道、地面が陥没する事故に巻き込まれた。しかし、いつまでたっても衝撃が来ない。それどころか自分の下に草の感触が… こちらでは初投稿です。誤字脱字のご指摘ご感想お願いします なるだけ1日1話UP以上を目指していますが、用事がある時は間に合わないこともありますご了承ください(2017/12/18) すいません少し並びを変えております。(2017/12/25) カリエの過去編を削除して別なお話にしました(2018/01/15) エドとの話は「気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ」にて掲載させてもらっています。(2018/08/19)

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話7話。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

処理中です...