醜い夫に添い遂げたわたしの来世

 
 遥か昔、ある領主の家に一人の娘が産まれた。

 何不自由なく育ったその娘は、賢く、美しく成長していった。 たが悲劇は起こり、領土争いに敗れた娘達一族は滅ぼされた。

 主からこの娘だけでもと託された家来は、命を賭して追手から娘を守り逃げ続け、辿り着いたある村で男に娘を託し力尽きた。

 託された男は平凡な村の村民で、見た目も醜く、とても賢いとは言えない。

 ―――賢く、美しい娘は思った。

 自分は、なんて不幸な人生を生きるのだろうと。


 そして現代―――

 生まれ変わった娘は、その美貌でイケメンしか相手にしない高飛車女になっていた。

 ある日の朝、電車で転校初日の大柄な男子生徒と偶然出会い、失った記憶が刺激され少しずつ蘇る。

 運命の出会いは、今生で少女になにをもたらすのか――――。

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