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鶴井こう

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16 鍛冶屋は不遇

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 チュートリアルのリザードゴーレム戦で手に入れた未鑑定品を鑑定してもらうために、俺は村の鍛冶屋へと足を運んだ。

 アサギ村の規模はそれほど大きくなく、土を踏みならしただけの道はわかりやすく配置も覚えやすい。近くの村人NPCに聞いて鍛冶屋の場所はすぐにわかった。

「おう、鑑定か。まかせな」

 鍛冶屋の親父は筋肉質でヒゲのたくましいドワーフのような背の低い見た目で、当然ながらAI搭載型のNPCである。

「なんだ? あまり武器防具は売っておらんのか」

 ラインナップを確認しながら、俺は武具屋の親父に言った。
 ここでは鑑定や耐久の少なくなった武器防具の修理以外に、武器防具の売り買いもできるのだが……

 購入可能な武具の一覧には、初期装備である鉄製武器と、レベル30から装備できるウェルリア製武器と武具しか売っていなかった。しかもかなり割高な値段である。あとは携帯用クラフトキットが一万エイル。

「お前さん冒険者ならわかるだろう?」

 俺がそれを指摘すると、鍛冶屋の親父は何百回もその返答をしてきたかのような億劫さで言った。

「冒険者は素材があればなんでも自分で生産しちまう。そしてその素材も自分たちで調達することができちまう」

 クラフトのことだろう。

 たしかに素材があれば武器防具の制作もクラフトで可能だ。

「だから製品をあれこれ置いたところで需要がないんだよ。いい武器を買いてえなら冒険者御用達の『自由市場』でも覗いてみな」

「自由市場?」

「冒険者たちがクラフトで生産した武器や道具を売り買いできる市場だよ。皆そこで売買してる。だからうちは鑑定や修理をメインでやってんだ」

「そんなものがあるのか」

「冒険者証が入場券代わりだ。気が向いたら見に行けばいい。あとこれは鑑定した品だ。鑑定は修理もセットだから耐久も復活している。すぐ装備して使えるぜ」

「ああ、恩に着る」

 俺はリザードゴーレムから手に入れた未鑑定品だったものを確認する。


ブロードソード
ランク:★
駆け出し冒険者用の装備。小盾(バックラー)付き。
 

駆け出し冒険者装備セット
ランク:★
駆け出し冒険者のための装備。
すべて装備することで防御力にプラス補正が付く。

鎖帷子
アイアンヘルム
アイアンガントレット
アイアンクリーブ


 鑑定された装備は今の鉄の剣と皮の鎧よりワンランク上ほどの装備だった。チュートリアル卒業にふさわしいといえばふさわしい。入門用装備である。

 アイアンヘルムは装備するとやや視界が狭くなってしまう。装備欄の非表示をオンにすると、装備したまま兜が消えうせた。

「表示非表示機能があるのは便利だな」

 鍛冶屋の親父と別れて腕についている冒険者証を開いてみると、確かにコインのアイコンとともに『自由市場』の文字があった。どうやら村や町にいないと開けないものになっているようだ。

 俺はさっそく自由市場のウィンドウを開いて品揃えを見てみる。
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