封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう

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103 増援、束ねられた力

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夕焼けでそれはよく見えた。
そこには、山をも超える一本の超巨大な広葉樹のようなものが雲を突き破るようにして立っていた。
金属質の木のようで、鈍い光を反射している。空間が歪んでいるように見えるが、でかすぎて輪郭がよくわかった。

「で、でかい木!? 成長してでかい木になったのか!?」

ゼビカが声を震わせた。

「対応が遅くなった。ゼビカはまたサポートを頼む」

言っているうちに、成長した巨大な木は身を落とすかのように、小型の星外獣を次々生み出して山に放つ。

「なんか子どもみたいなのを生み出しているな」

「無限に生み出されるとやっかいだ。手始めに、俺をあそこまで乗せていって――」

ゼビカに言っている途中で、

「きたああああ!」

冒険者と思われる男たちが数人、山にいる星外獣を見て拳を握った。

「なんだ……?」

上空には、同じような冒険者たちが竜に乗って、星外獣を見て喜びの声を上げている。

「たくさんいねえか? これで一生暮らせるだけの金が俺たちの手に!」

「いや、あれはあの木から落ちてきたもので、本体はあの木だけじゃねえか?」

「なんだよ! でも協会に持って行って鑑定してもらわねえとわからねえよな!」

「そりゃ、そうか! やるぜ!」

皆著しく戦意が高いように見える。

「ほかの冒険者? それに、空には竜?」

「間に合ってくれたようだ」

ゼビカが言った。

「竜の国の竜たちを移動手段に、星外獣の対応をしてくれる冒険者を募集したらかなりの数が集まった」

「この星のすべての生き物の危機だというのに、盛り上がってるのはなぜだ」

「ランドの焚き付け方がうまかったようだ。金の力で煽り倒していた。粛々と仕事をこなすファスターだけでは、ああはいくまいさ」

我先にと山を目ざす冒険者たち。そうか、ランドがやってくれたのか。しかし想像以上だった。

「人は、たくさんの人を巻き込みながら、時には精霊を超える大きな力を振るうことができる。ロイも精霊王も、それを期待してお前の封印を解いたのではないか?」

ゼビカは竜の姿になり、俺に乗るように促した。

「それなら俺の力ではなくランドの力だろう」

「ランドもお前がいなければこうすることはなかったのでは?」

「……はは」

俺はゼビカの背に乗って、木のような形の星外獣を目指す。

「皆は小型の星外獣を仕留めに向かうだろう」

「ああ。大物は俺たちの獲物だ。やれるかトントン」

「無論!」

風を操る《フォールディング・エア》を装着した手には、あらゆるものを切る《精霊王の剣》と莫大な冷気を生み出す《マグナフォール》を持つ。

俺はゼビカの飛翔スピードに乗って、一気に幹にあたる部分を凍らせ、切断した。氷結は星外獣全体へと広がり、砕け散る。

「瞬殺とは、やはり恐ろしい男だな」

ゼビカはやはり若干引いていた。

山には、冒険者たちによる小型の星外獣狩りが行われていた。
闘技場で知り合ったガゼットやフューエルもいる。
この様子なら、小型の星外獣は放っておいてもよさそうだ。

「誇れ」

ゼビカは飛びながら、周囲を見回して言った。

「これらは、お前がいたからこそ動き束ねられた力だ」

「だといいんだがな」

言っていると、新たに結晶持ちの巨大な個体が二体、落ちてきて山が吹き飛ぶ。

「…………!」

そして、上空。

一瞬で空が暗くなった。おそらくまだ到達に時間はかかるのだろうが、ここからでもわかる巨大な星外獣が姿を現した。
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