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25 無事に再会を果たす剣士と魔王

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魔獣災害の事後処理も、冒険者協会がやってくれるらしい。

町の前で絶命した巨大グランドイーターの素材は、すべてランドに譲った。
一度には持ってこられなかったので、何回分かに切り分けて持ってくる計画だ。

「いや、俺にグランドイーターの素材をくれるって、何でだよ! お前が一人で倒したんだろうが!」

ランドは売買所の中で文句を垂れた。
受付に持って行った直後のことだった。
なぜ素材をやると言っているのにこんなに怒っているのか、正直理解に苦しむが理由を説明する。

「言っただろう。推薦状を書いてくれたら、報酬代わりに魔獣の素材を渡すと」

「……!」

「狂言とでも思ったか?」

「いや、こんなS級魔獣の素材なんか貰えねえよ……しかも欠損なくほぼ丸ごとだし、いくらになると思ってんだよ」

「だったらその素材で武器や防具を作ってそれを人助けに使ったり、素材を売った金をどこかに寄付したりすればいい」

「……おっさんはそれでいいのかよ」 

俺は頷いた。

「うんちランド返上のチャンスだ。懐に余裕のある時には、いいことくらいしておけ」

「それは言うなっつうの!」

売買所の中で言い合っていると、一人の女児がこちらに近づいてきた。
魔王である。

「……ふん、生きていたか」

俺が言うと、魔王も苦い顔になる。

「貴様もなトントン」

「無事で何よりだ。表へ出ろ」

「望むところ。しかし待て。薬草を換金させてもらう」

「仕方のないやつだ。しかしあの世に金は持って行けんぞ」

「はっ! 言ってろ青二才が」

「青二才が何か言ってるぞ」

「我が青二才なのは見た目だけだ!」

俺たちはそのまま売買所を出て町の外に出た。
一振りでも精霊剣が戻ってきた。はしごを外すときは今のようだ。

「お、おい! ……何なんだよ?」

ランドは訳もわからず首を傾げた。
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